ふんばろう宮城プロジェクト

東日本大震災から発足した「ふんばろう東日本支援プロジェクト」公認団体として2013年4月から活動する復興支援プロジェクト

小さな仮設ほど支援が少ないのです

2012-11-30 09:19:34 | 活動報告
 「世帯数の少ない仮設団地にはあまりボランティアが来てくれない」。
高齢者が多い団地ではネットなどを活用した(支援を求める)情報発信も行えないため、ボランティアとの接点も希薄になっているところも少なくありません。これはみなし仮設住宅に一時避難されている方にも言えることです。

 気仙沼市本吉の旧小泉中学校仮設住宅(21世帯)は、傾斜の厳しい高台の上に建設された団地で、高齢の方にとっては登り降りが相当厳しいと感じました。加えて食料品や生活用品を買い求める商店も徒歩で行けるような距離ではなく、車がないと日常の生活にも困るようなところでした。

 今回うかがった目的は、同仮設にご両親が避難されている方から「高齢者の多い仮設なのだがマッサージなどの支援を受けられないか?」という問い合わせに応えるもので、ふんばろう東日本支援プロジェクトに登録する約3,500人のメンバーへ協力要請をしたところ、関東圏に住むマッサージ施術師のグループ(横田初見さんら5人)が手をあげてくれました。
私たち宮城支部メンバーもあたたまってもらいたいと、手作りのおしるこを提供させていただきました。おしるこの担当は小学校に通う橋本ヒロちゃん。こしらえ方のコツをつかんだヒロちゃんは皆をうならせる絶品の田舎しるこを作ってくれました。

 「健康な体は自分で作るもの」とは横田さん。運動不足や腰痛持ちの方が多いと事前のヒアリングの際にうかがっていたので、とても広いとは言えない集会所にマットレス3枚を敷き詰めて、代るがわる丁寧に揉みほぐしとコリを解消するアドバイスをされていました。最後は外に出て全員で体操です。ボランティアの3名が呼吸法や全身運動など毎日少しの時間でも続けてもらいたいボディケア体操が伝授されました。

 昼食は仮設住宅に住まわれる有志の方々から、いも煮汁とおにぎりを振舞っていただきました。これぞ「おかぁさんの味」とボランティアメンバーは舌鼓を打ちました。

 また、当日はふんばろうの緑でつながるプロジェクト(リーダ−:井手博之さん)もプランター20台を持ち込み、住民の皆さんとパンジーなどを植栽されました。ふんばろうも50以上のプロジェクトが活動していますが、同じ仮設住宅で出くわすとは・・・。これもなにかのご縁なのでしょう。


 今回、筆者は2回目の訪問となりましたが、小さな仮設団地へ継続して訪問することの必要性をあらためて感じました。「心と体のケア」に引き続き取り組んでいきたいと思います。押しつけではなく、かゆいところに手が届く支援を目指して。(こせきかつや)

農事組合法人マイファーム亘理協同組合へ簡易仮設トイレ2台を支援

2012-11-10 14:00:22 | 活動報告
 あす11日は東日本大震災から20回目の月命日。
 さまざまな思いで午後2時46分を迎えられることと思います。

 「被災地の状況をもっと知ってもらいたい。東日本大震災の惨劇を風化させてはならない」という声がさまざまなメディアを通じて発信されています。しかし、被災地で生活している私でさえ、「忘れてしまっているなぁ」と感じる場面に遭遇することが増えているのも現実です。地道にいろいろな場面で発信していくことの大切さ、継続することが本当に必要なのだと思っています。

 先月16日、亘理町でトマト栽培などを手掛ける「農事組合法人マイファーム亘理協同組合」(代表:千葉義昭さん)へ簡易仮設トイレ2台(中古品@6.3万円)を支援させていただきました。
 マイファーム亘理共同組合は、東日本大震災前には亘理の地で活動していたイチゴ農家が集まり、「もう一度、この亘理町で種まきからはじめて次世代につないでいこう」という思いでできた組合です。今年度はトマトや大根を収穫されました。

 また、被災地の現状を感じてもらおうと、早い段階から数多くのボランティアを受け入れており、「被災地の状況を風化させない」取り組みにも大きく貢献されています。※写真はマイファーム亘理HPより引用。

 今回の支援をつないでくれたのはFCCC共生地域創造財団で事務局長を務める蓜島一匡さん。蓜島さんから「周囲に何もないところで作業されているので、トイレの問題が一番の課題です。トマト収穫の最盛期には50人以上が作業されていたので、仮設トイレの支援を何とかできないか」という口添えをいただき、宮城支部メンバーの同意を得て支援をさせていただくことを決めました。

 被災地で活動するボランティア団体の数もだんだん減っています。
 震災直後に全国の皆さんから寄せられた支援金を元に法人化した団体も資金ショートに陥っているところもあります。とても残念なことではありますが、被災者支援の活動は恒久的なものではなく被災された方のフェーズは毎年、毎月変化していくものです。その状況にあわせて、寄り添いながらサポートする活動が求められているのだと思います。身の丈をしっかり見極めながら活動していきたいと思います。

 ふんばろう東日本支援プロジェクト宮城支部では、地元で活動されている他団体とも可能な限り協業し、被災された方や産業復旧・復興の支援を効率的に取り組んでいきたいと考えています。(こせきかつや)