婆さんが行く

婆さんの食卓とワンコ

墓参り

2024-12-06 15:04:56 | Weblog
殊更に襟元をかき寄せて歩いていたところ足の不自由な老人とすれ違った。
通り過ぎてから「あの~」と力ない声が聞こえた。
振り向くとたった今、すれ違った方だった。

「駅はどんなふうに行けばいいですか?」

その駅は、歩いて20分以上は、かかる道のりだ。
お見受けしたところかなりの高齢ではないかと推察。
考えた末に駅までお送りすることにした。
脳裏を横切ったのは、まさか認知症で迷子になったのではないかだった。
駐車場まで向かう途中でいつどこから何の目的でここまで来てどんなふうに帰るのかポツポツ伺ってみた。
これが最後と朝早くに家を出て友の墓参りに来たのだが、お墓がわからなくなって三ヶ所もまわったようで 
「疲れ果てた・・」と息を吐く。
ただ、最終的にお墓は、見つかったようでうれしそうでした。
帰り方やその際の乗り換えなどを尋ねるとしっかりしていらっしゃった。
これなら大丈夫だろうと判断したのだが
ご無事で家路につけることを祈らずにはいられない。

つむじ風 父に似た人 連れてきた

まったく知らない方なのに後ろ姿を見送りながらなぜか涙がこぼれ落ちた。

そして墓参りの言葉に過剰に反応している自分を感じた。
明日は、親しい友の三回忌
実は、俳句を詠むことがない私が『定年俳壇』で見つけた切り抜きを後生大事に持ち歩いている。
その句は、

頬と手を なでるが如く 墓洗う
〈山浦信子〉さんという方の句

せめて彼女のお墓でもあればと未練がましく思う昨今です。




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