ふんばろう宮城プロジェクト

東日本大震災から発足した「ふんばろう東日本支援プロジェクト」公認団体として2013年4月から活動する復興支援プロジェクト

僕たちにできることは、東日本大震災の現状を伝えること/FEEDER・タカさん

2012-07-23 07:17:31 | 日記
 イギリスのロックバンド「FEEDER」は、東日本大震災の直後3月27日に「サイド・バイ・サイド(Side By Side)」をiTunes Storeで配信。売り上げを義援金として寄付するなど支援活動をされています。
 昨年11月にメンバーのタカさんと共に南三陸町と石巻市へ支援物資を届けに行ったご縁もあって、ふんばろうの活動を応援してくれています。

 そのFEEDERが7月19日、ライブ開催のため仙台へ滞在するというので、メンバー4人を連れて仙台市若林区荒浜エリアと名取市閖上エリアを視察してもらいました。車での移動中は会話が弾んでいたメンバーも荒浜小学校を目の当たりにして声も出ない様子でした。ボーカルのグランツさんは「もう1年以上経つのに…」と神妙な面持ちで写真を撮っていました。
 タカさんとは約8ヵ月ぶりの再会でしたが、沿岸部の被災世帯の集団移転や農地再生の話題がほとんどで、被災地を気遣う彼のスタンスがうかがえました。
 
※タカさん(左)とボーカルのグランツさん
 仙台CLUB JUNK BOXで行われたライブでもタカさんが「僕たちにできることは、東日本大震災の現状を伝えていくことだ。みんな頑張って行こう」と来場したファンへメッセージが送られ、とても熱いライブでした。
 楽屋にも招いていただき、細見武志さん(theHIATUS)など音楽関係者からも「これからはどのような支援が必要とされているのか」という質問が寄せられ、ふんばろうとも連携してくれることを約束してくれました。FEEDERを介してまたひとつ、支援の輪が広がりました。(こせきかつや)
  
▽Side By Side by FEEDER
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=NOea2HX3Ly4
▽「ふんばろう宮城支部メンバーからのメッセージ」ではFEEDERから楽曲提供を受けました
http://wallpaper.fumbaro.org/miyagi-new/msg

分かる楽しさを積み重ねてほしい/学習支援PJ「学び場★ふんばるんば」

2012-07-21 07:29:07 | 活動報告
 ふんばろう東日本支援プロジェクト「学習支援プロジェクト」では、震災の影響を受けた小・中・高校生たちへの「学ぶ場の提供」を目的に、「学び場★ふんばるんば」というネーミングの学習サポートを実施しています。スタッフは宮城在住の方はもとより、首都圏からも指導経験のある学生や社会人が参加していて、ほぼ毎週末に活動しています。
 今回は、宮城県内での活動として、石巻市立牡鹿中学校での「学び場★ふんばるんば」の実施について報告します。


 牡鹿中学校は、牡鹿半島の鮎川浜に位置する中学校です。校舎は高台なので先の震災による津波の被害は免れましたが、多くの生徒たちは自宅が流され、仮設住宅に入居しています。仮設住宅に入居した生徒たちは自らの勉強部屋を失っただけではなく、仮設住宅のある石巻市街地から30分以上かけてバス通学を余儀なくされ、自主学習の時間が減少している生徒たちも多くいます。そのため、3年生の受験対策として毎週土曜日の勉強会が企画され、ふんばろうもそのお手伝いをすることになりました。

 支援活動は昨年の11月から行っていましたが、昨年度の3年生が卒業し、新3年生はまだ部活が忙しいということで、学習会はしばらくお休みでした。
そして、7月7日(土)から、新3年生との第二期「学び場★ふんばるんば」がスタートすることになりました。

 最初は緊張していた新3年生たちですが、学習支援プロジェクトのスタッフと一緒に勉強していると、だんだん緊張もほぐれてきたのか「数学楽しい!」という声も聞こえてきました。
 英語や数学など、積み上げ型の教科は、被災による授業の遅れや自主学習の時間減が特に顕著に出やすい教科で、生徒たちは苦手意識を持ちやすくなっています。少しずつ、分かる楽しさを積み重ねていき、前向きに学習へ取り組めるような環境を作るお手伝いができればと思っています。


