車の往来の激しい
道路沿い
歩道の片隅に
1輪だけ
季節外れのスミレが
咲いている。
春先の野山ならいざ知らず
秋のこの時期
道端のコンクリートの隙間で
花を咲かせているとは・・・。
辺りをよく見ると
まだ緑色をした果実や
種子が残る果実まである。
果実が熟すと
3つに割れた殻
それぞれが縦に閉じる。
殻がつまむように圧迫するので
種は勢いよく飛び出すのだ。
殻の圧力で
遠くへ飛んだとしても
たかだか数10cm。
スミレの種子には
もうひとつ秘密がある。
この種子の根元には
エライオソームと呼ばれる
独特の器官がついている。
アリはこのエライオソームが
出す匂いにつられて
自分の巣のなかへ
種を運びこむ。
そして時期がくれば
アリの巣から
種子は芽を出すのだ。
何もない道路の
舗装のすき間から
たくさんのスミレが
生育しているのは
アリの仕業と言う訳だ。
からが閉じる
圧力で種子を飛ばし
それをまだアリに
運んでもらう。
スミレの戦略は
したたか過ぎる!