九州にはカッパが多い
2019.12
「黄華堂医話」という江戸時代の医学随筆には、カッパについて記載しているのが、あります。このことから見ると、この著者は、カッパの存在を疑っていなかったようです。
以下、本文
筑後、肥後、豊後のあたりには、河伯が多い。
別名を水神とも河童とも水虎とも言う。
民間では、川太郎と言い、またカッパとも言う。
その姿は、猿に似て小さく、髪は赤色で太く長いと言う。
水に入れば、その髪は見えなくなる。
この者は、よく害をなす。
水辺を歩く人がいれば、水から出て、力比べをしようとする。
カッパと相撲をとった人は、必ず寒熱の病にかかると言う。
肥後の村井椿寿子(医者)は、毎度、このカッパのために寒熱の病にかかった病人を、治療したと私に語った。
また、肥後の川尻という所に、ヒョウスラリ(原文ではヒヤウスラリ。これもカッパの別名か?あるいは、別の妖怪であろうか?)の守りであると言って、河伯を制する人がいる。奇妙な事である。
(編者注:この文意はよくわからない。)
(別の文章では)
肥後の山中では、水神(すいじん:カッパのこと)のたたりを受けて病気になった者をゴシン付きと言う。
山里ではよくあることで、穢れをもって水を汚した者が、多くは祟りを受けると言う。