誰も知らない南の島

いつか南の島にいきたい

どこからツッコんでいいのかわからない栗山千明/鴨川ホルモー

2009年07月05日 | ふたりの真希
ハゲタカでのクールな栗山千明が、ここまでかわったのは、きっとホルモーのせいにちがいない。おそるべし鴨川ホルモー



鴨川ホルモー [DVD]

ポニーキャニオン

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素晴らしきホルモーワールド。, 2009/6/27
By いたち17歳 - レビューをすべて見る
知人に薦められるがままに読んだ「鴨川ホルモー」
読みすすむうち、その面白さにどっぷり浸かっていきました。

映画化と聞いたときは「できるの!?」と思いましたが、これがまた見事にツボにはまりました。
想像していたよりもオニが可愛く、高村のチョンマゲが自然(?)でした。ただ、栗山千明さん演じる「楠木ふみ」映画後半、凡ちゃんメガネを卒業し、髪型も変えて登場するシーンには「フツーに栗山千明すぎるだろ!!」とツッコミを入れてしまいました...。これもまたご愛嬌といったところでしょうか。

オール京都ロケというのも魅力的で、京都近辺の方にはよりリアルです。
「百万遍(吉田)寮」すごい(笑)

小説を読んでいなくても面白いでしょうね。でも、読んでいると映画の中の小ネタに笑える分、面白さは倍増すると思います。そして映画や小説の後はホルモー六景もぜひ!おすすめです。
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笑った後で自分の大学時代を振り返りたくなる。, 2009/6/26
By ともぱぱ - レビューをすべて見る

破天荒・奇妙奇天烈な、鬼(式神)を操る「ホルモー」。なぜ1000年の伝統ある儀式が京都の4つの大学に承継されているのか、なぜレナウン娘を歌っての裸踊りなのか、よく考えると不思議なことだらけですが、ハチャメチャな試合展開にいつしかそんなことはどうでもよくなり、パパイヤ鈴木が振付けた、かわいい鬼を操るおかしな動作を熱演する俳優達の本気に引き込まれ、自分自身のモラトリアム時代、しかし今の自分の基礎を作った忘れがたい大学生活と重ね合わせてみたくなる、そんな映画です。

俳優では主演の山田孝之はもちろん、凡ちゃん役でコメディエンヌぶりを発揮してくれる栗山千明とチョンマゲ頭になってしまう濱田岳がいいですね。そして京都ロケがよく生かされている。よく撮影許可されたなと驚く場所・場面がいくつかあって、それを見るだけでも価値がありますね。学生と伝統の町・京都の魅力が画面に息づいています。わが息子は京都に進学させて自活させたい、そういう気持ちで胸が一杯になりました。

一番最後にいいショットがありますから、DVD本編は最後まできちんと観るようにして下さい。
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3 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
最高♪, 2009/6/23
By あずさ "あずさ" (東京都葛飾区) - レビューをすべて見る
山田孝之の作品だから映画館に観に行ったのですが、結果的に3回も観に行ってしまいました。山田孝之ファンじゃない友達も大爆笑♪
すっと入り込めて気分よくなる映画!私の知人は50代ですが、学生の頃を思い出しつつ楽しめたそうです。
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オススメです!, 2009/6/21
By pochi - レビューをすべて見る
4/21に映画館で上司二人と見てきました。元々洋画派なので邦画を映画館で見ることはなかったため、最初はなんとなく見ていたのですが独特な設定にどんどん引き込まれました。単純に面白い。出演者もピッタリ作品に合っているし、さらりと発する台詞もウケる。一緒に見に行った上司の一人は笑いをこらえるのに必死そうでした(笑)

ホルモーをまじめに語る大人やどこにでもいそうな「普通すぎる京大生」を演じる山田孝之、どこからツッコんでいいのかわからない栗山千明。個人的に面白かったのは戦国ネタを持ってきた「主人公の親友」でした。
さわやかで甘酸っぱい感じの学生生活がうまく表現出来てて、自分にもあんな時期があったなぁと懐かしくなりました。面白いだけじゃないこの作品、大人も楽しめます。疲れた時なんかにはぜひ!元気をたくさんもらえます。

「Base Ball Bear」の歌う「神々LOOKS YOU」の主題歌は最高です。ピッタリ!
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笑いどころが満載, 2009/6/14
By 中 - レビューをすべて見る

ストーリーは、京大に入学後気だるく過ごす安倍が普通と言われて参加したサークルは、オニを操り格闘させる"ホルモー"を行う普通じゃないものだった、というもの。
万城目学の小説が原作のコメディで、監督は「犬と私の10の約束」の本木克英です。

