ふんばろう宮城プロジェクト

東日本大震災から発足した「ふんばろう東日本支援プロジェクト」公認団体として2013年4月から活動する復興支援プロジェクト

背負っていたものから解放された瞬間と新たな誓い

2014-11-25 23:14:55 | お知らせ
 今月20日に表彰式が行われた「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2014」を前後して、さまざまなメディアで「ふんばろう東日本支援プロジェクト」を取り上げていただきました。特に宮城県に本社を置くブロック紙・河北新報では活動内容の詳細まで取材してもらい、紙面を通じてまだ支援を必要としている方々の「相談したい」という気持ちに「受け皿はまだあるよ」―と伝えてくれたと思います。
▽ふんばろう東日本支援プロジェクトに栄冠
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201411/20141121_13017.html
▽逃げる勇気と備える力を 大川小教訓冊子に
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201411/20141106_15018.html
 「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2014」授賞式へ参加したふんばろうの仲間からメッセージが届きました。

▽東北被災地復興支援3年間の想い
 本日「ベスト・チーム・オブ・ザ・イヤー」優秀賞授賞式に代表と各プロジェクトのリーダーたちで登壇させていただき、これまで背中に背負っていたものからようやく解放された瞬間がありました。
 無論、まだまだ復興支援は続きますが、義務をひたすら背負ってきたこれまでから大好きな東北のために、今後は本来の自身らしいカタチで貢献をしていけたらと思います。
 ふんばろうは、本日をもってゆるやかに全ての演目を終了、解散。エンタメ(みんなの創造空間)プロジェクトはじめ、各プロジェクトはそれぞれ個々の団体として自立に向かいます。
 本当に長くてあっという間の3年とちょっと。共に登壇くださったのは宮城在住で小学6年生から復興支援をご一家で続けられる中川さん親子、ふんばろう東日本支援プロジェクトの数あるプロジェクトリーダーをはじめとした、ふんばろうに関わってくださったすべての方たち。本当に有り難うございました。
120%のボランティア活動を続けることは、決して楽なことではありません。その中で何かをひっぱっていくという立場は9割が辛いことでもあります。あとの1割は、誰かのお役に立てたことへの心からの喜びとして全ての辛さを満たしてくれます。
 ふんばろうで出会った方々は、そんな想いをきっと共有して利害関係の一切ない、各方面で大活躍する素敵な人たち。お一人お一人に対する敬意と、この活動を共に応援くださった全ての方に、心よりお礼を申し上げます。(秋葉よりえ)

 授賞式では次世代代表という大役を担い、スピーチした中川野乃香さん(大崎市立古川西中学校3年)からの感想文を紹介します。

 西條剛央先生に「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2014」の表彰式にお招きいただいた時は、本当にびっくりしました。皆さんほどボランティアに参加できていないのに、こんな大切な表彰式に私が参加して良いのかな?と、返事に迷いました。
 でも、「次世代の代表として参加してほしい」と言っていただいて、「そうか、今度は私たちの世代がボランティアに積極的に参加し、東北を復興していくんだ」と思い、授賞式に参加させていただくことを決意しました。
 表彰式がはじまってステージに立った時はとても緊張して、足がガクガクしました。コメントを言わせていただいた時には緊張がピークに達し、頭が真っ白になって途中で言葉が出なくなってしまいました。でも、西條先生にとなりから優しく声をかけていただいて、自分がここにきたのは伝えたいメッセージがあるからだと思い出し、最後まで言い切ることができました。それは、震災が風化せず、たくさんの人に東北に足を運んでほしいということ。今度は私たちの世代が被災地を、日本を復興に導いていかなければならないということです。

※ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2014審査委員長・齋藤孝氏(左)から花束を受け取る中川さん(中央)とそれを見守る西條さん

 今回の経験は、これから高校受験という壁を乗り越えていく私にとって大きな力になりました。その目標に向かって、これから苦しい時や辛い時もこの日のことを思い出してがんばれると思います。
そして、今回の表彰式ではたくさんの人に出会うことができました。優しく「お疲れさま」「よくがんばったね」と声をかけてくれた人や、「進路相談にいつでも乗るからね」と言ってくれた方もいました。この方々が東日本大震災で被害を受けたところへボランティアとして通ってくれたのだと思い、あらためて“人の優しさ、ありがたさ”を実感しました。きっとみんなを笑顔にしてくれたのだろうな、元気をたくさん届けてくれたのだろうな…自分もそうなることができるかな、そうなりたいと思いました。
 そのために、いま自分ができることを精一杯がんばって行こうと思います。高校合格の報告を皆さんに伝えたい、そして、これからもボランティア活動を続けて行きます。
 本当に微力な自分ですが、これからもふんばろう宮城プロジェクトでたくさんのことを学びながらがんばって行きたいです。
 また、期末試験中であったにもかかわらず授賞式に参加できたのは、学校の温かいご配慮があったからです。校長先生に「震災が風化したら子どもたちが救われない。しっかりがんばってくるように」と背中を押していただきました。本当に皆さんに支えられて、今回の授賞式に臨むことができました。
 今回、私を表彰式に呼んでくれた西條先生をはじめ多くのみなさま、本当にありがとうございました。(中川野乃香)

