裏金事件もどこ吹く風、何にも無かったかのように赤じゅうたんのタラップを手を繋いで下りてくる岸田首相を見ていて、頼むから余計なことを決めないできて欲しいと心底思う。
かつて中曽根首相がレーガン大統領に「日本列島は不沈空母だ。」とやって国内で大問題になったが、思えばあれから日本は完全にアメリカの東アジア軍事戦略に取り込まれてきた。
あの頃のジャーナリズムは何処へ行ったのだろうか。若者の間で「政治の話をるのは野暮」の風潮があるという。ジャーナリズムの衰退と無縁ではないだろう。
今回の日米首脳会談では宇宙防衛戦略、日米安全保障体制強化がメインの議題になるようだけれど(形ばかりに拉致問題を出すにしても)、気掛かりなのはアメリカのみならず複数国も加えた軍事同盟への日本の参加が進んでいることであ。指揮命令系統もやがて米軍に組み込まれるに違いない。
先日も閣議決定だけでイギリス、イタリアと共同開発するAI搭載ステルス戦闘機輸出の穴をあけた。戦争国は除き、都度、国会で議論すると言っても信じられない。穴はどんどん広がる。
日本は戦争をしない国から出来る国の道を歩んでいる。
今回、岸田首相の渡米と同時に国内では全く知らされていないオーカス(AUKUS;アメリカ、イギリス、オーストラリアの三国間の軍事同盟)に「日本も加われ。」とバイデン大統領が話すという情報が出てきた。
岸田首相は何んの躊躇い、将来への不安・影響も考えずにニコニコと頷く。
AUKSは明らかに中国包囲軍事同盟のひとつであり、敵基地攻撃など軍事分野やサイバーセキュリティ、AI、量子技術を用いた暗号化技術の開発を行っていて、オーストラリアの原子力潜水艦の配置とインド洋をカバーする超音速ミサイルの配置が喫緊の課題という。
日本がどのような役割を担うのか。
こんな大事なことを国会をスルーして、安倍晋三ばりに「決めましたから。」と平然と言う岸田首相によって、この国がどんどん軍事国家に姿を変えてゆく。どこがハト派の「宏池会」なのだ。
メディアは大リーグの〝大谷ニュース〟で時間潰しするのではなく、晩餐会のメニュー紹介をするのではなく、アメリカ側サプライズ歓迎アクションに感心するのではなく、岸田首相の「アメリカ属国外交」を詳しく報道し、警鐘を鳴らさなければならない。
自民党政府に任せたまま無関心でいてとんでもない国になってしまったことにあらためて気づいた今こそ政権を交代し、立て直さなければ日本列島は沈没する。
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