先週から引き続き、今日は、UY-510Bの5極管接続によるアンプの試聴を行いました。
試聴に先立ち、アンプの調整を行います。いつものようにNFBをかけてDFの改善。
1kHz, 8Ω負荷時の波形は、下記の通り。まずまずきれい。
しかし、負荷抵抗を外すと、電圧が急に高くなります。
これはつまり、DFがかなり低い状態で、低音がボンつくような音になると予想されます。
しかし、いくら改善しようともほとんど改善されず、結局DFは約1ほどとなりました。
DFは、まあ仕方がないので、あきらめることとし、各部の電圧の確認をすると、出力管のスクリーングリッドの電圧が定電流回路では安定しない。やはりこういう回路は無理だったかとあきらめました。また、NFBの部分も改善した結果、下記のような回路となりました。
出力管のスクリーングリッドの回路は、定電流回路の負荷に100kΩをつけて、定電圧回路にしています。またNFB回路も先週の回路とは少し異なり、220kΩが追加になっています。
最終的には、出力管のスクリーンには160Vぐらいしか供給できず、設計値より40V低くなり、出力は2W後半となりました。
さて、いざ試聴!いつも聞いているJAZZのCDをいくつか確認です。
全体的な音の印象は、柔らかく聞きやすい音。3結の時は透明感がありやや硬めの音の感じでしたが、5極管の場合は逆で音の柔らかさはこれぞ真空管の音という感じ。また、低音のボンつきを心配しましたが、そんなにひどいボンつきも感じられず、むしろ音の柔らかさが心地いい。また、ベースなどがリズムをとる際の”ボン”という音が胸腔に響く感じが心地よく、3極管よりむしろ5極管の方が聞きやすい音が出るんじゃないか、という気がします。
ということで、5極管接続も捨てがたく、1本で2つの音色が楽しめるアンプとなりました。
ちなみに傍熱管の807の5結ではどうかと差し替えてみましたが、音は元気がよく、これはこれで楽しめる音でしたが、先述した胸腔への響き感がやはり510Bの方が感じられました。