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無呼吸テストは瀕死患者に対する傷害致死行為

2009年07月07日 | 谷本歩実柔道一本勝負
脳死作成法としての無呼吸テスト

 

このページの概要

 無呼吸テスト中に血液pHは7.2以下に低下し、呼吸中枢を刺激するどころか逆に抑制し脳死作成法となっている事例もある。平均値でみても組織への酸素供給が低下、酸素消費量も低下している。心臓に負荷もかかり、これ以上に炭酸ガス刺激を強化することもできないこと、侵襲性が高いことを示している。適正な刺激強度が不明で、単一の炭酸ガス刺激方法さえ満足できないこと(炭酸ガス刺激だけの無呼吸テスト参照)と併せて、無呼吸テスト検査を敢えて実行する意義を疑わせる。

 無呼吸テスト終了時の二酸化炭素分圧:PaCO2目標値は、日本では60mmHg以上だが、外国は異なる。現行の無呼吸テストは数分間~10分間、人工呼吸を止めることになるが、過去には3分間とほとんどの患者には刺激にならない無呼吸テストが行なわれていた。目視で明らかな呼吸運動とは認められない場合でも、測定機器を使えば換気量が計測される。無呼吸テストを必須検査とせずに脳死と判定していた時期もある。これらの不十分な無呼吸テストを現行基準からみると、1970年代以前のほとんどの脳死判定は否定されることになり、厳粛であるべき人の死の判定が、脳死説を採用するときわめて不安定になる。

 

無呼吸テストは瀕死患者に対する傷害致死行為

*杉本 侃(大阪府医師会副会長・阪大特殊救急部教授):特別講演 脳死および臓器移植について、大阪府医師会報、234号、14-27、1988

 自発呼吸があるかないかを知るのは、実際は簡単ではありません。なぜかというと、レスピレータがついてますから、レスピレータを切らなくてはなりません。じゃ何分切ったらいいかという話になってくるわけですね。長く切るほど判定は確実ですが、連呼吸状態があまり続くと心停止になります。そこで、これはいろんな基準がありまして、例えば、純酸素と炭酸ガスを5分か10分位吸わせておいて、レスピレータを10分切るとか純酸素を流し放しにしてレスピレータを切ってしまうというような方法などがあります。それぞれ一長一短ですが、要は、血液の中の酸素を余り減らさないようにしておいて炭酸ガスを上げていきます。炭酸ガスというのは、呼吸中枢の最高の刺激剤ですから、炭酸ガスを上けていくというのが基本的な形になります。現在では、酸素は十分に与えておいて炭酸ガスをふやすという形で、約10分間の呼吸停止を見るというのが原則的な形になっております。
 これは、一見非常に合理的に脳死の判定に使えそうに思えますが、実際は、患者にとっては望ましいことではありません。なぜかというと、理屈のうえでは、これは今まさに脳が死のうかどうしようかということを判定しようとするわけですから、それだけ炭酸ガスが上がれば脳にいい影響があるわけでは決してないわけですね。だから、これは本当は、セレモニーに過ぎないわけです。もしも脳が少しでも生きていたら、そのテストによって脳は完全に死んでしまう、とどめを刺すことになると思います。だから、このテストは、脳が死んでいるか生きているかというテストというよりも、最終的な確認のセレモニーと考えるべきです。要するに、脳死であるかどうかという診断は、診断自体を問題にするのではなくて、大事なことは治療することなのです。つまり、脳死か脳死でないか疑わしければ、テストすべきではなく、治療を続けなければいけないわけです。

 

 前ページの「重症呼吸不全患者に無呼吸テストはしない」で問題は解決したか以下に掲載の事実は、現行の無呼吸テストの採用している炭酸ガス刺激が弱い可能性を示している。「それならばより長時間、無呼吸テストを行ない、PaCO2目標値を上げればいいではないか」と考えるかもしれないが、現状の無呼吸テストでも侵襲性が高い傷害致死行為になっている。実際のデータは下記。

 出典は、表の左側は大野 正博:脳死判定における無呼吸テストの心血管系、酸素需給バランスに及ぼす影響、大阪医科大学雑誌、52(1)、10-16、1993。右側は藤井 之正:脳死判定における無呼吸テスト時の体温と動脈血炭酸ガス分圧との関係、ICUとCCU、12(11)、1011-1016、1988。

