⬛️戒名物語⬛️
昔、貧乏だが大変熱心な信仰をしていたおばばがおられました。毎朝、家の近くの花を摘んではお寺のお堂や先祖のお墓、他のたくさんのお墓にも花を供えていました。孫の清兵衛はいつも一緒におばばについて寺に行って広い境内で虫を見つけたり、仏像の絵を見るのが珍しく愉しくて仕方がなかったのです。花を摘むおばばに清兵衛は尋ねました。
「なんで、毎日花を寺に持っていくべかー?」
「先祖をお守りしてもらっているお礼をしてるんだべ。」
「先祖はどこにおるんだべ?」
「お墓にもおられるし、お堂にもおられる。お前の心にもおるべ」
と清兵衛は胸を突かれて転けそうになった。
「ヘェ〜、いっぱいおるんだべな」
後におばばが亡くなって、寺の住職は、日頃のおばばの功績により立派な戒名を授けた。清兵衛はおばばがしていた近くの花を摘むばかりでなく、持ち前の器用さで、ここに先祖は居られるとお堂の屋根を直したり、塀を直したりしました。寺だけではなく、近くの家の塀が倒れそうになってると直したりして、村の人からもありがたがられました。しかし、清兵衛はお礼を取ろうとしません。先祖がお世話になったからという理由です。世話した覚えはないとお礼を渡そうとしても受け取りませんでした。
それから何年も過ぎ清兵衛の代から3代ほど時が流れました。
大変頭の良い吾郎は所有していた土地を担保に事業に成功して、一代で大金持ちになりました。しかし、良い時は長く続きません。すぐに失敗して前よりもお金がなくなり貧乏になってしまったのです。食べる物にも苦労する毎日でしたが、近所の人たちが毎日家で取れたものを持って来てくれます。何でみんながこんなに親切にしてくれるのか不思議で仕方がありませんでした。
「何でこんなにしてくれるだ?」
吾郎は思い切って尋ねてみました。
「先代からな、吾郎の家が苦しくなったら助けるんだぞ。わしらは世話になったんじゃ、とずっと言われてきたんじゃ。」どこの家の人に尋ねても同じ答えが帰ってきました。吾郎はありがたく、初めて寺の先祖のお墓にお参りしました。
そうすると、今まで見たこともない立派な戒名が墓に彫られていたのです。
うちの家は代々貧乏でこんなに立派な戒名がもらえるはずがないと、寺の住職に経緯を尋ねました。住職は寺に残ってる過去帳から、清兵衛とその母親の功績を話しました。吾郎もそれから毎日寺へ参拝して、花を摘んでは寺へお供えしました。頭の良い吾郎はまた成功して大金持ちになり、そのお金のほとんどを寺に布施して、先祖と同じ立派な戒名を授かりました🙏
昔、貧乏だが大変熱心な信仰をしていたおばばがおられました。毎朝、家の近くの花を摘んではお寺のお堂や先祖のお墓、他のたくさんのお墓にも花を供えていました。孫の清兵衛はいつも一緒におばばについて寺に行って広い境内で虫を見つけたり、仏像の絵を見るのが珍しく愉しくて仕方がなかったのです。花を摘むおばばに清兵衛は尋ねました。
「なんで、毎日花を寺に持っていくべかー?」
「先祖をお守りしてもらっているお礼をしてるんだべ。」
「先祖はどこにおるんだべ?」
「お墓にもおられるし、お堂にもおられる。お前の心にもおるべ」
と清兵衛は胸を突かれて転けそうになった。
「ヘェ〜、いっぱいおるんだべな」
後におばばが亡くなって、寺の住職は、日頃のおばばの功績により立派な戒名を授けた。清兵衛はおばばがしていた近くの花を摘むばかりでなく、持ち前の器用さで、ここに先祖は居られるとお堂の屋根を直したり、塀を直したりしました。寺だけではなく、近くの家の塀が倒れそうになってると直したりして、村の人からもありがたがられました。しかし、清兵衛はお礼を取ろうとしません。先祖がお世話になったからという理由です。世話した覚えはないとお礼を渡そうとしても受け取りませんでした。
それから何年も過ぎ清兵衛の代から3代ほど時が流れました。
大変頭の良い吾郎は所有していた土地を担保に事業に成功して、一代で大金持ちになりました。しかし、良い時は長く続きません。すぐに失敗して前よりもお金がなくなり貧乏になってしまったのです。食べる物にも苦労する毎日でしたが、近所の人たちが毎日家で取れたものを持って来てくれます。何でみんながこんなに親切にしてくれるのか不思議で仕方がありませんでした。
「何でこんなにしてくれるだ?」
吾郎は思い切って尋ねてみました。
「先代からな、吾郎の家が苦しくなったら助けるんだぞ。わしらは世話になったんじゃ、とずっと言われてきたんじゃ。」どこの家の人に尋ねても同じ答えが帰ってきました。吾郎はありがたく、初めて寺の先祖のお墓にお参りしました。
そうすると、今まで見たこともない立派な戒名が墓に彫られていたのです。
うちの家は代々貧乏でこんなに立派な戒名がもらえるはずがないと、寺の住職に経緯を尋ねました。住職は寺に残ってる過去帳から、清兵衛とその母親の功績を話しました。吾郎もそれから毎日寺へ参拝して、花を摘んでは寺へお供えしました。頭の良い吾郎はまた成功して大金持ちになり、そのお金のほとんどを寺に布施して、先祖と同じ立派な戒名を授かりました🙏