明日から4月。
9日は北海道知事選の投開票日だが期日前投票の割合が前回より2割減という。
3月23日に告示されて1週間が経ち、地元紙には連日、関連記事が載っている。
その中に報道センターキャップの署名記事があった。
-論戦は始まったばかりだが、有権者には冷めた空気も漂う。道民にある種、政治への「諦め」が広がっているように感じられてならない。(2023.3.24)-
告示の翌日でこの記事である。
日頃の取材現場でそう感じるのだろう。自分もそうなのは当たり前かと納得した。
何故だろう。
ひとつは、野党候補の池田氏はもとより、政党や議会からの現職に対する政策の評価や実績の検証が無いということ。
これでは「どこをどうするか。」という次に向かっての選択が生まれない。
選挙は一種の祭りだ。大いに論評しあい騒ぐことも必要だ。
そして、従来型の〝手の内を見せない〟という選挙戦術だ。
公約の発表は現職の鈴木氏知事は告示の二日前、野党の支援を受けている池田候補も10日前だ。
あまりに遅い。これは選挙民の軽視であり、盛り上がるはずも無い。
告示からはもう連呼だ。「どのような北海道を創るか。」というメッセージはもっと早くから有権者に訴えて欲しいものだ。
野党は分かり切ったことなのに、いつも候補者の擁立に手間取り、それどころでない。
怠慢としか言いようがない。
全国の知事選で唯一の与野党対決と言われているのに、野党第一党の立憲民主党の泉代表は告示の時に来ただけで、衆参補選で忙しくてもう来ないという。
これではヤル気が疑われる。
もう一つは「具体策」が無いということ。
前職の高橋はるみ氏は〝お国〟という言葉を記者会見でも平然と使っていた。
何か嫌な気分になった。
現職の鈴木知事は同じ中央依存型で「国の事業や道外資本」頼み。
対する池田候補は「地方の維持」を基本理念にしているところがせめてもの救いだ。
しかし、どちらも公約は抽象的で政策目標や具体的な道筋が見えない。
あと1週間余り。
候補者には組織票を固めれば何とかなるという安易な考え方を捨てて、有権者にグサッと来る政策勝負をして欲しい。