ラパロスコピストの夢

大阪梅田で子宮内膜症と闘うラパロスコピストのblog
子宮内膜症、子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術はどこまで進歩できるか?

腹腔鏡下手術と数学的思考

2006-12-23 | 腹腔鏡
医学部の受験には数学、理科は必須であるが、医師の仕事にあまり数学や物理の学力が必要だと感じることは少ない。むしろ、国語や英語力のほうが重要だと感じることが多い。しかし、外科手術では数学的思考が大変重要だ。

子宮内膜症による強い炎症がある場合、解剖学的構造は大きく歪み、手術操作は困難を極める。このような手術をする場合、適切な剥離層を探し、尿管、直腸、膀胱や血管の位置を明らかにして内膜症病変を切除することが必要だ。当然のことながら手術書どおりに進めることなどできない。パワーソースの熱が及ぶ範囲を推測し、解剖学的な構造を明らかにしながら手術を進める。決してカンやセンスでやってるわけではない。周囲から見れば、なぜこのような謎解きができるのか?と思えるようだ。

このような手術をしていると、昔、受験勉強で数学や物理の問題を解いていたときに使っていた思考回路をそのまま使っているような気がしてくるのだ。だから私は中学高校時代に数学や理科を勉強することは優秀な術者になるために大変重要だろうと思う。

もちろん、腹腔鏡下手術をするのに数学ができなければならないというわけではない。それに手術は受験数学ほど甘くはない。正解は必ずしも一つではないし、正解があるとも限らない。
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