とにかく笑える!
主人公・安倍の台詞や表情や、髪型が大木凡人な同級生・楠木、"ホルモー"でオニを操る仕草など、笑いどころが満載です。
特に栗山千明が演じる楠木の存在感が良いね。演技もうまいし。
凡ちゃんカットをなびかせた理系の女子役でして、居そうだなぁ、と感じることしきり。

原作を知らず予備知識0で見ました。それもまた良し。安倍や楠木と同じように「何?」「どうなってるの?」と感じながら観られたので。
五月病な大学生の愚痴から始まりますが、テンションがどんどん上がる映画ですよ。

手術室の行為は医療か殺人か/心臓が動かないと臨終宣告/チーム・バチスタの栄光

2009年07月05日 | 谷本歩実柔道一本勝負
15歳未満の子供への移植が法律で認められていないことは、現在の臓器移植法の欠陥なのか。私は、欠陥であると断定できない。

長期脳死児:診断後1カ月以上60人 全国病院調査(毎日新聞 2007年10月12日)

 脳死状態と診断された後、1カ月以上心停止に至らない「長期脳死」の子どもが全国に少なくとも60人いることが、全国約500病院を対象にした毎日新聞の調査で分かった。長期脳死児がこれほど多数に上ることが明らかになるのは初めて。臓器移植法は15歳未満の子どもからの臓器提供を認めていないが、年齢制限を撤廃する法改正案も国会に提出されており、議論を呼びそうだ。調査は今年8~10月、日本小児科学会が専門医研修施設に指定する計522施設を対象に実施。医師が脳死状態と診断後、医療やケアを提供中の長期脳死児(診断時満15歳未満)の有無などを尋ね、272施設(52.1%)から回答を得た。その結果、診断から1カ月以上経過しても心停止に至らない患者は39病院の60人で、うち14人は在宅療養中だった。年齢は2カ月~15歳7カ月で、診断後の期間の最長は10年5カ月だった。
 このうち、25病院の31人は、法的脳死判定基準か、旧厚生省研究班が00年にまとめた小児脳死判定基準の無呼吸テストを除く全項目を満たしていた。臓器提供をしない場合は必要ないため、他の患者は全項目の判定はしていないが、主治医が脳死とみられると判断した患者だった。臓器提供を前提に、小児脳死判定基準が妥当だと思うかとの問いには、回答した医師270人のうち42%が「分からない」とした。理由は「長期脳死児を『死者』として受け入れることは、家族だけでなく医療者側も難しい。移植の道を閉ざすことはできないが、一定の配慮が必要」など。「妥当でない」は17%、「妥当」は12%だった。法的基準を作った際の調査では、子どもの場合、脳死から10日程度で心停止に至るとされた。だが、小児の基準を検討した旧厚生省研究班の調査は、87年4月からの12年間に長期脳死児が25例いたことを報告。日本小児科学会の04年の調査でも18例が報告された。子どもの脳は障害に強いとされるが、原因の究明などは進んでいない。
 法改正に関しては(1)脳死を一律に人の死とし、提供年齢制限を撤廃、家族同意のみで提供可能にする(2)提供可能年齢を12歳以上に引き下げる--の2案が出されている。同学会の調査を担当した小児神経科医の杉本健郎・びわこ学園医療福祉センター統括施設長は「これまでの調査よりかなり多い結果だ。臓器提供を否定はしないが、脳死診断後も長く心停止に至らない子どもが多数いることを厳粛に受け止め、単なる『死』と片付けずにオープンな議論をすべきだ」と話している。【臓器移植取材班】

「脳死」判定後、6年間心臓が動き、成長した7歳の男の子(中日新聞・東京新聞 2006年12月23日)

