この頃 たてつづけに訃報が多い。
しかも その前になんとなく胸騒ぎがあって気が滅入ります。
昨日、初めて『家族葬』という場面にたちあいました。(とても仲のよい友人のお母さんが鬼籍にはいりました)
業者にたのんだ家族葬であった。
安置された周囲に簡単に生花が飾られ 普通のお飾りの余分がすっかり削られた感じ
もちろん お花は、業者手配のため 金額の割には貧相になります。
さて 昼からお坊さんがお経を詠んでお葬式のはずだったのだが 棺に入っていないとお葬式のお経が詠めないという事で土壇場で番狂わせがあった。
(実は、納棺してしまうと二階家の階段から出せないということが判明したのです)
そんなわけで 一部始終に立ち会うことになりました。
死に装束から始まって納棺、火葬場、葬式
手足に脚絆をつけてヒモは二度の結びっきり 胸から下げたずだ袋には、三途の川を渡るときの印刷したお金(焼却炉保全のため)
T字のステッキ 頭には三角をつけて それらを衣服の上からつけて 全体を覆うように白い着物をかけます。
亡くなるというのは、いまさらなのだが まったく気が発せられなくなり 蝉の抜け殻のようで・・
だからつい 周囲を探してしまう。
一人娘だった友は、最後まで泣いて泣いて・・・
お骨になった母を抱いて家に
そして玄関を入ろうとして
ふと気づいて清めの塩を用意していないと業者の方に言ったところ
「塩は、いらないそうです。後でお坊さんから説明があるそうです」と言われた。
泣きはらした目で
「ねぇ どうして塩がいらないのかしら?」
「お葬式がすんでいないから?」
なんだか よくわからなかった。
葬式のお経が始まる前に
「はじめに 娘さんにお尋ねしたいことがあります。おかあさまは、あなたに何を遺してくれましたか?お金でもいいし家でもいいし・・」
突然 何を言うつもりだろうって怪訝に思った。お説教が始まるのかな?
「母は、わたしに命をくれました。そしてそれが子供の命 孫の命と続いていっています」
「そんなお母様は、亡くなったら不浄ですか?清めの塩は、不浄なものに使うものです」
ふぅ~んとひそかに思った。では、いままでのあれはなんだったんだ!
しかし 塩の話より 友の言葉に感動した。
葬式でなければ
「偉い!」って思わず言葉をかけたくなりました。
「きのうの今頃は、生きていたのに・・」そう だから今日という日が愛おしい
泣きすぎて(もらい泣き)毒気がぬけた日でした。
木製パレット屋のつぶやき