ふんばろう宮城プロジェクト

東日本大震災から発足した「ふんばろう東日本支援プロジェクト」公認団体として2013年4月から活動する復興支援プロジェクト

被災地支援のこれからを考える/FCCC・蓜島氏招き議論深める

2013-06-19 11:27:46 | 活動報告
 「いま、被災地では何が必要とされていますか?」。最近、このような問い合わせが増えています。「何かしなければ」という思いだけが先行すればするほど、被災された方と支援者の間に溝が生じるものです。しっかり現状を見つめ、じっくり(被災された方々から)話を聞くというスタンスで向き合うことが求められています。

 ふんばろう宮城プロジェクトは梅雨入りを目前に控えた16日、「第11回ミーティング」を仙台市青葉区一番町にある河北仙販会議室で行いました。参加者は16名。
 今回のミーティングでは支援活動でも連携をしている共生地域創造財団(FCCC)の蓜島一臣事務局長を講師に迎え、「これからの被災地支援のあり方」というテーマで議論を深めました。
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 東日本震災から2年3ヵ月が経過し、ここ宮城でも「震災の風化と現状の固定化」という課題が浮き彫りになっています。
 そのような被災地を巡る状況が変化する中、この2年間被災地支援にふんばってきたボランティアも、「いま被災地では何が本当に必要とされているのか」という問いかけに、日々模索をしているのではないでしょうか。

 私自身も、風化という日常に抗いつつも、仕事と生活に追われ、気がつけば日々の流れの中にどっぷりと浸かっているひとり。それ故に凝りのような被災地に対する申し訳なさ、わだかまりを心の片隅に抱え続けているのもまた確かです。

※JCN(東日本大震災支援全国ネットワーク)の池座剛氏にも参加していただきました。
 そのような思いを抱きながら蓜島氏の講演をうかがいました。震災当初から現場に入り、物資支援のみならずその先にある被災地の産業支援まで踏み込んだ活動をなさってきた方だけに、一つひとつの言葉に確信力があり、聞いていて「頭の中の霧が晴れた」気がしました。
 以下は講演の中で“気づき”を与えられた言葉の数々です。

・答えのない中で、たくさんの願い、想いに応えなければいけない
・「小さく始める」・・・大きな支援が来る前にまずは動く
・これからは「商品力」が必要・・・同じような商品は日本全国の過疎地域で作られており、「被災地商品」というだけでは今後の発展性がない
・日本の沿岸部集落が抱える共通の課題・・・「過疎」「高齢化」「人口流出」
・「困っている人」は今回の被災地以外にもいる

※「困っている人は私たちの周りにもたくさんいる」と蓜島さん。
 特に「困っている人たちは自分が住んでいる周りにもたくさんいる。それなのに、なぜわれわれは沿岸部の被災地支援に向かうのか」という問いかけは、長年、生活困窮者支援を続けてきた蓜島氏の言葉だけに重みがありました。われわれが今後も活動を継続していく上で、独りよがりの支援にならないために絶えず自問すべきテーゼ(定立・綱領)ではないかと思います。
 今回うかがった示唆に富む話しを、ぜひこれからの活動の指針の一つにさせていただきたいと思いました。(橋本信行)

▽共生地域創造財団のHP
http://from-east.org/