 支援は今後も毎週土曜日(時々お休みあり。夏休み・冬休み期間は不定期)の午前中に行う予定です。
 また、宮城県内では、石巻市鹿妻での小学生を対象とした「寺子屋」のお手伝い、宮城県外では、岩手県大船渡市や福島県相馬市、南相馬市でも活動しています。
 「ぜひ一緒に活動してみたい!」という方がいらっしゃいましたら、下記の問い合わせ先メールアドレスへご連絡ください(学生可・支援には定員があり、必ずしも参加したいというご希望に添えない場合があります)。
 また、仙台駅から牡鹿中学校までスタッフの送迎を担当してくださるドライバーさんも募集しています。ぜひ、一緒に活動してみませんか。(酒井由美)

【問い合わせ先】
メールアドレス:gakushu.support@fumbaro.org
※お名前・住所・電話番号・指導可能な教科(英語中3まで、など)をお知らせください。
※学習支援プロジェクトWallpaperで、今後の支援予定等がご覧いただけます。
http://wallpaper.fumbaro.org/gakushu_support/

「あったらいいな」に呼応する支援を模索

2012-07-17 02:10:11 | 活動報告
 「両親が住む仮設団地には高齢者が多く、日々の食料品を買いに行くことすら不便しています。相談に乗ってくれないか」とふんばろう東日本支援プロジェクトへ連絡をくれた山内理恵さん(仙台在住)とお会いしたのは、ちょうど1ヵ月前のことでした。

 ふんばろうでは今年3月末で物資支援は終了(個別案件についてはその状況を直接ヒアリングして対応しています)し、農漁業などの産業復興支援や仮設団地のコミュニケーションの醸成、メンタルケアの活動へと、被災された方のフェーズに合わせて支援内容をシフトしています。
 今回の相談は、高齢者が多い仮設団地(20世帯)で買い物へ行くにも車で15分以上の遠距離であることや車がない世帯も多く“買い物弱者”になってしまっている被災者へのフォローを検討、2つの提案をさせていただきました。①みやぎ生協さんが行っている「個人向け宅配(週1回)」が可能なエリアなので、宅配便の活用②集会所へ「備蓄用のお米・調味料」の支援—です。
 
※右から2番目が千葉会長

 気仙沼市(旧本吉町外尾)にあるはまなすの丘仮設団地へ15日、宮城、岩手を視察に来られた高知新聞社の高橋章郎さん、門田朋三さんとともに「備蓄用のお米・調味料」を届けてきました。
 事前のヒアリングで「調味料などの買い忘れなどもあったりして…」という意見もうかがっていたため、必要最小限の食糧(お米・乾麺)と調味料(醤油、味噌、塩、食油、マヨネーズなど)を集会所へ備蓄用として保管し、買い忘れた方が借用(使った方が後日補充)するという仕組みを提示させていただき、自治会長の千葉一郎さんも快諾してもらいました。「持ち出し用のノートでも作らなくちゃね」と千葉会長。住民同士が自分たちでルールを作って運用していくことがとても大切なことだと思います。

 今回の支援の仕組みにあわせて、非常食の備蓄が追いついていないという状況もあるようです。
▽焦点/非常食、品薄深刻 沿岸部再備蓄に苦慮(河北新報 7/15付)
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1071/20120715_01.htm
 備蓄をするスペースもない仮設団地の各戸では、集会所(談話室)のスペースを活用していざという時の非常食などを保管しておくことが大切です。そして食料品は消費期限があるため、常に入れ替えが必要になってきます。そんな時に住民の方々が備蓄品をシェアする仕組みは効果があると感じます。(こせきかつや)

本当に役に立てているか? ボランティア活動を自問自答しながら

2012-07-06 22:57:29 | 活動報告
 ふんばろう東日本支援プロジェクト「PC(パソコン)設置でつながるプロジェクト(略称PCPJ)」に参加している私は6月10日(日)、福島県本宮市などにある仮設住宅団地15ヵ所へふんばろうメンバーと共に設置作業をしてきました。

