家の庭で品種改良!

庭でみかんの品種改良やってます

寒天培地で発芽させたあすみの種

2022年01月20日 23時01分30秒 | カンキツ

去年新しくチャレンジしたことに、寒天培地があります。

ヴィトロプランツというところが出しているちょっと特殊な培地を使って、発育がよくない種の発芽なんかに挑戦していました。

結果としては、腕が腕だけに、寒天培地なんか使うより濡らしたティッシュの上で発芽させた方が発芽率がいいなんてことになっていまったわけですが、とてもいい経験になりました。

 

そんな中でもやった意味をそれなりに見いだせたのが、落下した実からの種子救出。

あすみというみかんは裂果が多く、せっかく交配したとしても青いうちに裂果&落下してだめになってしまうのですが、落下した実から種を取り出し、それを寒天培地で播種することによって、交配した種を守ることができました。

その記事がこれ↓

落果した実の種f子救出 - 家の庭で品種改良! (goo.ne.jp)

 

かなり未熟の種だったのできっとだめだろうと思っていたのですが、無事発芽し、成長してくれました。

成長した苗は試験管から取り出して、ポットに移植。

今こんな感じで育っています↓

救えたといっても未熟な種から出てきただけあってあまり勢いがないですね

ただ、よくよくみると新芽も成長してきてるんです!

この実生だけではなく、部屋の植物はこの時期からだんだん芽が動き始めます。

 

大寒にも関わらず春が感じられていい日になりました♪

 

 

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落果した実の種子救出 - 家の庭で品種改良! (goo.ne.jp)

落果した実の種子 なんだかんだ成長中 - 家の庭で品種改良! (goo.ne.jp)

 

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ラディッシュにキャベツを接ぐと花が咲く

2022年01月20日 22時10分15秒 | 勉強

大学で専攻にしている物理の話をあまりしたことがなかったですが、大学では物理学を勉強しています。

(あ、ちゃんと今日の内容と関係あります笑)

物理学といっても、宇宙というようなマクロな分野ではなくて、原子とか電子とかのミクロな分野。

いわゆる量子力学を使うような分野を勉強しています。

研究室で多いのが半導体や超伝導といった固体物理を扱う研究室。

固体物理というのは、原子・電子のレベルから物質の性質を解明していく分野で、大学で生活していると必然的にそういった研究の話が耳に入ってくるでものです。そんな中よく聞くのが、"混ぜてみたら面白い性質が見つかったからその性質を調べている"、という研究。

複数の物質を混ぜ合わせると新しい性質が生まれるということはよくあり、実際合金やら半導体やら、世の中に役に立っているものは混ぜ物ばかりなのですが、それらは理論的計算からだけでなく、偶然見つかることもあるそうです。

これって結構接ぎ木にも当てはまることだなぁと思っていてだからこそ接ぎ木が好きなのですが、今日はまさにそのような研究論文、つまり接ぎ木してみたら面白いこと起きちゃったという内容の論文の紹介です。

(イントロだけでめっちゃ長くなってしまった、、)

 

今日紹介するのは、京都大学の方が書かれた「Non-vernalization Flowering and Seed Set of Cabbage Induced by Grafting Onto Radish Rootstocks」という名前の論文です。日本語に訳すと「ラディッシュへの接ぎ木によるバーナリゼーションを介さない開花と結実」。本来キャベツというのは、十分株が大きくなったうえで低温にさらされないと花芽をつけないのですが(低温にさらすことをバーナリゼーションといいます)、ラディッシュに接ぎ木するとバーナリゼーションがなされなくとも花芽がつくことが分かったそうです。

本論文で特に重要なのは

①キャベツを抽苔し始めている何種類かのケール、ラディッシュに接ぎ木したところ、ラディッシュに接ぎ木したもののうちいくつかでは、バーナリゼーションを行わずとも、接ぎ木後おおよそ50日前後で花が咲いたということ(正確には蕾を確認した)。またその花はCO2による自家受粉で通常通り結実したということ。

②接いだキャベツについては開花を促進するFTタンパク質の有意な上昇や開花を制限するFLCタンパク質の有意な減少が見られなかったということ。唯一FTタンパク質によって活性化されるというBoSOC1については上昇が見られたということ。

③キャベツの開花に貢献したラディッシュは2種類あったが、片方ではFTタンパク質の上昇がみられたということ。

④接いだことによる開花はあまり長く続かなかったこと

これらのことから、ラディッシュへの接ぎ木により、バーナリゼーションを行わずキャベツを開花させることが可能であり、その接ぎ木による開花促進は、台木のラディッシュ由来のFTタンパク質が、キャベツのBoSOC1に直接作用することによって引き起こされているのではないかと結論付けています。

 

もう少し詳しく書きたいところですが、集中力切れたのでここら辺で切り上げます笑

開花促進は育種のスピードを上げるうえで何より重要であって、だからこそいろんなところで研究および開発が行われているわけですが、遺伝子組み換えとかウィルスベクターとか、なかなか個人じゃ手を出せないのが多いんですよね。その点、今回の研究は接ぎ木、というシンプルな方法で開花が促進できてしまうので驚きです。

接ぎ木は古くから存在している手法ですがまだまだ可能性を秘めているというのが、なんとも素敵ですね笑

ではっ!

 

参考文献

Ko Motoki : Non-vernalization Flowering and Seed Set of Cabbage Induced by Grafting Onto Radish Rootstocks

Front Plant Sci. 2018; 9: 1967. Published online 2019 Jan 10. doi: 10.3389/fpls.2018.01967
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シキキツ×マメキンカン あまり差がでない…

2022年01月20日 20時30分19秒 | シキキツ×マメキンカン

今日は大寒。昼間は暖かかったですがだんだん寒くなってきましたね、、

3限から授業で昼間に登校したのでついつい薄着で登校してしまって…帰りひどい目にあいました笑

昼間暖かいとはいえまだ1月。気を付けないとですね、、笑

 

さて、以前紹介したシキキツ×マメキンカン、

発芽したあとの様子を全然投稿していませんでしたがこのように順調に成長してきました!

2021年7月に播種しているので大体半年が経過。

発芽して以降ほとんど冬だったことを踏まえるとそれなりに順調な成長です。

 

こちらは発芽後成長が悪くすぐ接ぎ木をした個体。

これについては11月に紹介しましたが、枝がかなりがっちりしてきました。

 

合計で13本得られたこれの実生はシキキツを母親にしてマメキンカンと交配したもの。

本来シキキツは多胚性なので種子親には使えませんが、何個か単胚の種子が混ざっており、これらはそこから生まれました

ただ、単胚の種子に見えたけれども実は多胚の種子だった、なんてこともよくあるので、シキキツ×マメキンカンの実生ではなく、シキキツの実生である可能性も十分にあるんですよね、、これくらいの大きさになってくるとそろそろ両親の特徴が見え始めることですが、どうもシキキツに似ていて…汗

もしかするともしかしちゃうかもしれません笑

大体20枚くらい葉が展開してくるころには交配できているのかできていないのかはっきりするのでそれまではドキドキの毎日です

接ぎ木して早くはっきりさせたいけれど、接ぎ木に使うカラタチも貴重。

交配精度を高めることの大切さを痛感します、、、

 

関連記事

シキキツ×マメキンカンの交配成功

シキキツ×マメキンカンの播種

シキキツ×マメキンカンの成長報告

 

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