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「わくらばにとふ人あらばすまの浦に もしほたれつつわぶとこたへよ」
誰かに私はどうしていますかと聞かれたら、須磨の浦の藻塩から滴り落ちる涙を流していますと答えてください・・・でしょうか。
「立ち別れいなばの山の峰に生ふる まつとし聞かば今帰り来む」
こちらは、小倉百人一首でも有名ですね。
在原行平は伊勢物語で有名な在原業平の兄。
優秀な官吏だったようだが、なにかの咎で須磨に蟄居を命じられたらしい。
子供の頃は、須磨寺が近かったこともあって、この人にまつわるものも
お寺の人がよくお話をしてくれた。
行平が須磨の海岸で流れ着いた木材に糸を張ってくつったのが「一弦琴」と
言われていて、都を懐かしんで爪弾いていたという。
で、通っていた小学校では、この「一弦琴」を少し習う授業があった。
子供心にも、他の琴と違って寂しい感じがする音色だった。
この琴は、今でも須磨寺を中心にお稽古されている。
行平の須磨時代の恋物語が謡曲「松風」の元ネタらしい。
地元の娘松風・村雨の姉妹との恋物語で、都に帰る行平と別れる悲恋物語。
この話は、源氏物語にも影響しているとも言われています。
で、歌碑は行平が詠んだもので須磨が入っているものと、もう一つは
因幡に行く時に詠まれたのでは・・・とも言われていますが、
謡曲「松風」の中で、効果的に使われている下りで、この歌を聞くと
須磨を連想する私です。
こんな関係もあって、須磨で能が上演されたりする時の演目は、
「松風」が多いような気がします。
全く無かった話かも知れないけれど、観阿弥・世阿弥によってドラマチックに
変化した「松風」。
ご覧になれる機会があれば、ご観劇くださいね。
能は、確かに眠くなるけれど、ちょっと予習しておけば充分楽しめます。
演目によっては、学生はかなりお安く楽しめるので如何でしょうか?
で、今日の私は、日頃歩き出した!!と言っても、舗装された道路ばっかりだったので
昨日の砂浜が足にかる~くきてます。(笑)
砂浜の沈み込みは、足腰を鍛えるのにやっぱりよさそうです。
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