 臓器移植に関心が高まる陰に、脳死診断後に一カ月以上生きる「長期脳死」という状態の子どもたちがいる。国内での小児臓器移植を可能にする臓器移植法改正の前提を覆すような事例にもかかわらず、その存在はほとんど知られていない。 (井上圭子)
  A君(7つ)は一歳半の時、原因不明の高熱で急性脳症となった。医師からは「大人なら脳死の状態」と宣告されたが、六年後の今も、人工呼吸器を付けて「生きている」。
  発症後三カ月は肺炎などの合併症を繰り返したが乗り越え、やがて状態は安定。四歳で退院した。母親はA君の皮膚を清浄綿でふき、半開きになるまぶたを閉じて目の乾燥を防ぐ軟こうを塗る。たんを吸引し、三時間に一度の体位交換。栄養は鼻のチューブから。「苦には感じない。毎日一緒にいられることが幸せ」と母親は言う。
  この六年間で身長は三六センチ伸び一一〇センチに、体重は七キロ増え一六キロに成長、顔つきもすっかり男の子らしくなった。暑ければ汗をかき、排便時は顔を真っ赤にして踏ん張る。注射針を刺すと体をよじる。この五年間に受けた臓器移植法に基づく脳死判定では、無呼吸テスト以外のすべての検査で脳死の要件を満たしたのに、である。
  「Bちゃん、お客さんにごあいさつしようね」。母親に促され、記者がB君(10)の手に触れると、B君は温かい手でギューッと握り返してきた。
  四年前、B君は交通事故に遭い、頭蓋(ずがい)内に血液があふれ脳圧が異常に高くなる「急性硬膜下血腫」と診断された。緊急手術でも意識は戻らず、一カ月後「もう脳死に近い状態。手は尽くした。あとはご家族で静かに見守って」と言われた。だが二カ月後、だらんとしていた手がピクッと動き、浅い自発呼吸も戻った。事故から一年後、奇跡的に退院できた。
  今も瞳孔は開いたままで脳波もないが、母親は自信に満ちて言う。「この子のおかげで家族や友人と命について真剣に考えるようになった。出会いもあった。この子の存在が家族の幸せ」
  二〇〇四年に日本小児科学会が全国の救急病院などを対象に行った調査によると、小児脳死七十四例(疑い含む)のうち、脳死状態と判断してから心停止まで三十日以上かかったケースは十八例(24%)あった。人工呼吸器など医療技術の進歩もあり、長期脳死例は新たな問題として浮上している。家族にとり「脳死を人の死」とする同法の考え方は受け入れがたい。
  日本移植学会によると、脳死からの移植を前提とする心臓・肝臓移植の希望待機者は二百二十九人(先月三十日現在)いる。小児も含め臓器移植を進めるため、与党はドナーの年齢制限撤廃などを盛り込んだ同法改正案をまとめた。
  だが、松本歯科大学の倉持武教授(倫理学)は「脳死のドナーが豊富な社会なんて、逆に異常だ。脳死を一律に死と認めれば、死の解釈は移植の大義名分のもと植物状態、重度脳障害へと拡大していく」と警告する。
  渡航費用の寄付を求める移植希望者家族と比べ、長期脳死の子の家族の声は世の中に届きにくい。ある母親は「社会に説明しなきゃという気持ちと、やっぱり怖いという気持ちと」と心は揺れる。「ドナー不足」という言葉が「臓器をくれ」に聞こえるという。
  「難病の子を救おうと臓器を求める親の思いも分かる。ただ、ドナーになる子の立場も知ってほしい。それだけ」

「超重症児」長期生存も、自発呼吸や体温調節回復例(2007年12月18日 読売新聞)

