この活動(手あわせ桜プロジェクト)を始めた最初の頃、
「何とか桜を植えて行きたい、植えるところはないか・・」
といろんな人に声をかけ回っていました。
1本植えることによって、一人の供養ができるかもしれない、と考えていたのです。
しかし、塩害地やまだ整理の行き届かない土地、堤防のかさ上げ工事で数年間は何もできない公有地。
そんな壁にぶつかって、植樹すること自体がもう限界だとと思っていました。
そのような事情があって、実家の裏山を伐採して桜の森を作ろうという作戦に方向転換したのです。
ところが、意外な盲点があったことに気づかされました。
それが、ポット苗による仮設での育苗です。
このヒントを頂いたのは、石巻市向陽仮設で自治副会長を務めている遠藤さんです。
遠藤さんから、
「最近転出する人たちが増え、仮設も櫛の歯が抜けたようになってきた。」
いつかはみんなバラバラになるかもしれないが、
ここで苦しい時を一緒にしたという縁や、
これから未来に向かう希望に桜はぴったりの花。
ぜひこの桜を転居する人たちに贈りたい。」
このような連絡を頂きました。
そうです。この方法があったのです。
新しく家を建てることになったり、被災した家を修復して転居する人たちに、
桜を手渡すことができれば、きっと誰かの供養のためにもなり、
また将来の希望の木にもなることだろうと思います。
それぞれの人がそれぞれの場所に、この手あわせ桜を植えて頂くことによって
「昔、こんなこともあったけど、何とか乗り越えてきたね」
と数年後、数十年後、大きくなった桜を見上げて思っていただければいいのです。
仮設千本桜計画!
その第1号贈呈式を14日に行いました。
希望者を募れば、まだまだ苗を欲しいという人は多いと、遠藤さんは言います。
秋に向かって、仮設千本桜を募集してみようと思います。