化学系エンジニアの独り言

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燃料電池自動

2005-06-07 | 水素
2002年に小泉首相が手を振って乗っていた燃料電池自動車が世に出てから、すでに3年目になる。
燃料電池自動車は水しか排出しないので、環境に優しい。
確かにそうですが、水素をどこから持ってくるのか、どうやって自動車に積み込むかが問題です。

水素エネルギーなどという人がいますが、そんな種類のエネルギーはありません。
エネルギーの形態は、熱、電気、運動、位置、内部などに分類されますが、水素エネルギーなどという分類はありませんから。
石炭・石油から水素へというキャッチコピーも目にしますが、これもおかしい。
石炭・石油は地面を掘れば出てきますが、水素は出てきません。いわゆる一次エネルギーではありません。一時的なエネルギーといえるかもしれませんが。

燃料電池自動車は、車両効率が高いので将来の技術として注目されています。ただし水素をどうやって作るかです。もちろん、化石燃料から水素をつくる道筋はあります。しかし、現状の技術では、わざわざ水素を作って燃料電池自動車を動かすよりも、プリウスのようなハイブリッド自動車を利用した方がエネルギー効率はいいのです。
ホンダのCMもいっているじゃないですか。CO2削減は燃費向上により達成される。それにはハイブリッドですよと。これはとっても正しいと思います。

水素のもうひとつの課題は、気体燃料なので扱いにくいということです。液体燃料には慣れているのですが、気体燃料はこれまで扱っていないのでいろいろと難しいことがあります。また、気体燃料はエネルギー密度が小さいという問題もあります。

2010年、後5年後には5万台の燃料電池自動車を走らすのが政府の目標のようです。プリウスの開発者は笑っているでしょう。プリウスは発売開始から7年かかってやっと累積販売5万台に達したそうです。ガソリン燃料の車なのに7年もかかった。水素スタンドなど試験的にほんのちょっとあるだけのこの状況で、後5年後に一台1億円もする燃料電池自動車が5万台も走るようになるのでしょうか。
そして、それがCO2削減の方策というのでは、あまりに心もとない。

もっと、泥臭く省エネルギーを進めなければと考えてしまいます。



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