少し前のTV番組でサトウキビから自動車燃料(エタノール)を作る開発のレポをやっていました。いわゆるE3ガソリンというやつです。
サトウキビからエタノールを作る技術もさることながら、サトウキビの収穫量を上げることもエネルギー作物としては最も重要なことです。
アメリカではエネルギー作物を作ることが本当にエネルギープラスに働いているのか、という議論があります。一応、プラスですよという結論になっているようですが、その効率には検討の余地があるのでしょう。
一方、経済性という点からはまだまだ改良の余地はあるのでしょう。先日、新聞で砂糖農家を保護するための交付金制度が650億円の累積赤字を抱えており、農水省は価格保証制度の廃止や交付金の上限額設定の検討をしているとありました。
砂糖をめぐるお金の流れを少々、整理してみました。
スーパーなどでわれわれが買っている砂糖の価格は180円/kgです。トンでは180,000円/tonです。統計では市中価格というものがあり、これは卸値あるいは工場出荷価格に相当するのでしょうが、135.5円/kg=135,500円/tonです。てんさいの買い上げ価格は16,760円/ton@糖度16.7%だそうですから、糖に換算すると100,359円/tonになります。砂糖会社は約10万円で原料を買って、砂糖を13万5千円で売っていることになりますが、これでは利ざやが少なすぎます。ここに交付金があり、砂糖会社に対して80,412円/tonが農畜産業振興機構から支払われています。
結局、砂糖会社は交付金を除いて考えると農家から19,947円/ton-糖で原料を購入し、砂糖を135,500円/tonで出荷しているわけです。一方、農家はてんさい1トンあたりで3,331円を砂糖会社から受け取り、13,429円を交付金で受け取っていることになります。実に補助金率400%です。
一方、この交付金はどこから持ってくるかといえば、主なものは砂糖会社が粗糖を輸入した時に調整金として先の農畜産業振興機構に支払います。輸入品に関してお金を払うのですから、一種の関税なのでしょうが、書類上は輸入した粗糖を30,420円/tonで農畜産業振興機構に一旦売り、68,283円/tonで買い戻すという方法をとるようです。実質、37,863円/tonの関税を払っているようなものです。
この調整金と交付金は年度年度で変わるようです。業界では砂糖年度というものがあり、10月-9月です。先にあげたのは農畜産業振興機構のHPの統計のH16の数値を参考にしています。ざっくり言って、輸入トン4万円弱のお金を集めて、国産トン8万円を配っているのですから、輸入トンと国産トンのバランス2:1が崩れると成り立たなくなります。近年はこのバランスが崩れてきて、交付金の累積赤字が進んできたわけです。
さてここで問題です。エネルギーの値段は食料に比べて安いのが一般です。ガソリン1Lは牛乳やミネラルウォーターよりも安いですね。砂糖原料をつくために400%の交付金を出しているわけですから、この交付金がなくなった状態でエネルギー作物として売れるでしょうか?すぐには難しそうです。CO2税から交付金を出すような方策を考える必要があります。経済性については大いに検討しなければいけないということでしょう。しかし、技術的に効率的に成立することを確認・実証することが先決であることは変わりがありません。
サトウキビからエタノールを作る技術もさることながら、サトウキビの収穫量を上げることもエネルギー作物としては最も重要なことです。
アメリカではエネルギー作物を作ることが本当にエネルギープラスに働いているのか、という議論があります。一応、プラスですよという結論になっているようですが、その効率には検討の余地があるのでしょう。
一方、経済性という点からはまだまだ改良の余地はあるのでしょう。先日、新聞で砂糖農家を保護するための交付金制度が650億円の累積赤字を抱えており、農水省は価格保証制度の廃止や交付金の上限額設定の検討をしているとありました。
砂糖をめぐるお金の流れを少々、整理してみました。
スーパーなどでわれわれが買っている砂糖の価格は180円/kgです。トンでは180,000円/tonです。統計では市中価格というものがあり、これは卸値あるいは工場出荷価格に相当するのでしょうが、135.5円/kg=135,500円/tonです。てんさいの買い上げ価格は16,760円/ton@糖度16.7%だそうですから、糖に換算すると100,359円/tonになります。砂糖会社は約10万円で原料を買って、砂糖を13万5千円で売っていることになりますが、これでは利ざやが少なすぎます。ここに交付金があり、砂糖会社に対して80,412円/tonが農畜産業振興機構から支払われています。
結局、砂糖会社は交付金を除いて考えると農家から19,947円/ton-糖で原料を購入し、砂糖を135,500円/tonで出荷しているわけです。一方、農家はてんさい1トンあたりで3,331円を砂糖会社から受け取り、13,429円を交付金で受け取っていることになります。実に補助金率400%です。
一方、この交付金はどこから持ってくるかといえば、主なものは砂糖会社が粗糖を輸入した時に調整金として先の農畜産業振興機構に支払います。輸入品に関してお金を払うのですから、一種の関税なのでしょうが、書類上は輸入した粗糖を30,420円/tonで農畜産業振興機構に一旦売り、68,283円/tonで買い戻すという方法をとるようです。実質、37,863円/tonの関税を払っているようなものです。
この調整金と交付金は年度年度で変わるようです。業界では砂糖年度というものがあり、10月-9月です。先にあげたのは農畜産業振興機構のHPの統計のH16の数値を参考にしています。ざっくり言って、輸入トン4万円弱のお金を集めて、国産トン8万円を配っているのですから、輸入トンと国産トンのバランス2:1が崩れると成り立たなくなります。近年はこのバランスが崩れてきて、交付金の累積赤字が進んできたわけです。
さてここで問題です。エネルギーの値段は食料に比べて安いのが一般です。ガソリン1Lは牛乳やミネラルウォーターよりも安いですね。砂糖原料をつくために400%の交付金を出しているわけですから、この交付金がなくなった状態でエネルギー作物として売れるでしょうか?すぐには難しそうです。CO2税から交付金を出すような方策を考える必要があります。経済性については大いに検討しなければいけないということでしょう。しかし、技術的に効率的に成立することを確認・実証することが先決であることは変わりがありません。
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