国民民主党はやはり与党だ。
自・公政権で慣例化してきた法案と予算に関するプロセスの「事前協議」→「閣議決定」→国会議案提出→議決・承認の流れに完全にはまり込んで、〝103万円の壁〟や〝ガソリン税〟をどうするこうするの「事前協議」を行っている。自民党税制調査会にまで参加している。驚きだ。
オープンな国会の場では無く、自・公・国の密室協議で政策の大枠が決まろうとしている。これまでの安倍一強時代の悪弊を踏襲し、民主主義に反すると思うがメディアの論調に全くその批判が無いのはどうしたものか。
国民民主の主張のとおり壁を178万円にすると必要な財源は7.6兆円と大きく、国ばかりでなく地方の税収も減る。
今、財務省は永田町を駆け回って、根拠を最低賃金の上昇割合ではなく、物価の上昇割合に変更して算定される113万円との〝間をとった金額〟で手を打とうとしているだろう。
しかし、このような小手先のことをその場しのぎに繰り返してきた結果が今日の国民の生活窮乏を招いているわけで、「税制」「社会保障制度」「財政制度」という全体の大きな話を見えなくしている。
「壁」は段差である。ほかにもいくつかの壁がある。
壁で急激な負担増が生じないようにするためには、働ける人は働いて、収入に応じて税金や社会保険料の負担を少しずつ増やしていくなだらかな「坂」のような制度に移行すべきだ。
28日からの臨時国会は小手先ではなく、全般的な見直しを開始する国会になって欲しいものだ。
石破首相はどう考えているのだろうか。野党第一党の立憲民主党が政権担当出来るかどうかの試金石ではないか。頑張って欲しい。