  「脳死」「脳死に近い」などと診断された子どもが何年も生きるケースが少なくない。自発呼吸などが回復する例も目立ち、脳死診断のあり方を見直す必要がある。(大阪科学部 山崎光祥)
 子どもの脳死で長期生存例がしばしばあることは、学会などで報告されていたが、実際の病状や生活の様子はほとんど知られていない。
 そこで記者は今秋、出産時のトラブルによる心肺停止や頭部外傷、脳炎などで深刻な脳障害に陥って意識がなくなり、人工呼吸器を装着した「超重症児」の家族にアンケートを行い、14人(存命9人)の両親から回答を得た。
 その結果、明らかになったのは、「脳死状態」などと絶望的な診断を受けた後も、何年も心臓が動き続けることが珍しくないばかりか、脳の機能が若干でも回復した例がかなりあることだ。
 14人のうち、8人は診断時に脳機能の兆候がなく、脳死または脳死に近い状態とされ、6人は若干脳機能が残っていたが脳死に近い状態などと言われた。リスクを伴う無呼吸テストは誰も受けていないため、正式な脳死判定ではないが、脳機能の兆候のなかった8人とも身長が伸び、うち6人は自発呼吸、脳波、刺激への反応、体温調節のいずれかが、多少なりとも回復していた。4人は歯が生え替わった。
 14人全体で見ると症状の改善は11人にのぼり、子どもの脳の回復力の強さを改めて示した。東海地方の男児(11)は6歳の時にひき逃げ事故に遭い、「脳死に近い」として、3週間で積極治療が打ち切られたが、1か月余りたって自発呼吸がわずかに戻った。
 こうしたケースは何を意味するのだろうか。脳死の定義は「全脳の不可逆的な機能喪失」だ。無呼吸テストが行われていないので、現在の脳死判定基準の不備には直接にはつながらないが、「脳死」という言葉が、安易に使われている実態がうかがえる。
 6歳未満の脳死判定基準の作成に携わった杉本寿・大阪大教授(救急医学)は「治療が始まって間もないのに、回復不能だと親に納得させるため、拙速に『脳死』と説明される例が多い」と危ぶむ。必要な検査をしていないケースのほか、脳に作用する薬の影響は考慮したか、脳波検査の感度が十分だったかといった疑問があり、脳機能が残っていたのに見落としていた可能性があるという。そうした不十分な“脳死診断”でも積極的治療の打ち切りにつながるし、人工呼吸器を取り外して腎臓提供が行われることもある。先の東海地方の男児の家族は、主治医から「看病の負担を考えて呼吸器を外しては?」と勧められたという。
 「脳死」という言葉は、親を絶望に突き落とす。それでも家族は愛情を持って子どもたちを育てている。14人のうち11人は在宅療養を継続中か、または経験した。最長は11年を超える。
 関東地方の男児(8)は、1歳2か月の時に高熱とけいれんに襲われ、無呼吸テスト以外のすべての検査を経て「臨床的脳死」と診断された。脳血流が全くなかったが、3年半前に退院し、その後も感染症などによる命の危機を乗り越えてきた。身長は発症時から30センチ以上伸び、乳歯6本が永久歯になった。鼻の粘膜に吸引用の管が当たると痛そうに首と肩を動かし、最近は体温があまり下がらなくなったという。主治医は「体温をつかさどる脳の視床下部が多少、機能を取り戻した可能性はある。体の動きは脳の活動とは考えにくい」と慎重だが、母親は「どんなにつらくても治療に全身で反応して戦っている。生きているのは息子の意志」と話す。神戸市東灘区の男児(4)も、1歳半の時に肺炎から呼吸困難に陥り、「臨床的脳死」と診断された。症状の改善は見られないが、今年6月から在宅療養に移り、車いすで散歩に出ることもある。「この子がいるだけで家族が笑顔になれる」と母親は話す。
 国会には、15歳未満の子どもからの脳死移植を可能にする臓器移植法改正案が提出されているが、審議では、子どもの脳死の実態や判定基準の妥当性なども検証すべきだろう。親への説明のあり方も考え直す必要がある。

*子どもの長期脳死についてのその他の記事は、てるてる日記にまとめられています。

「脳死」の乳児、判定6日後呼吸戻る 近畿大病院 (朝日新聞 2006年06月03日00時03分)

 近畿大病院救命救急センター(大阪府大阪狭山市)で、厚生労働省研究班の小児脳死判定基準で脳死と診断された5カ月の男児が、診断6日後に自発呼吸が一時的に戻り、その後4年3カ月間生存していたことがわかった。回復力の強い乳児では、正確な脳死判定が難しく、「現在の基準では不十分」との声も出ていた。この基準見直しの動きや、子どもの脳死移植を実現しようと国会に提案された臓器移植法改正案にも影響を与えそうだ。富山市で開催中の日本脳死・脳蘇生学会で3日、発表される。
  同センターの植嶋利文講師によると、男児は98年秋、心肺停止の状態で搬送された。厚労省研究班が98年に作った6歳未満の小児の脳死判定用の仮基準に従い、搬送20日目と24日目に診断を実施。その結果、自発呼吸や脳幹反射など五つの検査項目すべてで反応がなく脳死と診断した。
  しかし、脳死患者では調節能力が失われる血圧や尿量、体温などが安定した状態が続き、30日目ごろからは、一時的に弱い自発呼吸が戻ることもあった。ただ、人工呼吸器をはずせるほどの呼吸は戻らず4年3カ月後に肺炎などで死亡した。植嶋講師は「脳の血流検査など、新たな判定項目の追加検討が必要」と指摘している。 (記事中「脳死患者では調節能力が失われる血圧や尿量、体温などが安定した状態が続き」の箇所は記者の認識不足。安定する脳死患者は多数いる。森岡註)→その後、無呼吸テストをしてないという理由で学会発表予定が取り消された。(移植目的でないと無呼吸テストはできない)

脳死:米国・カナダで判定の3人、日本帰国後に意識回復 (毎日新聞 2006年7月26日15時00分)

