福島木工家具店

製作した家具の紹介と日記

杉の椅子の修理

2013-02-28 20:03:04 | 日記

数年前に作った杉のダイニングチェアー ↓





お客様より、後脚がグラグラするとのこと。


よーく見てみると確かに隙間が開いている ↓





そういえば、同じモデルの椅子で別のお客様からも、

同様の問題がおきて修理したことがありました。

どうも後脚の緩みは、このモデルの欠点のようですので、

今後、製作する場合は設計を見直さなければなりません。



さて、分解開始。

まずはダボ(木栓)外しから。

最初にドリルで下穴をあけてから、木ネジをまわしこみます ↓





すると難なくダボを外すことが出来ます ↓





こういうことも想定して、製作の際、ダボを打ち込むときは接着剤を使用しておりません。


木槌で叩いてホゾを引き抜いていきます ↓





ホゾに直行してビス止めしてありますので、

ホゾが緩んでも抜けてしまうことはありません。


引き抜いたホゾの寸法を測ってみますと、

ホゾ穴より0.5mm小さくなっていました ↓





これでは緩むはずです。

もともと作りが甘かったのか、材が柔らかく押し潰されて小さくなったのか、

または、直射日光や、冷暖房が直接当たる場所に置かれていて縮んだのか。


このまま、接着剤を塗ってホゾ穴へ入れましても、緩いので、また抜けてきてしまいます。


ですので、ホゾをこのようにノミで落として ↓





落とした寸法より1.5mm厚くした材を当てます ↓





これで縮んだホゾ寸法を補うことができました。


元通り組んだ後、念のため、ビスで補強 ↓





これで大丈夫と思います。


ワタクシの目の黒いうちは、このように面倒を見ていきたいと思っております。

もし、不具合等ございましたらご遠慮なくお知らせください。






年月が経った杉のチェアー ↑

惚れ惚れするような良い色艶となっておりました。




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