臨時国会が間もなく終わるが、政治資金規正法再改正に一歩前進はあったものの、〝裏金づくり〟は「誰が主導し、いつから、何のためにやったのか」という衆議院選挙前の疑問は残ったままだ。
国会の政倫審が開かれているので衆議院インターネット中継をちょっと見ていた。
「裏金の存在を知らなかった。」
「会計は事務所の責任者に任せていたので、〝裏金作り〟は報道で初めて知った。」
「政治資金収支報告書に記載しないという会計処理は派閥事務局からの指示だった。」
という類の弁明が〝金太郎飴〟のように繰り返されている。
元・防衛大臣の稲田朋美議員は、2022年5月に当時の派閥会長の安倍総理と1対1で会った際に、キックバックの廃止を伝えられているにも拘わらず、自身の事務所で裏金作りが行われていることを知ったのは2023年末だっという。
派閥会長からそのような話があったら、すぐに自分の事務所がどうなっているのか調べるのではないか。弁明全体が信じられない。
萩生田議員は、裏金作りにも机の現金の使途にも一切関わっていないという弁明だ。3,000万円近い現金は口座からわざわざ下ろしたものという。
事務所の担当者によって議員のノーチェックで使われていたかもしれず、それだけで政治家失格ではないか。
政治資金規正法違反(虚偽記載)で有罪判決を受けた安倍派の事務局会計責任者である松本淳一郎氏は、裁判で「ある幹部から続けることになったと告げられた」と証言している。
松本被告は幹部協議に同席していた。
キックバックは、当時の会長だった安倍元首相の指示で2022年4月に中止が決まったが、同8月の幹部協議後に一転して継続することになり、幹部らが還流継続を所属議員らに周知したとされている。
松本淳一郎氏の裁判の証言は「新たな事実」である。
既に終わった幹部協議出席者の弁明は「キックバックがどのように再開されたか分からない。」というもので食い違いがある。
塩谷氏(元安倍派会長)、下村氏(元文科相)、西村康稔・前経済産業相、世耕弘成・前党参院幹事長の4人に加え、裏金作りが始まった頃の派閥会長である森喜朗氏の「国会証人喚問」が必要と思う。
政倫審は明日12/19に終わるが、これ以上続けても「政治とカネ」の核心である「裏金」の解明に繋がらない。