写真と俳句は似ているとよく言われるけれど
一つの句、一枚の写真と言うより
いくつかが集まることによって
よりその人の物の見方と言うものが膨らんで
創作物が出来るのではないかと言う点でも
似ているのではないか。
写真展でのオリジナル販売も良いけれど
私としては写真集が作れて
それを買ってもらえるのが理想ですね。
今、私が言う写真集は
ドキュメントだろうと風景だろうと
鉄道だろうが、静物だろうが、
写真家が自分で視野を世界を切り取って
その人間性というか、考え方のようなものを
発言するものを言うのだけれど
写真のオリジナルプリントが1枚数万円したとして
写真集は印刷物で1冊数千円で手に入る。
しかも1枚では無く、何十枚もが折り重なって
写真家の思いを伝えようとしている。
あなたの写真集を拝見しました。
写真展もプリントが美しくて素敵でした。
これが何度か続くとファンになると言う事です。
幾度か写真展を見て、家で写真集を擦り切れるまで見て
Aさんの人となりが分かって、共感して
どうしてもこの写真のオリジナルが欲しい、
あの「猫」のプリントが欲しい、
となった時に数万円、或いは十数万円であっても
その写真が売れるのだと思うし
それを思えばやはり作家は適当なプリントなんか作れない。
それが健全な写真の売り買いで、価格だと思うのです。
プレバトで俳句やってる。
俳句は一点での売り買いって無いね。
手に入れたいとするなら
その作家の粋を集めた句集ですよね。
でも、その作家がどこかを訪れて
親しくなったりお世話になったりした人に
短冊にひらひらと一句したためて揮毫して
プレゼントして来る、なんて事はある。
ふむふむ。
さて、
写真を買うのはかように値段と価値のバランスが
分からなくて中々買う事ができない。
買ってもらう事ができない。
多分それには時間がかかるのです。
最初のきっかけは通りすがりか、
ちょっとアートっぽい事味わってみようとか
人に誘われてとか
そんな感じでAさんの写真展を見たとする。
思ったよりも自分の心にAさんの写真たちが引っかかって
この写真展は良かったな、と思ったとする。
1番推しはあの「猫」の写真だったとする。
次回の案内をお送りしますと
芳名帳にあったので自分の住所と名前を書いて来た。
半年たって、Aさんの次の写真展の案内DMが届いて
そこにはあのAさんのタッチの写真がまた刷られていて
「さあ、見に来てくださいな」と自分を誘うので
もちろん見に行こうと決める。
Aさんの写真集とか図録とか無いんだろうか。
ここに、「写真」を所有したい気持ちが生まれて来る。
写真を買うってなかなか無い事だと思う。
まず第一に値段が高い。
特に有名でも無い写真家がギャラリーを借りて
並べている写真の最低レベルが3万円ぐらいのようである。
なんでその値段なんですか?
聞いた事はないけれど
ある人は自分の生きた過程で培った意識で撮った1枚で
それぐらいの価値がふさわしいと言うかもしれない。
でも、そんなこと言ってたら何十枚売っても元は取れない。
え?逆に3万円程度?
言ったらぶっ飛ばされるかもしれない。
でも、本当は
会場を借りた元を取りたい、製作費だけでも
元を取りたい。と言うのが本音では無かろうかと思うのだ。
写真プリント1枚作ると言うのも
結構お金がかかる物で
フィルムで撮れば
フィルム代、フィルムの現像代、
ラボに出せばそのプリント代、これは作家の写真の見せ場にも
なるからキタムラの4つ切りプリントではダメなのだ。
ちゃんとここをこうしてああして、とプロラボにお願いする。
キタムラの5倍はするだろう。
出来上がったら、額を用意しなければならないから
それを買ったり、レンタルしたりする。
で、あっという間に1枚の売値の半分ぐらいにはなってしまうもの。
自宅でインクジェットでプリントしたとしても
印画紙代とインク代でそこそこかかります。
やはり、これを人に見せるのだ、展覧会なのだ、
と思えば2枚、3枚とやり直すこともあるしね。
だから、写真は高い。
売っているものが作家の精神世界みたいなものだから
余計に価値がややこしくなるのだが
結婚式で新郎新婦の記念写真、両家の揃った家族写真
これ撮ってもらって台紙に飾られた1枚を手にするとしたら
それぐらい、或いはそれ以上にかかるでしょう。
結婚写真も精神世界も
値段の実は製造コストでしょって感じなのです。
あくまでも私の意見ですが。
何も写って無い。
光と影で構成してみてるだけ。
こういう所に出くわすと「おっ」と撮ってしまう。
先週の小田急線の写真だとか
立石駅の階段の写真とか
最近そういうのが多い。
冬は斜光の時間も多いからね。
デジタルカメラの描写は
カミソリみたいだ。
フィルムカメラとはまた別物として
重宝すれば良い。
おやおや、投稿して
見直しをしてたら
最近、下に販売中のものが出るようになってるんですね。
ちょっと恥ずかしいですね…。
「マルシェル」の方も売り上げを上げないと、
でいろいろやるんでしょうね。
明日は写真を売ることについて
書いてみますか。
朝イチの、まだ1回目の上映前の映画館で
リハーサルがあったので
それを終えてロビーに出た時に
お年を召した女性が
「コーヒーは買えるかしら?」と自分に話しかける。
STAFFと書かれた関係者用のステッカーを
貼っていたから問われたのだろう。
カウンターに人はおらず
「いろいろあるのね」と言いながら
楽しそうに私を劇場従業員だと思い込んで話しかけるので
オレ関係ないんで、とも言えず
ちょっと待って下さいね、と言って
覗いてみたらカウンターの奥の部屋で
女の子が一人でしゃがみ込んで泣いているようだ。
「あの、お客さんみたいだけど」と声をかけたら
「あ、すみません」と言って
サッと笑顔を作ってハンカチで涙を拭いて
もう一度、「すみませんでした」と言って
ご婦人の方へ「いらっしゃいませ」と
明るく応対した。
まぁ、いろいろあらぁな。
写真の会社に入って
大門にあった映画配給会社に納品に行くと
必ず応対してくれる美人の女性がいて
まだ入社したてであったペイペイの若造は
あちこち写真の配達で駆けずり回る日々であったが
そこへ行くのが少し楽しみであった。
会社に戻って上司たちにその人の話をすると
みんなが揃って「ああ、あの人は美人だよなぁ」と同じ意見であった。
その人の名前を思い出せなくてずっとモヤモヤしていたが
さっき、とうとう思い出した。