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♪シンガーソングライター★近井智沙子のブログ☆彡

シンガーソングライターは趣味と言い切る近井智沙子のちょっとした日常を書き留めます。

少女・世界推理名作選集

2005-11-08 | Tue:推理小説と私
女の子向けなのか、金の星社から『少女・世界推理名作選集』と
いうのが全30巻出版されていた。

その小説に出てくる主人公が女の子、もしくは女性で、
だいたいキャロリー・キーンの書く少女探偵ナンシーものと
マーガレット・サットンの書く女子高生の名探偵ジュディものが
多かったように思う。

その中に「深夜の追跡」(アイリッシュ作)と
いうのがあった。もちろん、あれ以来アイリッシュの
虜になっている私は、その本を見つけるとすぐ
借りた。

またこれが殊の外強烈なサスペンスで、知らない孤独者
同士が1つの目的に向かって団結できる一生懸命さが
描かれていた。お馴染み最後には一件落着する安堵感が
素晴らしく、前に読んだ4作品を超えるほどだった。

いや、「恐怖の黒いカーテン」もそれはそれで衝撃的な
ものだったし、捨てがたい。それぞれに味の濃い作品だ。

この「深夜の追跡」は都会に出てきて孤独と戦う日々を
送るディスコダンサーがヒロインなので、感情移入も
しやすかったのかもしれない。それ故か、最後の最後に
“こうだったらさらにいいな”と思い、1、2行
付け足したくなったのを覚えている。

「暁の死線」というのが通常の題名。だが、当時“死線”
と言えどもピンと来なかった。今でも日本語としては
ピンと来ないのではないだろうか。原題を見てなるほど
と思った。

「Deadline at Dawn」これが原題。新聞などに書かれる
野球用語もハッとさせられることはあるが、これも同じ。
Dawnは「暁」でよいが、Deadlineが「死線」とは。
なるほどとは思うが、日本語の「死線」に“締め切り”と
いう意味はない。おそらく原題のDeadlineにも“生きるか
死ぬかの境目”という意味も少しは含ませていると思う
のだが、日本語ではこちらの意味しかない。

と別に邦題に苦情を言うわけではないが、「暁の死線」の
「死線」とはタイムリミットと言う意味で捉えていただきたい。
その通りの物語だからである。

この本を読んで、私のアイリッシュの作品への情熱は
ゆるぎないものとなったのである。
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