日頃、自分では健康この上ないと思っているが、加齢とともに
確実に足腰は衰えているものと思わなければならないことに
ようやく気が付き始めた。
今のところ健康上なにも問題はないのだが、朝の血圧が多少高い
ということで、かなり前から医師の指示によって一番マイルドな
降圧剤を飲んでいるが、定期的に診ていただいているかかりつけ医は
筋トレも良いが、有酸素運動を多くするためにもっと歩いた方が良い・・・
と指摘している。
普段、あまり歩かない私だが今日は少し歩いてみた。
雲が拡がり青空はあまり見えなかったが温かい陽射しもあり、
空気も澄んでいるように感じたので近くの住宅街に向かった。
柔らかい陽射しの中を歩き始めると公園脇の、元は農家だったと思われる
大きな家の隣の空き地には芝桜が所狭しと地面を覆いつくしていた。
暫し立ち止まった後、爽やかな風を感じながらさらに進む・・・
ヤマト運輸の営業所へ行くときに通る道路へ出ると今年もまた
あの民家の大きな柿の木がフェンスの近くまで枝を伸ばして
私の大好きな柔らかい緑色の葉っぱたちが爽やかな風に誘われ、
私を歓迎してくれているかのような光景に出会った。
毎年秋にはその立派な実の鮮やかなオレンジ色が季節感いっぱいに
青空の下で点々と輝くのだ。
今日は私が大好きな青空と白い雲・・ではなかったが以前、ブログ友
さくらさんの言葉にあった『わけもなく嬉しい』が頭に浮かび
同じような気持で訳もなく嬉しく幸せを感じ、周囲に人の気配が
なかったこともあり、ジブリの「さんぽ」が口をついて出ていた。
「あるこう、あるこう、私は元気・・・」と
過去に何度も書いてきたが一番好きな果物が柿なのでこの時季から
柿が熟すのを・・そして友人の奥さんが作ってくれる渋柿を利用した
干し柿を楽しみに『全ての柿の木よ、頑張ってくれよ・・』と
思い続けるのだ。
こういう思いで実った柿を観るのも食べるのも勿論いいのだが、
私が最も好きなのは今の時季になると毎年その強い思いを何かで
表しているこの時季ならではの柿の葉の色・・・
カラーサンプルなどでは表せないような何とも言えない緑色・・・
我が家の6メートル平方の狭い庭にも「様々な緑色」があるが
同じ色の緑を探すことなど到底不可能・・・
世の中に何百色もあり、数えきれないほどの緑の中でこの若緑というか
薄緑というかこの優しく柔らかい緑は仮に緑の物語があるとすれば
その王子、王女のように感じる。
その初々しさ若々しさには希望が溢れ、風雨に晒されながらも
まっすぐに前を向き、正直に歩く姿がイメージされ、懸命に
生きようとする私達全員の心にも優しく柔らかい、爽やかな緑を
充填してくれ、かつ心を癒やしてくれるようなものを強く感じるのだ。
背中に暖かい陽射しのぬくもりを感じながらしばらくその柿の葉に
見とれていた。
さんぽ - となりのトトロ 井上あずみ