 二人の文章を読み返すと「新たな誓い」を感じます。
 まだまだ東日本大震災からの復旧・復興は、「道半ば」であって、今回の受賞はひとつの区切りとして筆者は冷静に受け止めています。できることを無理なく続けていく…。このスタンスを保ちながら被災地の第一線にいる私たちは活動を続けて行きます。(こせきかつや)

※ふんばろう東日本支援プロジェクトの各プロジェクトリーダー

SNSの拡散力と合わせて物流機能が伴った支援のカタチがふんばろうの真骨頂

2014-11-20 11:07:33 | 活動報告
 吐息が白く映りはじめた仙台市内で14日、ふんばろう宮城プロジェクトの第14回ミーティングが開かれました。会場の河北仙販ビル(仙台市青葉区一番町)の会議室には17人のメンバーが集い、直近の活動報告と西條剛央さん(ふんばろう支援基金代表理事)から「ふんばろう東日本支援プロジェクト3.0体制」について説明がありました。
 
 ふんばろう宮城プロジェクトの母体であった「ふんばろう東日本支援プロジェクト」は9月末で解散し、それぞれ運営してきたプロジェクトは独立した団体として支援活動の裾野を広げ、旧ふんばろう東日本支援プロジェクト本部は支援者から寄託された資金管理に特化した「ふんばろう支援基金(一般社団法人)」を設立されました。
 
 西條さんは「ふんばろうは発足当初から、被災された方が自立した生活を送れるまでのお手伝いというスタンスで活動を続けてきた。震災から3年6カ月が過ぎてその目的は果たされたと思う」と解散に至った考えを語りました。西條さんはふんばろう東日本プロジェクトを立ち上げた当初から「このプロジェクトがなくなることが目的」と語っていたことが思い返されます。また、今年6月にメディアコンペティション・ゴールデン・ニカ賞(最優秀賞)を受賞したことについては「僕たちがやってきたことを災害対策に生かしたいという気持ちがあった。過去World Wide Web やWikipediaも受賞した世界的権威のある団体からの最優秀賞をいただいたことや、国内でもベストチーム・オブ・ザ・イヤーを受賞したことをうまく活用して、ボランティアの支援活動では変えられなかったことを、行政を含めて動かしていく力になればよいと思う」と述べました。
 今年8月20日に広島市内で起きた土石流の被害は、死者・行方不明者74人を出す大惨事でした。西條さんは広島県知事に呼ばれて災害対策(被災者への支援)について意見交換をしてきた際、東日本大震災と同じ問題が繰り返されているのを目の当たりにして、震災の教訓は何も広まっていないということを実感したそうです。そして、「震災後の関連死によって約3千人という尊い命が失われた。これは、本来、生きられる命が奪われたということ。国も含めてこのことを真剣に反省した様子はみられない。僕らが持っているノウハウや教訓を全国に伝えていくことがこれからは大事になると思う」と話されました。そうした防災対策の観点から発足させた「スマートサバイバープロジェクト」を軸に、これからの活動を続けていくとのことです。

(ミーティング風景・会議室を無償で提供してくれる河北仙販に感謝)
 「ふんばろうはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・システム)の申し子のようにいわれるが、地元のキーマンがいたから成し得たプロジェクト。南三陸町のさかなのみうら・三浦保志さんとの出会いや宮城支部のメンバーなど地元に精通した方が拠点となって支援物資を必要なところへ必要な分だけ配布してくれた。SNSの拡散力と合わせて物流機能が伴った支援のカタチがふんばろうの真骨頂だ」と締めくくりました。
 
(小学6年生からふんばろうの活動に参加している中川野乃香さんから花束を受けとる西條さん)
 会議終了後、ふんばろう宮城プロジェクトのメンバーから花束と記念品を贈りました。メンバーの中川ひとみさんは「震災後に大変な思いをされた方の力になりたくてふんばろうと出会った。そして同じような志を持った方とたくさんつながることができた。そのきっかけを作ってくれた西條さんに感謝したい」。
 西條さんが立ち上げたふんばろう東日本支援プロジェクトのDNAを受け継ぎ、活動を続けていこうと思います。(こせきかつや)

(左上側2番目の筆者が持っているのがゴールデン・ニカ最優秀賞トロフィー)

