大気中のCO2を減らす方法としてCCSがある。これは、発電所や工場の排ガスからCO2を回収してどこかに圧縮貯蔵し、化石燃料の燃焼により大気に放出されるCO2を力ずくで減らそうというもである。
先ごろ、三菱重工はJパワー松島火力発電所(長崎)で「火力発電所石炭焚ボイラー実排ガスからのCO2回収長期実証試験」のための大規模試験設備の建設に着手した。これは、RITE:(財)地球環境産業技術研究機構の技術開発促進事業の一環で、2006年7月から5ヶ月にわたって最適なCO2回収システム構築のためのデータを蓄積する、と報道されている。
排煙脱硫後の排ガスから吸収塔にて化学吸収液にCO2を吸収させ、Rich液から再生塔にてCO2を加熱回収する方法である。処理ガス量は1,750nM3/h、CO2処理能力10ton/dである。
カナダではこのCCSをEOR(Enhanced Oil Recovery)の中に組み込む構想がある。これは、原油生産サイトでCO2を油層に圧力注入し原油生産量を上げる方法である。生産する原油からのCO2発生量のうち、20-67%相当が圧入可能との報告もある。
石炭・石油といった化石燃料を利用しても、実質CO2を排出しない方法を確立するものである。電力分野ではオイルショック以降、石油依存度を減少させるため石炭焚火力発電所を作ってきた経緯がある。また、一般工場ボイラにおいては価格競争力のある石炭ボイラを持つところも多い。ところが、ここにきてCO2発生源単位の大きい石炭は槍玉に挙げられている。そのため、CCSが注目されている。
カナダではConventionalな原油に加えて、OilSandの開発が盛んである。その豊富な埋蔵量はサウジアラビアを上回るとさえ言われている。但し、これらの化石燃料の使用にはCO2排出による制限がかかるので、これをCCSで解決しようということである。
排ガスからのCO2分離・回収技術は既存の技術の応用が可能であるが、回収CO2の圧縮、パイプライン輸送や地中への圧入には技術的問題もさることながら、コスト負担をどうするかという問題もある。また、かなり長い間(100年?)CO2を地中・岩盤に安全に貯めておけるのか、地震などによりリークしないかなど、検討課題は多い。
CO2制限により化石燃料の使用そのものを放棄することはできないので、何らかの対策が必要である。それには、何か一つの特効薬的な方策はなく、いくつかの方策を組み合わせたポートフォリオ的考えが必要である。
エネルギーの使用そのものを抑制する、エネルギー製造ならびに消費の段階で効率を向上させる、CO2発生の少ない方法に移行する(再生可能エネルギー、原子力、CO2回収を伴う化石燃料)、バイオ的にCO2を押さえ込む方法などである。
このような方法の中から、国の事情、その地域の事情にあった最適組合せを模索していく必要がある。
先ごろ、三菱重工はJパワー松島火力発電所(長崎)で「火力発電所石炭焚ボイラー実排ガスからのCO2回収長期実証試験」のための大規模試験設備の建設に着手した。これは、RITE:(財)地球環境産業技術研究機構の技術開発促進事業の一環で、2006年7月から5ヶ月にわたって最適なCO2回収システム構築のためのデータを蓄積する、と報道されている。
排煙脱硫後の排ガスから吸収塔にて化学吸収液にCO2を吸収させ、Rich液から再生塔にてCO2を加熱回収する方法である。処理ガス量は1,750nM3/h、CO2処理能力10ton/dである。
カナダではこのCCSをEOR(Enhanced Oil Recovery)の中に組み込む構想がある。これは、原油生産サイトでCO2を油層に圧力注入し原油生産量を上げる方法である。生産する原油からのCO2発生量のうち、20-67%相当が圧入可能との報告もある。
石炭・石油といった化石燃料を利用しても、実質CO2を排出しない方法を確立するものである。電力分野ではオイルショック以降、石油依存度を減少させるため石炭焚火力発電所を作ってきた経緯がある。また、一般工場ボイラにおいては価格競争力のある石炭ボイラを持つところも多い。ところが、ここにきてCO2発生源単位の大きい石炭は槍玉に挙げられている。そのため、CCSが注目されている。
カナダではConventionalな原油に加えて、OilSandの開発が盛んである。その豊富な埋蔵量はサウジアラビアを上回るとさえ言われている。但し、これらの化石燃料の使用にはCO2排出による制限がかかるので、これをCCSで解決しようということである。
排ガスからのCO2分離・回収技術は既存の技術の応用が可能であるが、回収CO2の圧縮、パイプライン輸送や地中への圧入には技術的問題もさることながら、コスト負担をどうするかという問題もある。また、かなり長い間(100年?)CO2を地中・岩盤に安全に貯めておけるのか、地震などによりリークしないかなど、検討課題は多い。
CO2制限により化石燃料の使用そのものを放棄することはできないので、何らかの対策が必要である。それには、何か一つの特効薬的な方策はなく、いくつかの方策を組み合わせたポートフォリオ的考えが必要である。
エネルギーの使用そのものを抑制する、エネルギー製造ならびに消費の段階で効率を向上させる、CO2発生の少ない方法に移行する(再生可能エネルギー、原子力、CO2回収を伴う化石燃料)、バイオ的にCO2を押さえ込む方法などである。
このような方法の中から、国の事情、その地域の事情にあった最適組合せを模索していく必要がある。
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