世は移ろうのだが、びっくりするニュースだった。
トウショウ牧場 来月10月で閉鎖
日本競馬史上の名勝負と云えば、必ず登場。ほぼ常に最高順位かこれに近い一番として記憶にも記録にも鮮烈に刻印されているのは
1977年12月18日 第22回 有馬記念
この トウショウボーイ テンポイント の激突である。鹿戸先生と武パパ。最初から最後まで2頭のマッチレースだった。前年もこの2頭の激突。史上初、3歳馬同士がワンツーしたグランプリ。翌年の再戦はリベンジマッチとなり、過去先着したことはあったが、遂に大舞台でテンポイントがトウショウボーイを下す。その後の運命は、これまた人の世の移ろいと同じ演出。片や年明け日経新春杯でアクシデント。一方はシンザン以来19年ぶりに出現する3冠馬の父となった。悲運の貴公子と天馬。
今でも長いキャリアの方に伺うと、トウショウボーイこそベストホースとのお考えの方は多い。本質的にマイラーの筈だったが、守備範囲以上の距離でも寄せ付けない。
初重賞の皐月賞が、1番人気テンポイントに5馬身差の圧勝。東京の芝2000mでこの着差は圧巻で、無論、ダービーも決まりの声が出たが、死角無しの大本命と云われた本番では、史上最大の刺客の1頭、クライムカイザーに生涯最大のそして最後の勝利を奪い取られる。翌年、春の盾を獲り、勇躍ボーイ封じに登場した宝塚記念のテンポイントもやはり一蹴。2度のグランプリ有馬記念でも2頭の決着が連続する。いや、3回連続グランプリで2頭のワンツーが続く。今度このような宿命のライバルが出現するのは何時の日か。
競馬会は歴史的名馬にも、どうしても、「たられば」のレースを用意、共に記憶に焼き付けるのだが、トウショウボーイ、いやトウショウ牧場最大のこの「もし、勝っていたら」のレースとは、このトウショウボーイのダービーと最後の有馬記念ではないか。誰にでも巨大な悔いのような、忘れ難いダービーや有馬記念がある筈だ。
このボーイの28年後の宝塚記念。スイープトウショウの出現を見る。
が、先週の2歳重賞 新潟2歳ステークス では、9番人気 トウショウドラフタ 11着 までだった。あの厩舎。
メジロ牧場が消え、またこのボーイの故郷も。
様々のことで、事は決まったのだろうが、別にそれだけが人生、それだけが総てではない。誰にでも、どんな凶事を経ても、人はまた新しく生き直すことが出来る。
わたくしは魂の永生を知り、また信じ切っているので、あらゆる場面で「絶望」と云う境地に立つことに与しない。また、余り巨大な災難に遭遇したことが無いので、気楽だったが、老舗の閉店。それは寂しい。
新潟記念 見渡すと、枠連 〇-〇 だらけで、間違い無くこのどちらかの枠は絡むのだろうが、明日朝の出馬表を待つばかり。
今は昔、小学生の少年達の憧れの職業だが、プロ野球選手はさておき、警察官、消防士などが並ぶ時代のトウショウボーイだった。無論、東証ボーイでもあり、また生産界では中小の生産牧場に重用され「お助けボーイ」とも呼ばれた。
このトウショウボーイの出現した、1976年。ロッキード事件が発生し、夏には田中角栄の逮捕。日本初の五つ子誕生。巨泉の「クイズダービー」が始まり、「こち亀」の連載開始。猪木・アリの異種格闘技戦が行われ、王の715号ホームラン。
何よりも、昭和天皇在位50年。これが歴史的名馬を創出する最大のきっかけだったと考えられる。
「およげ!たいやきくん」「ビューティフル・サンデー」の大ヒット。ピンクレディーのデビューに、太田裕美の「木綿のハンカチーフ」。映画は「狼たちの午後」「タクシードライバー」「犬神家の一族」。
兎も角、角栄とロッキードで沸き立ち、世間も元気だった頃のである。
無論、未だ現役の池上先生。ボーイの背、そして東京の2つのクラシック戦を思い返されていることだろう。
大尾形の主戦だった保田隆芳先生。ボーイでトレーナーとしても名を残すこととなった。
1頭の馬が映す時代の鑑。ディープインパクトもオルフェーヴルもそうだった。
今年は戦後70年目の節目。春のドゥラメンテで終わりではない筈だ。
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1月号付録カレンダー、捲って9月写真は 8枠13番 ダイワスカーレット 有馬記念の写真だが、このスカーレットの同じゼッケンの別のGⅠ 2007年 秋華賞 そのまま、捲る前の先月末 キーンランドカップ で使われてしまった。
今年の コーフィールドカップ メルボルンカップ 日本馬の登録が発表され
フェイムゲーム
ホッコーブレーヴ
そして 5555名様に「名馬プレミアムグッズ」プレゼント。今日から10月4日までがエントリー期間である。半端でいい数字だ。