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Performance Engineering

タービンの話

2014-07-06 22:35:48 | チューニング理論
近年、ダウンサイジングターボを中心に過給エンジンが増えてきています。

燃料の筒内直噴や可変バルブタイミング、小型で高レスポンスなタービンを使用したターボエンジンは低速から豊かなトルクを生み出し、気持ち良い加速を提供してくれます。直噴で高い冷却性能を得られるので、燃料は大部分が理論空燃比で制御されており、燃費もきわめて良好です。

当店でチューニングするエンジンは一昔前のポート噴射のエンジンが多いですが、今日はそんなタービンの説明を少々。

よく質問を受ける事の一つに、「なぜデカいタービンだと同じブースとでもパワーが出るの?」というのがありますが、言葉だけでは説明がなかなか難しい。

はっきりと理解するにはコンプレッサーマップという物を知る必要が有ると思う。



こういうグラフ、見たことある?コンプレッサーマップ、サージマップなどと呼ばれるタービンの(コンプレッサー側の)特性をグラフにしたもの。

国内のチューニングメーカーでは一般には公開していないが、海外のタービンメーカーでは全機種のグラフが公開されていたりする。参考URL:Garrett

このグラフは横軸が空気流量(質量)、縦軸が圧力比となっており、タービンの作動領域、効率を分かり易くするための物。縦軸は圧力比なので、通常は大気圧(1bar)に対するブースト圧の絶対圧(大気圧+ブースト)となります。

年輪のような輪はタービンの効率を示す物で、外側に行くに従い、効率が悪い=コンプレッサー出口温度が高くなる領域です。

サージラインより左側はサージングが発生し、タービンがきちんと作動できない領域、チョークラインより右側はタービン効率が低下し、パワーが”垂れる”領域です。スピードラインはタービンの回転数の推移を示すライン。エンジンと同じでオーバーレブはブローします。

タービンにもエンジンと同じで得意とする流量やブーストがある訳です。

件の質問に簡単に答えるなら、高回転、高ブーストになると、大きいタービンの方が効率が良い領域を使えるから、同じブーストでもパワーが出る、という事になるのですが、これだけでは説明は不十分。

長くなるので続きは次回。


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2 コメント

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Re:すばらしい (fujii)
2014-07-11 13:27:42
巨大な2ストロークディーゼル用のタービンですが、ガソリンエンジン換算だと6万馬力程の流量のようです。毎秒50kgの空気を吸い込むとか…回転中には近付きたく無いですw
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すばらしい (かわばた)
2014-07-11 10:06:57
この巨大タービンは何馬力出るんでしょうか?

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