桜和尚ブログ

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◆NHKあさイチ・夫の墓に入らない妻たち

2014年01月27日 | お墓と終活

偶然見た朝の人気番組NHKあさイチで「夫の墓にはいらない妻たち」をテーマを取り上げていました。

番組の中で、「夫を信頼し愛してはいるが、夫の実家の墓には入りたくない」という女性。

それに対して夫の言い分は「自分の先祖の墓に入るのは当然。それは伝統や家系を重んじること」だと。

放送はされていないが、多分女性の言い分は、夫と一緒の二人きりの墓なら入ってもいいが、夫の両親と一緒にあの世までと言うのは、納得出来ないのではないかと思います。

一般的に夫(男)はこのような時、伝統や風習などを大切にしたいと考えます。実家の墓に夫婦一緒に入ることが、次の時代の子供にとって、も親(先祖)を思うことにつながるのだと。

当然のことだと考えるのが、今までの日本的な考え方です。

 

ところが近年、妻(女性)たちにとって、お墓に関する考えの変化が現れているようです。

お墓というより、あの世の感覚かもしれません。

女性は男性より、あの世(死後の世界)を想像する力が強いのです。

夫の両親は嫌いではないけれど、今まで生活が一緒というわけではない。

けれど、自分が死んでから、永遠に墓の中で一緒というのは耐え難い苦痛になるのでは、ということだと思います。

親だけではない、そのご先祖さんも一緒なのですから。

地方から都会に人口が移動し、大家族が核家族に、先祖代々が一代限りに・・という社会の変化が女性の考え方を変えて来ているのかもしれません。

 

それから、男にとって耳が痛いのは、ダンナと一緒のお墓はイヤ!

というものです。

今でさえ、夫には悩まされ、苦労しているのに、なんで墓まで一緒なのよッ

というご意見の方もいました。

これを“死後離婚”と言います。

生きているときは仕方ないけど、死んだら一人の墓に入る。ダンナと一緒には入らない。という、石のように硬い意志をお持ちの方は意外と多いと思います。

これは夫側に原因があるというパターンです。夫の問題です。

 

次に、夫側と妻側の両方の墓を一緒にする両家墓というのもありました。

お互いのお父さん・お母さんご先祖さん、私達も一緒に入りましょう、というものです。

確かに理想のカタチにも見えますが、自分たちの子供が結婚する代になると、また同じ問題が出てきます。

それから、両家が何かのきっかけで仲違いしてしまった時は、取り返しがつきません。

ほんとに本当に両家話し合って、長いスパンで考えていかなければなりません。

 

あさイチの放送の間に2382通のFAXが入ったそうで、お墓の関心の高さが伺われます。

ところで、ゲストの東洋大学の井上先生は、5年前仙台にお越しいただき、お墓のテーマで公演をして頂きました。

2年前には被災地宮城石巻にもお越しいただき、現地を案内しました。

井上先生は、これから女性があの世のことをどうするか、真剣に考えていかなければならない時代のさきがけの研究者・実践者です。

誰とどのようなカタチでということが非常に大切になってきます。

私も僧侶として、10年前からこの問題に取り組んできました。

伝統的な考え方をベースにして、その上でこれからの時代に相応しいお墓のあり方を考えていきたいと思います。

この問題シリーズで続けていこうかと思います。(続く)