新たな社会活動モデルを作った影響力が評価

2014-11-07 22:55:15 | 日記
 ほめてもらうためにやっているわけではないけれど、自分たちの活動が後から後から評価されることって、やはりうれしいものです。
 東日本大震災から3年半が経った今年9月末、その活動に終止符を打ったふんばろう東日本支援プロジェクトが「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2014」を受賞しました。
 今年6月にも世界で最も歴史あるデジタルメディアのコンペティション・ゴールデン・ニカ賞(最優秀賞)を授かったばかりなので、国内外のふんばろうメンバーも“ビックリ”しています。
 元代表の西條剛央さんは今回の受賞に際し、「『ふんばろう東日本支援プロジェクト』がベストチーム・オブ・ザ・イヤーを受賞しましたが、『ふんばろう東日本支援プロジェクト』というのは“記号”です。そこが本質的なことではなく、実際は東日本の支援活動にかかわったすべての人たちでの受賞と思っています。これは『ふんばろう東日本支援プロジェクト』が、というより、まさに東日本の支援活動にかかわった全員によるチームでの受賞と思っています(Twitterで僕をフォローしてくださった方やFacebookでの友達も含め)」と述べています。

 
 プロジェクト発足時から携わってきた仲間としてとてもうれしく思います。
 「ふんばろう宮城プロジェクト」は昨年4月から本部から独立して活動を継続していますが、「必要な支援を、必要な分だけ」という気持ちを忘れずに、支援活動を続けている団体とも連携を図りながら被災された方と向き合ってまいりたいと思っています。行政や企業がやれないことをサポートする活動をこれからも続けて行こうと考えています。

【西條剛央よりお知らせ】
 ふんばろう東日本支援プロジェクトが「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2014」を受賞しました。
http://team-work.jp/2014/fumbaro.html
 ベストチーム・オブ・ザ・イヤーは、国内外を問わず、社会・経済的に優れた実績を残した製品やサービスを生み出した“チーム”に賞を贈るアワードです。「チームが生み出した実績」「組織力」「チーム内外の満足度」の3要素を総合的に評価し、受賞チームを決定します。過去「オリンピックの誘致委員会」「探査機はやぶさ」「スーパーコンピューター京」のチームなどが受賞しています。
 ふんばろう東日本支援プロジェクトは「震災復興というたった1つの目的をもとに、日本最大級のボランティア母体に成長。SNSを媒介して、日本人が持つ助け合いの精神をつなぎ、現地を支援し続けています。新たな社会活動モデルを作った影響力を評価しました。」との理由で受賞。
 今年は、ふんばろうを含め3チームの受賞が決まったということです。そして、11/26の受賞式でグランプリが発表されるそうです。
 ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2014のサイトで「ふんばろう東日本支援プロジェクト」をご紹介いただいています。
http://team-work.jp/2014/fumbaro.html
 「なぜ10万人がリーダーに頼らず自律的に動けたのか?──未曾有のボランティアチーム『ふんばろう東日本支援プロジェクト』の挑戦」と、すんごい題名がつけられてます(笑)。 が、内容的にはその通りで、境界がないふんばろうという市民意思機能の特徴がよくまとめられている良記事と思います。ぜひご一読いただければと思います。
 記事の中でも、《今回「ふんばろう東日本支援プロジェクト」がベストチーム・オブ・ザ・イヤーを受賞しましたが、『ふんばろう東日本支援プロジェクト』というのは“記号”です。そこが本質的なことではなく、実際は東日本の支援活動にかかわったすべての人達での受賞と思っています。》と言っているように、これは「ふんばろう東日本支援プロジェクト」が、というより、まさに東日本の支援活動にかかわった全員によるチームでの受賞と思っています(Twitterで僕をフォローしてくださった方やFacebookでの友達も含め)。
 実際、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」に入っていなくても、協力してくださっているたくさんのキーマンがいてのふんばろうなんです。
 僕は立ち位置的に一番よくみえていると思ってもいるのですが、それと同時に、僕が知らないところでもどれだけ多くの人が協力してくださって成り立ったのか、わからないぐらいいろいろな人がいろいろなところで協力してくださったプロジェクトだったのだと思います。
  運営事務局によれば《この記事の「応援するボタン」も勘案して、アワード当日に「最優秀チーム」を発表いたします。また、公式アカウント等で受賞した旨の拡散をいただければ幸甚です。応援するボタンでたくさんの方に読まれるといいなと思っております。》とのことです。
 ここまできたら、被災しながら立ち上がったみなさん、支援してくださったみなさんの誇りにかけても、グランプリを勝ち取りたいものです。
 それは東北のみなさんへの、忘れていないよ、というメッセージにもなると思いますし、また全国のみなさんが思い出すきっかけにもなると思います。
 こちらのふんばろう紹介ページに「応援するボタン」があります。グランプリはこの総数も勘案して決められるとのことです!ぜひfacebookで「いいね!」していただいたり、Twitterでリンクを共有していただいたりして、ご協力ください。
http://team-work.jp/2014/fumbaro.html
 活動に協力してくださったみなさんへの感謝の気持ちを伝える場として、また活動を継続していくプロジェクトの後押しになるという意味で、さらに仕組みや考え方を広めていき、未来の命を救うことにつなげられれば、それはとても意味のあることと思っています。