生きる

思い出を抱えて生きる

最近の?

2025-01-30 15:16:12 | Weblog
今年94歳になる父から電話があった。

「確認したいことがあるから少しつきあってくれるかな」
「はい」
「お父さんの声が聞こえるかな?」
「はい」
「これは聞こえるかな?」
「はい」
「携帯のイヤフォンを使うかそれが無くてもいいかのテストだ。」
(父は、耳が遠くてイヤフォンを使っています)
「待てよ、お父さんそれって私が聞こえるとか聞こえないとか何か関係があるの?」
「・・・・」
「お父さんは、私の声が聞こえているの?」
「時々、聞こえる。お父さんの声がきこえているんだろう?イヤフォンが無くても大丈夫だな」
「えーーー」
「じゃあね ありがとう」

電話の後、しばし呆然としてしまった。
あまり自信をもって言われると自分が間違っているのだろうかと思う時がある。
父は、90歳を過ぎたころから年なりに物事を忘れる頻度が多くなってきた。
しかし、コンピューターを購入したり それで囲碁をやったりでそちらのほうは、頭が冴えているようだ。
どんなに物忘れがひどくても 好きな趣味と喜怒哀楽の感情は、まだ残っている。

いつまでも電話をかけて欲しいが・・
そろそろ 往復ハガキにしようかしら?

老いたワンコにも老いた父にも刺激を与えることばかり考えている。
実は、自分に一番必要かな!?

  木製パレット製造販売青梅(有)信友




透析を止めた日/その2

2025-01-17 14:04:09 | Weblog
この本を読みながら 6年前に逝った友の最期のあたり(緩和ケア医療)を思い出してしまった。

友は、ガンの治療がこれからまったく無くなると知った日。
幸い緩和ケアの病棟がある病院だったため そちらに紹介された。
「これってお仕舞いってことでしょう?」
返事に困った。
しかし、精神面や痛みなどは適切な対応があったため治療を受けていた時よりも肉体的にも楽だったようだ。
「死ぬ気がしなくなった」なんて笑っていたから・・
ただ痛み止めは、モルヒネ系?確かオキシコドンというパッチを張っていた。
えーと 案外無茶苦茶な性格をしていたから緩和病棟のベッドで胡坐をかいて寝ぼけて煙草を吸ったりかなりお叱りも受けた。
母親を先に看取った彼女は、それと同じような感じでとお願いをしたらしい。
「最期ってね、言いようのない怠さや痛みがでるらしいのだけれど そうなったらうつらうつら眠らせてもらいながら永遠に眠るんだよ。」
「もしもの時は、私もそんなふうに逝かせてもらうように頼むね」
とても気が楽になった。
言葉通り彼女は、眠りながら逝った。

だから『透析を止めた日』を読んで透析患者の終末医療について 唖然としてしまった。
当時(2017年?)の緩和ケアは、ガン患者以外では慢性心不全とAIDSのみだった。
だから 血液透析の終末期 満足な緩和ケアも受けられないまま 著者の堀川惠子さんのご主人は、塗炭の苦しみの中最期を迎えざるを得なかったわけです。
理不尽な数々の出来事に悲しみながら読み進んだ。
それが、中盤。
単なる私小説的なものではなかった。
なぜ透析患者の終末は、緩和ケア病棟に入れなかったのか医療保障や様々な要因の説明があった。
そして血液透析ばかりではなく腹膜透析について とても的確な記述と簡潔な文章で感嘆してしまった。

本の内容は、この程度にして切実に思ったことがある。

この本は、今 透析を受けられている方 そのご家族 医療関係の方々、たくさんの方に読んでいただきたいと思いました。

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透析を止めた日/その1

2025-01-15 15:24:43 | Weblog
毎週土曜日、この日の朝だけは誰にも邪魔をされたくない。
自分のために淹れたコーヒーを手にしてワンコに先導されておもむろに正座をする。
彼女は、私たちにゆったりとした時間が流れることをとても嬉しそうでそれを理解しています。
早速、自分がチュパチュパする毛布を引き寄せて幸せな時の始まりです。

私は、最初に朝日新聞の書評欄を開く

この度、目にとまった本は『透析を止めた日』だった。


日本は、世界で第3位の透析大国でもあり
そのせいか周囲の友人知人で透析をしている方々は、結構いらっしゃいます。

しかし、ご自分のことを書かれるとは・・・?
意外だった。

考えた末にすぐにネットで本を購入した。

       後日に続く


  木製パレット製造販売青梅(有)信友



モネ 睡蓮のとき

2025-01-14 14:48:47 | Weblog
微熱なのか発熱なのか もやもやしていたものが3日の朝に下がっていた。
晴れ上がった青い空を見上げて心は決まっていた。
今日、西洋美術館に行かなければしばらく機会がないような気がした。

いざ!!モネ展に初詣

モネの絵画の色調に合うような装いで綺麗な水色と淡い薄緑色のハイネックのセーターは、必要ね。
精一杯、おしゃれをして出かけることにしました。

なんと期待を裏切って会場は、とても混んでいました。
外にまでぐるりとできた長蛇の列にショボショボと無情の雨まで落ちてきました。
降るような空ではなかったのに。
ジィーーと我慢をしてたどり着いたその会場は、人、人、人で最初のほうは、まったく観賞ができるような状況ではありませんでした。

少しでも空いているエリアを探すため かき分けかき分け進んで・・
やっと見れた場所で立ち尽くしてしまった。
晩年のモネの絵に頭が殴られた気分になった。
これ白内障の目で見たらこんな色調、こんな絵になるんだろうなって
「えーーーー!?」
苦笑してしまった。

なんだかなぁ~

白内障でなかったほうが好き。

その夜から4日にわたって私は熱が出た。


  木製パレット製造販売青梅(有)信友






この親にしてこの子あり/父

2025-01-13 14:00:25 | Weblog
暮れから郷里に行っていた弟の計らいで1月2日2年ぶりに父の姿にお目にかかることになった。

スマホに映し出された父
「お父さん!!」
「ふむ~声が聞こえないなぁー!あれは誰だ!?」
しばらく声が聞こえるように懸命に設定しなおす。
それにしても父の隣にいる痩せて貧相な体つきの知らない老人は誰だろう?

「お父さん!!」

めでたく声が聞こえるようになって父が第一声
「年取ったなぁ!お前、いくつになった?」
「〇〇歳だよ」
「そうか・・その年にしては若いかも・・」
どうやら私が年を取ったのが理解されていなかったようだ。
それは父に対して私もそうだったようだ。
しばらくして、なんと私が父だと思っていたのは、弟だと気づかされた。

あまりの間違いに大笑いしてしまった。

  木製パレット製造販売青梅(有)信友