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透析を止めた日/その2

2025-01-17 14:04:09 | Weblog
この本を読みながら 6年前に逝った友の最期のあたり(緩和ケア医療)を思い出してしまった。

友は、ガンの治療がこれからまったく無くなると知った日。
幸い緩和ケアの病棟がある病院だったため そちらに紹介された。
「これってお仕舞いってことでしょう?」
返事に困った。
しかし、精神面や痛みなどは適切な対応があったため治療を受けていた時よりも肉体的にも楽だったようだ。
「死ぬ気がしなくなった」なんて笑っていたから・・
ただ痛み止めは、モルヒネ系?確かオキシコドンというパッチを張っていた。
えーと 案外無茶苦茶な性格をしていたから緩和病棟のベッドで胡坐をかいて寝ぼけて煙草を吸ったりかなりお叱りも受けた。
母親を先に看取った彼女は、それと同じような感じでとお願いをしたらしい。
「最期ってね、言いようのない怠さや痛みがでるらしいのだけれど そうなったらうつらうつら眠らせてもらいながら永遠に眠るんだよ。」
「もしもの時は、私もそんなふうに逝かせてもらうように頼むね」
とても気が楽になった。
言葉通り彼女は、眠りながら逝った。

だから『透析を止めた日』を読んで透析患者の終末医療について 唖然としてしまった。
当時(2017年?)の緩和ケアは、ガン患者以外では慢性心不全とAIDSのみだった。
だから 血液透析の終末期 満足な緩和ケアも受けられないまま 著者の堀川惠子さんのご主人は、塗炭の苦しみの中最期を迎えざるを得なかったわけです。
理不尽な数々の出来事に悲しみながら読み進んだ。
それが、中盤。
単なる私小説的なものではなかった。
なぜ透析患者の終末は、緩和ケア病棟に入れなかったのか医療保障や様々な要因の説明があった。
そして血液透析ばかりではなく腹膜透析について とても的確な記述と簡潔な文章で感嘆してしまった。

本の内容は、この程度にして切実に思ったことがある。

この本は、今 透析を受けられている方 そのご家族 医療関係の方々、たくさんの方に読んでいただきたいと思いました。

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