2024.11.7 9:00
朝から降っていた霙交じりの雨がやがて雪になってヒバの木に薄く積もった。
今日は「立冬」。
トランプ氏がアメリカ大統領に返り咲くという寒々しいニュースが飛び込んできた。これから4年間、他人の意見を聞かない万能感に満ちた顔を見なければならないと思うとウンザリだ。
TVに登場する専門家は「歴史上稀に見る接戦、激戦」と口を揃えていたが、蓋を開けるとまさかのトランプ氏の圧勝だった。激戦区と言われる7州も全て抑える勢いだ。専門家は勝因、敗因の分析に忙しいが人も社会も複雑なのに似たような論調なのが気持ちが悪い。
予想を大きく覆す選挙はつい最近、この国の衆議院選挙でもあった。
まさかの〝自・公過半数割れ〟が起きた。
ハリス候補も石破首相も、経済格差の拡大という前政権の政策の失敗に対する国民の不満の受け皿になり得なかったということだが、「前任者の責任を被った」との不思議な同情論が出たりしている。それでは何のために選挙をするのか。メディアの姿勢に違和感がある。
具体的な処方箋を示さなかったことが敗者となった致命的な原因であり、石破首相にあっては更に「裏金問題」の対応がコロコロ後退して信用さえ失った帰結である。
都知事選に続いて、日米二つの選挙はどうしようか迷っている有権者をごっそり掬い取るSNS活用術に長けた陣営でなければこれからの戦には勝てないことを示しているが、厄介なのは必ずしも言ってることが具体的でない場合もあることだ。
最近の選挙で思い起こすのは100年も前に、動乱のスペインで、哲学者であり評論家であり一時は政治家でもあったオルテガが、「トポス」(ギリシャ語で「居場所」の意)が無く、群衆化する大量の人々を「大衆」(庶民とは全く違う)と名付け、他人に耳を傾けず、熱狂に流される危険があると述べていることだ。
選挙に限らずSNSによる不確実な情報の拡散、意図的な扇動が予測のつかない結果を生む時代に入っているのかもしれないという漠然とした寒々しさを感じる。
アメリカ連邦議会の上・下院選挙も共和党が勝利し、再登場したトランプ大統領の独裁的政治手法が紛争国で勢いを増し、国際社会がキナ臭くならなければよいが。
それに踊る多くの日本人。
一番大事なのは投票に行くことと思います。
民意がトランプなら致し方ないですね。
しかし米国民、お馬鹿が多いと言う事がこれでよくわかった気がします。まともな知性の持ち主ならトランプに投票しないでしょう。
世界は独裁者に支配された過去に戻りつつあるのが気がかりですが・・・・・。
ご自宅メールアドレス、差し支えなければお知らせください。さとう