楕円と円 By I.SATO

人生も自転車も下りが最高!
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国会論議が緩んでいる

2023年03月02日 | 日記

通過儀礼のように衆院を通った2023予算の参議院審議が始まった。

北海道選出の立憲民主党徳永エリ議員が農業問題で食料自給率と酪農家の離農が増加している問題を取り上げていた。

酪農家はウクライナ戦争に起因する家畜用配合飼料の原料を始めとする資材の高騰と牛乳消費量の減少により経営が極めて厳しい状況に追い込まれている。

 

このことは戦争が勃発した時から懸念されていた。

ところが農水大臣の答弁は「2月24日に総理から飼料価格の抑制について指示を受けて検討している。」という恐るべき危機感の無いものだった。

 

岸田首相の答弁にも間違いがあった。

「生乳の需給調整に不可欠な加工原料乳について、補給金を出すとともに、価格下落時には国と生産者が積み立てている基金から補填する。」と答えている。

加工原料乳に対する補給金は生乳の生産費と乳製品製造コストから計算されるメーカーの生乳買入価格とのギャップに基づいて、いわゆる〝不足払い法〟により、昔から交付されている。

 

その「加工原料乳価格」も集乳している農業団体(北海道はホクレン)と乳業メーカーとの交渉で年初に決定され、市場価格のように上下動しているわけではない。

国と生産者による価格補填基金は聞いたことがない。(その昔、仕事で拘わっていた時は。)

岸田首相は配合飼料の価格安定基金と勘違いしたのかもしれない。

 

徳永議員は、答弁の確認を行わなかったし、岸田首相のアタマに生乳取引の基本中の基本が入っているのか、首を傾げるやり取りだった。

報道では出てこないようなことだし、たまたま中継を見ていて分かったこと。

中継されない国会の各委員会の質疑は殆ど分からない。

 

岸田首相が前言を翻すことが常態化している。

そもそも本人に確たる考えが無く、徳永議員との質疑のように周囲のスタッフとも意思疎通を欠いているではないか。

 

国会論議の緩み、質的低下を感じる場面だった。

選挙は大切だ。