「対馬夜話」の怪奇な話 その2
だんだん小さくなっていった幽霊(人魂)
吉川権右衛門の家
昔、祖母が死んだ後、7月の魂祭りに、その祖母の幽霊(原文では人魂だが幽霊とした方が文意に合致する)、棚に座っていた。
生きている人のようであったが、物も言わず、なにも食べなかった。
皆皆驚ろき怪しんだが、別に不思議なことは起こらなかった。
16日に魂棚を取り払ったが、動かなかった。
ついに、挟み箱(はさみばこ)の上に安置した。
箱の中の物が入り用の時は、また他の物の上に移した。
年を経てきたが、もう家内の人も、不思議とも思わなくなった。
次第に、年月がたってくると、その幽霊は影法師のように薄くなってきて、消失したそうである。
これは、古川の家より、聞いたそうである。
弘化3年(1846年)丙午(ひのえうま)7月16日、吉副橘左衛門の語ったことである。西村栗右衛門も同座していた。
だんだん小さくなっていった幽霊(人魂)
吉川権右衛門の家
昔、祖母が死んだ後、7月の魂祭りに、その祖母の幽霊(原文では人魂だが幽霊とした方が文意に合致する)、棚に座っていた。
生きている人のようであったが、物も言わず、なにも食べなかった。
皆皆驚ろき怪しんだが、別に不思議なことは起こらなかった。
16日に魂棚を取り払ったが、動かなかった。
ついに、挟み箱(はさみばこ)の上に安置した。
箱の中の物が入り用の時は、また他の物の上に移した。
年を経てきたが、もう家内の人も、不思議とも思わなくなった。
次第に、年月がたってくると、その幽霊は影法師のように薄くなってきて、消失したそうである。
これは、古川の家より、聞いたそうである。
弘化3年(1846年)丙午(ひのえうま)7月16日、吉副橘左衛門の語ったことである。西村栗右衛門も同座していた。