祇園精舎

気の向くままの徒然日記

室戸岬

2008年10月02日 | おでかけ
9月26日 最終日。


日が明ける前に目覚めて出立。外にでると雨であった。

目の前の景色はスバラシイだろうが心眼で見る域には残念ながら達していない。
目でみる景色は曇で隠れている。

もはや展望が望めないと覚悟した。

高知市から国道55号に乗り室戸岬を目指した。


約100キロの道のり。もはや真っ直ぐと走る。

途中の海岸や温泉、中岡慎太郎縁の地…勿体無いがとにかくひたすら…


学生や会社員の姿がチラホラ見えるようになってきた。
残り一日とはいえ非現実の中を逆走して岬に向かってるのに高揚はしていた。

海岸沿いで岬が連続する。岬が遠くに見えるたびに「あれが室戸か?」て思ってた。


雨が小降りになり岬の先には晴れ間が見えてきた。

今回の四国は天候が悪かったが行く先々の目的地は自然と雨が止んでた。

なんて自分はツイてるのだろう…イヤ…なにかの意図があるんやろうかな?って思い
晴れ間がみえる先に

「ありがとうです」と感謝した


中岡慎太郎像が見えた。てっきり岬の先端に像があると思ってた。
話で聞くと遠くの足摺岬を見つめてるとか?

像に挨拶し、ようやく来たんだ…と実感してきていた。

…とはいえ風が強い。バイクが倒れないか?と心配したほどである。
台風接近で有名な地であることを認識。








室戸岬に上陸。

乱礁を見た瞬間、「着いたぜよ。ついに来たぜよ~!!」って声をだす。
喜びと満足感がでてきた。

風雨で変化した奇形な岩達を見て感歎とする。
弘法大師ゆかりなのか、和歌山の串本にも似たようなところがあるか…
こうみるとこの地もすごいが地元もまんざらではないと思えてくる



そんな中、喜びを大きく噛み締めていたが、これを誰かと分かち合いたいし分かち合いたかった



灯台を見て帰路につこうと決意した。



間違ってスカイラインの道を通り、展望台のところまできたがこれが怪我の功名だったのかもしれない。晴れ間が広がってきた!


バイクを停めて展望台に行こうとすると見知らぬおじさんがこちらを見ている。

習性で会釈をして「こんにちは」と声をかけると返してくれた

近寄ってきてナンバーをみて「和歌山からきたんですか?」と声をかけてくれ自分のバイクのことをたずねてきた。
会話をしてると静岡からきて車でお遍路してるとのこと。


お遍路のことを色々訊ねてみると色々教えてくれ、興味もって聞いてみると車の中から色々道具を見せてくれて・・・写経やら札やら・・・

人生、お遍路。そんなキャッチフレーズもどこかで見た。四国はお遍路で八十八箇所回ってる人達を目にする。

そんな中の人を話をするのもオモシロイだろう…と思い腰をすえてもっと話をしてみた


…すると音楽の先生で日本民謡や尺八をされている方だという。

尺八で30年、民謡で50年…いくつですか?と訊ねると70歳越えているという
おじいちゃんには見えず背筋が真っ直ぐしている。髭が仙人ばりにあるが定年したばかりにみえるから驚きだ

笛のことや音楽のことを訊ねていくと…その道ではなんだか高名ある方のようだ。


その方は尺八を40歳越えてから始めたという。

辛く辞めたい時があったという。
そんな時、師である方が諭してくれて音を聞かせてくれたという。

美しい音色であり、その曲があったからこそ辛いことも乗り越えれたと言ってた。
そして自分に聞かせてくれた。



それは誰も知っている「赤とんぼ」


…音色はかすれていた。
その方が涙浮かべてどうしようもないほどであったから


あぁ…この人の素性は分からないけど、大きな挫折や痛みを負ってホンマこの曲を吹いた人のおかげで今のこの方がここにいてるんやな

それを今、素で自分に見せている…と思ったら

お世辞にも上手い音色とはいえない赤とんぼの曲がすばらしいと感じた。


申し訳ありませんって年下の自分に謝っていたけど、自分は首を横に振って
「そんなことないです」って陳腐な言葉しかでなかった。




自分にも日本音楽の興味をもってほしかったのか勧めてくれてたような感じだったが…おそらくここで自分が話しにのれば音楽の道が拓けるきっかけになるのだろうが関心がもてなかったのでお茶を濁すようなことを言った


「自分も…今は何もないが音楽でなくても何かを見つけて同じように続けたいです。そして見習っていきたいです。だから自分も遅くないって思いましたので励みになります」

…色々自分でも想う事はあった。その方は何を想ってたかはわからないけど
「そうですね」…と言って優しい目をしていた


そして機会があればどこかで会いましょう…ってお互いに言って握手を交わした。

「あぁ…いかにも若い人の手だな…」ってシミジミといってたけど自分にはお年寄りの手には感じなかった。

…ってかなり長い時間を話して肝心の展望台からの景色を逃していた。
天気も晴れ間が見えてたのにヤバイ感じ…

結局一緒に見た


室戸の地で歳の離れた和歌山と静岡の県民が二人。
そこで九州の民謡を尺八を披露してくれた。

なんてアンバランスなんだろう、でも何か良いや


音色が風に乗って海の向こうにいきそうであった





帰りのフェリーの時間が乗り遅れそうやな… でもまぁいいや











~刈干し切り唄 宮崎県民謡~


この山の 刈干(かりぼ)しゃ すんだヨ
明日はたんぼで 稲刈ろかヨ

もはや 日暮れじゃ 迫々(さこさこ)かげるヨ
駒(こま)よ いぬるぞ 馬草負えヨ

屋根は萱(かや)ぶき 萱壁なれどヨ
昔ながらの 千木(ちぎ)を置くヨ

秋もすんだよ 田の畔道(くろみち)をヨ
あれも嫁じゃろ 灯(ひ)が五つヨ

おまや来ぬかよ 嬉しい逢瀬(おうせ)ヨ
こよさ母屋(おもや)の 唐黍(とうきび)剥(む)きヨ

歌でやらかせ この位(くらい)な仕事ヨ
仕事苦にすりゃ 日が長いヨ

高い山から 握り飯こかしゃヨ
小鳥喜ぶ わしゃひもじヨ



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