 米国やカナダ滞在中に脳血管の病気で意識不明になった日本人で、家族らが現地の医師から「脳死」と説明されたにもかかわらず、帰国後に意識を回復した人が3人いたことが中堅損害保険会社の調査で明らかになった。東京都内で開かれた日本渡航医学会で、損保の担当者が報告した。海外での脳死診断は日本ほど厳格でなく、治療を打ち切る場合があることを浮き彫りにする事例で、報告した担当者は「医療文化が違う国にいることをはっきり認識すべきだ」と警告する。>>すべて読む

脳死宣告から4カ月後、意識を取り戻した青年(AP通信 2008年3月24日)

 脳死を宣告されてから4カ月、医師が移植のために彼の臓器を摘出しようとしたところで、ザック・ダンラップさんは意識を取り戻した。三輪バギーで交通事故に遭ったダンラップさんは、11月19日、テキサス州ウィチタフォールズのユナイテッド・リージョナル・ヘルスケア・システムで脳死を宣告された。彼の家族は彼の臓器を提供することに同意した。親族が最後の別れを告げにきたとき、彼は足と手を動かした。彼はポケットナイフによる足や爪への刺激に反応を見せ、48日後、家へ帰ることができた。現在も自宅で回復中だ。
チーム・バチスタの栄光
海堂 尊
宝島社

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32 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
心臓外科医ですが・・
不定愁訴外来という設定はとても面白かったし、そこでの風景もリアルでよかった。厚労省の役人白鳥もよかった。
が、作者は内科医で心臓外科は専門外なんでしょうが、もう少しきちんと取材してから書かれたほうがよかったと思う。バチスタ手術そのものが今の日本の心臓外科の世界では見限られている術式であるための違和感もさることながら、そもそも術中にこのような行為が行われたからといって心臓がまるきり拍動しないということは決してないし、またこの状況で心臓がぜんぜん動かないからといってその場で臨終を宣告して終了するなどという事態も考えにくいと思う。一般の方はごまかせるでしょうが、その専門の人間にはこのことが非常にひっかかり興を削がれてしまいました。著者が医者ならばこそきちんと調べてから書いてほしかったです。
投稿日: 2007/2/23 投稿者: たあたん


手術室という密室で起こった死は、はたして医療事故なのか、殺人なのか。, 2009/6/13
By モコ (千葉県) - レビューをすべて見る
 全3部からなる作品であり、それぞれが大きく異なる顔を見せる秀作。

 1部はまじめな医療物。拡張型心筋症に有効な治療法は心臓移植。しかし日本では、保険対象外であり、ドナーが少なく、そもそも15歳未満の子供への移植は法律で認められていない。そこで、心臓移植に代わる拡張型心筋症の治療方法として、バチスタ手術が注目されている。この手術は拡張した心臓の一部(変性部位)を切り取ってしまうという大胆な手術法であり、そのため高度な技術が必要である。この手術を26例連続で成功したのが、桐生率いるチーム・バチスタであった。しかし、27例目の術死をかわきりに、29、30、31例と術死が頻発する。このことに懸念を持った高階病院長が、万年講師の田口に術死の原因究明の調査を依頼するのであった。。という感じ。国内の医療問題への言及やトレンドである手術方法、大学病院の文化などをおりまぜ、なかなかのまじめっぷり。「はーちみつ・きんかん・のどーあめ」のリフレインなど、田口の一言がたまに笑いを誘う程度である。

 一転、2部になると心理戦モノへすさまじい変貌振り。2部から登場する白鳥の存在が、この作品を単なる医療物に終わらせない。歯に衣着せぬ物言いといい、その生い立ちや人物像といい、なにからなにまで規格外。強烈なキャラクターである。「砂漠」の西嶋といい勝負である。それでいて、応用心理学、アクティブ・フェーズ、パッシヴ・フェーズ、スネイル・トーク、セルフ・ポートレートなどの専門用語が、おいらの中の無駄な知識欲をそそる。

 3部では、医者とは、命とは、そして人間とは、というテーマへのある種の答えも垣間見え、締めとしてふさわしい終わり方であった。

 この作品は、「このミステリーがすごい!大賞」の第4回大賞作品である。そう、実はこの作品はミステリでもある。手術室という密室で起こった死は、はたして医療事故なのか、殺人なのか。ミステリとしても十分おもしろい作品だ。そして、ぜひ、白鳥の部下である姫宮(あだ名が氷姫)が主人公のスピンオフも読んで