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江之浦測候所@根府川

2022年07月17日 | おでかけ


3連休中日の今日は曇りときどき雨のち晴れ。昨日降っていた雨は未明に上がった。今朝は上空に雲が広がっているものの、雲の薄いところが明るくなっている。今朝の気温は22℃で、弱い北よりの風が吹いている。外に出ると風がほんのりと涼しく感じられるものの、空気がムシッと感じられた。
今日は根府川にあるモダンギャラリー「江之浦測候所」に行くことにしている。昨日の内にミラーレスカメラ「OLYMPUS OM-D E-M1 MarkⅢ」交換レンズ「OMシステム M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」「OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO」を詰め込んだデイパックを担いで、家を出た。自宅の前の路面はしっとりと濡れていて、所々に水たまりが出来ている。

駅までの道を歩いていると、にわかに雨が降り始めた。傘を差すのが面倒だったので、傘を差さずに駅前のコンビニに急ぎ足で歩いて行く。おかげでぐっしょりと濡れたままコンビニの店内に入った。
モダンギャラリー「江之浦測候所」は日時指定の予約・入れ替え制となっており、見学日の2日前までにインターネットでの予約が必要となっている。インターネットで予約して発行されたチケットの引換票をコンビニのセブン-イレブンに持参し、チケットを発行してもらう。ちなみにモダンギャラリー「江之浦測候所」のある根府川駅周辺にはセブン-イレブンは無く、地元のセブン-イレブンで発行してもらう必要があった。

日野駅から中央線の電車に乗り、八王子で横浜線に乗り換えて町田に向かう。雨は降り出してから30分ほどで止んだのだが、雨が止むと雲の合間から青空が広がってきた。日も射して来て、空が眩しくなってきた。
町田駅からは小田急線で小田原駅に向かうのだが、町田駅に着くと、15分後に小田原行きの特急ロマンスカーが来ることが分かった。そこで券売機でロマンスカーの指定席を購入し、町田から特急ロマンスカーに乗る。ロマンスカーの車窓から外を眺めていると、上空に広がっていた青空が急に曇ってきたかと思うと、再び雨が降ってくる。朝の内は雨が降ったり止んだりの不安定な空模様となった。町田から小田原までは40分ほどで到着した。

小田原駅でJR東海道線に乗り換えて2駅隣の根府川駅に向かう。根府川駅のホームからは海が見えた。


ちなみに根府川駅は「関東の駅百選(第3回)」に選定されている。駅舎はホームから階段を上がって跨線橋を渡ったところにある。白い壁に水色の柱と赤い屋根木造の木造の駅舎の背後には青い空と青い海が広がっている。駅の外に出ると真夏の強い日射しが降り注いできた。駅舎の周囲の木々からはセミの鳴き声が降り注いでくる。今年初めてセミの鳴く音を聞いた。いつもどおりの夏がここにはあった。


根府川駅からはモダンギャラリー「江之浦測候所」の無料送迎バスが出ていて、これに乗って行く。根府川駅からモダンギャラリー「江之浦測候所」までは5分ほどで到着した。
モダンギャラリー「江之浦測候所」はデザイナー兼アーティストの杉本博司の作品を展示するギャラリーである。施設はギャラリー棟、庭園、門、茶室、作品で構成されている。


駐車場からは「江之浦測候所参道」と書かれた山道を歩いて入口まで行く。参道の入口には「甘橘山」と書かれた看板が立てられている。この「甘橘山」とはこの参道を切り開いて整備した榊の森とのこと。
参道を上がっていくと、「赤沢蜂巣観音」と書かれた小さな祠が設けられている。祠には円空仏が祀ってあるとのこと。


入口の右脇には明月門と称した門が設けられている。


この門は鎌倉の明月院の正門として建てられた門だが、関東大震災の時に半壊し、その後、さまざまな経緯を経て再建されたものとのこと。


この門の左手には川原寺礎石が安置されている。


受付門を入り、受付の手続きを済ませて敷地の中に入った。待合棟の前には長さ100mのギャラリーがある。夏至光遙拝100メートルギャラリーと名前が付いたこの建物は夏至の朝、太陽光がその中を突き抜けていくとのこと。


受付を済ませた後に、あらためて明月門を入る。
門を入ったすぐ左手には苔むした瓦が水の中に沈んでいて、その周囲を赤い金魚が2匹泳いでいた。


明月門をくぐって右手に廻っていくと、東大寺七重塔礎石や石舞台、三角塚と名付けられた作品が配された石庭が設けられている。この石庭は、先ほどの夏至光遙拝100メートルギャラリーと名前が付いたこの建物と伽羅道と書かれた道を挟んで反対側に配置されている。自分的にはなんだか落ち着く空間だった。


パンフレットのよれば、園内にはおよそ60の作品や建物が散りばめられている。それらは夏至や冬至、春分・秋分の日の出の太陽光も取り入れているものもあり、なかなか壮大なギャラリーとなっている。しかも、事前予約・入替制となっているので、見学者は少ないこともあって、ゆっくりと園内を楽しむことが出来る。
園内には春日社や稲荷社が設けられている。春日社は今年、奈良春日大社より御霊を勧請したとのこと。鮮やかな赤い社はまるで海に浮かんでいるようである。


園内の木立の中からはセミの大合唱が聞こえる。さまざまな化石が展示された化石窟と名付けられた小屋の入口にはセミの抜け殻が柱にしっかりとしがみついていた。


竹藪を抜けると、小さな二体の仏像と被爆宝塔塔身が置かれている。この被爆宝塔塔身は広島原爆投下時に爆心地近くにあった石造宝塔の塔身部分とのこと。


階段を上がって、夏至光遙拝100メートルギャラリーの北側に出た。円形石舞台が設けられたその広場から建物の下をくぐるように中空の角形鋼管が東の方に抜けている。この角形鋼管は、冬至光遙拝隧道という長方形の鉄の隧道となっている。


長い隧道の先には小さな長方形の光が見える長い暗闇の先に見える明かりは今の時代を思わせる。


トンネルの中程には光井戸が設けられている。暗闇の中に少し息をつけるような感じがした。


トンネルの先には海が見えるが、その手前に止め石が設けられている。止め石の先への立ち入りは禁じられている。暗い中から見える止め石のシルエットは、何か象徴的なもののように思える。


隧道の上は生命の樹と書かれた道標が掲げられて、若葉の芽生えた樹に絡みつく動物と鳥が描かれたレリーフが頭上のに設けられたトンネルの先に、赤い鉄の一本道となっている。


その上に置かれた止め石は夏の日射しを浴びて、唯一無二の世界を表しているようである。


園内をじっくり見たこともあって、一巡するのに2時間以上を要した。日中は水平線の彼方に入道雲が見えているものの、上空には青空が広がっていて、強い真夏の日射しが照りつけている。昼間の最高気温は31℃で、真夏日となった。海が近いことも手伝って湿度が高く、強い南よりの風が吹いている。
全身から汗が噴き出し、滝のように額から流れ落ちた。海から潮風が吹いていることもあって、全身がべとつくように感じられる。持ち歩いていたスポーツドリンクのペットボトルは既に空になっていて、汗を拭いていたタオルは絞れば水が滴るほどに濡れている。

ただ、木々を通り抜けていく風が心地よくて、涼しく感じられた。しばらくしてから、江之浦測候所を後にして、帰りのバスに乗った。

( 小田原散策 に続く )


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