 PCPJとはなんぞや、と思っている方に説明しますと、仮設団地の集会所を中心にパソコン(以下PCと略します)とプリンタ複合機を無償提供・設置。いずれはパソコン講習も開いて、仮設住宅等での生活に役立てていただこうというプロジェクトです。
※詳しくは、こちらのサイトをご覧下さい↓
http://wallpaper.fumbaro.org/infrastructure
 これまで83ヵ所の仮設住宅団地集会所、NPO団体などへ合計329台のパソコンを設置してきました。PCは主にNTTコミュニケーションズ、IBM人材ソリューションなどの企業から提供された中古PCをメンバーがメンテナンス(お掃除)し、マイクロソフトが提供するOSやセキュリティソフトなどをインストールしたものを要望のある仮設団地へ設置しています。
 
※パソコン内部のクリーニングとセットアップはとても時間がかかります

 この日は、浪江町役場からの要請を受けてのPC設置作業でした。私は今年の4月あたりからふんばろうの活動に参加しはじめ、PC設置作業は2回目になります。今回、私は3ヵ所の仮設団地を回りました。仮設住宅の方々の反応はさまざまで、設置(ボランティア)に感謝していただき飲物をくださったり、「なんで設置に立ち会わなければならないのだろう」と設置中の時間を退屈そうにされている方もいらっしゃいます。なかなか設置がうまくいかず、長時間かかることもあるので、そう思われるのは仕方がないと思います。時々設置作業をしていて、この活動が役に立てているのかなぁ—、という心境になることもありました。全体的に高齢の方が多い住宅だったので、「私はパソコン使えないんですよね〜」という声をいただくと、うーん、お役に立てているのだろうか?と思うこともあります。

 今はPCPJという大きなプロジェクトを成功させる—ということを目標にふんばっていますが、時々、自分が行っているボランティア活動が本当に被害に遭った方々の役に立てているのか、と疑問を持つこともあります。「ボランティアの押し付けではない、真に必要なボランティア活動」を行えているかなと。仮設住宅の方々のまちまちな反応を見ると、そう思うこともあります。今の被災地ではいろいろなボランティアがありますが、復興ボランティアとして本当に必要なことはどんなことなのだろうかと漠然と心の中で思っています。
 
※6/24はIBM人材ソリューションの有志15人も設置作業に参加していただきました。石巻バイパス仮設団地の皆さんと

 先にも書きましたが、私は今年の4月あたりから、ふんばろうの活動に参加しました。自宅は多賀城市にあり近くにも仮設住宅はありますが、普段の通勤の行き帰りは昨年の大震災から1年以上経ったいま、ほぼ普通の生活に戻っているように感じます。しかし、5月に学習支援として岩手県大船渡市に行き、沿岸部の津波が家々を飲み込んだ跡地(ほとんど、家の土台だけが残って野原のようでしたが)を通ったり、気仙沼市では市街地に残された津波の被害の傷跡を見たりすると、まだまだ復興はこれからなのだとあらためて思います。

 所属しているプロジェクトや団体が大きいと自分の行っている活動が直接、被害に遭った方々の役に立てているか見えなくなる時もありますが、PCPJの次なる課題のパソコン講習も段階的に進めてより多くの方にパソコン操作を習得していただければ、このプロジェクトの意義は大きいものになると思います。
 今後も自分なりに被害に遭った方々の声に耳を傾けながら、ボランティア活動をできる範囲でふんばっていこうと思います。最後にもっとボランティアメンバーが増えると、活動がより早く進みますので(パソコン講習を待っておられる方々がいらっしゃるのです!)、ボランティアメンバーを随時募集しています。1日のみ参加希望の方も、PCPJを少しでも手伝ってくださる方も随時募集しておりますので、お気軽に問合せください。(鈴木小百合)

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追伸、その2週後の6月24日(日)、総勢40人が参加(11台の車に分乗)した南三陸と石巻方面のPC設置ツアーに行ってきました。事前にふんばろうが行ったアンケートにより依頼のあった仮設団地への設置でした。PC設置の他にもなるべく役に立てないかと、「何か最近生活で困っていることなどありませんか?」と立ち会って下さった方に聞いてみると「ほやは育てるまでに3年かかるので、初期費用を考えるとなかなか養殖がはじめられません」といった話を聞かせて頂くことができ、はじめて被害に遭った方に少しでも寄り添えたかなぁと思える時間を過ごせました。また、「パソコン講習を待っています」という声も多くいただきました。今は設置をすることで手一杯ですが、設置したパソコンをもっと多くの方に使っていただけるような講習会の開催にも取り組んでいきたいと思います。