 
22例に対する計31回の無呼吸テスト
(大阪府三島救命救急センター)

  
  

22例に対する計53回の無呼吸テスト
(山口大学救急・集中治療部)

  before after
有意差あり
☆p<0.01 開始前 終了時 有意差あり
中略
心拍数 91.5±2.6 94.5±3.0        
平均動脈圧 99.4±4.0 97.0±6.0        
平均肺動脈圧 17.8±1.2 29.1±2.1 ☆      
右房圧 5.4±0.8 5.8±0.9        
肺動脈楔入圧 6.9±0.9 8.8±1.2        
心係数 2.4±0.2 3.0±0.2 ☆      
一回拍出量係数 27.8±1.9 33.6±2.5 ☆      
体血管抵抗係数 3569±318 2818±316 ☆      
肺血管抵抗係数 398±55 613±76 ☆      
左室仕事係数 35.7±3.0 39.7±3.3        
右室仕事係数 4.8±0.5 11.0±1.2 ☆      
酸素運搬係数 395±29 492±37 ☆      
酸素消費係数 80±5 80±6        
酸素摂取率 20.5±1.6 17.1±1.5 ☆      
ノルエピネフリン 1.6±0.6 2.1±0.6 ☆      
エピネフリン 2.5±1.0 2.6±1.1        
乳酸 23.5±2.9 18.8±2.5 ☆      
収縮期血圧       86±34 86±35  
拡張期血圧       46±19 44±19  
脈拍数       103±32 101±30  
計算式(前出の大野氏ら)

心係数      =心拍出量/体表面積
肺血管抵抗係数=[平均肺動脈圧-肺動脈楔入圧]×79.92/心係数
右室仕事係数  =一回拍出量×[平均肺動脈圧-中心肺靜脈圧]×0.0136
酸素運搬係数  =動脈血酸素含量×心係数×10
酸素消費係数  =動脈血酸素含量較差×心係数×10
酸素摂取率   =[動脈血酸素含量-混合靜脈血酸素含量]/動脈血酸素含量
 

無呼吸テストは脳死作成法

 竹内 一夫:厚生省“脳死に関する研究班”による脳死判定基準(いわゆる竹内基準)覚書 神経所見と無呼吸テスト、日本医師会雑誌、118(6)、855-865、1997は、p858において「PaCO2が95mmHgを超えると炭酸ガスの中枢抑制作用が現れる。呼吸不全患者の炭酸ガス昏睡は90~120mmHgでみられる」という。唐澤 秀冶:呼吸中枢の刺激方法、脳死判定ハンドブック、214、羊土社、2001は「PaCO2が70mmHg以上になると、呼吸刺激ではなく呼吸抑制が生じてしまう。さらに80~90mmHgになると意識が消失し、これをCO2ナルコーシス」という。上記の大阪府三島救命救急センターにおける無呼吸テストは、この水準に達しておりテストというより脳死作成法となった可能性が高い。

 

無呼吸テストは心臓に負担

 大野氏らは無呼吸テストの循環動態に及ぼす影響、麻酔、38(9S)、S236、1989において、大阪府三島救命救急センターにおける12例に対する計17回の「無呼吸テストにより、肺血管抵抗係数及び心係数の上昇により著しい右心負荷が加わることが判明し、心血管系に予備能の少ない患者の無呼吸テストには十分な注意が必要である」とした。右心負荷について大野氏は4年後の、脳死判定における無呼吸テストの心血管系、酸素需給バランスに及ぼす影響、大阪医科大学雑誌、52(1)、10-16、1993においても、平均肺動脈圧・肺血管抵抗係数・右室仕事係数の上昇から同じ注意を喚起している。

 池田 壽昭:脳死判定時に於ける呼吸・循環系の変化、日本救急医学会雑誌、3(5)、357、1992は、脳死患者23名の判定前後の比較から「心機能の面からは収縮力の低下が伺えた」と報告した。

 

無呼吸テストで酸素消費も低下

 林 成之:脳死診断の現場と無呼吸テスト、脳蘇生治療と脳死判定の再検討、近代出版、2001はp87で「PaCO2の上昇と共に、動脈血のpHは進行性に低下する。pH<7.2になると赤血球のヘモグロビンと酸素の結合を切り離す補因子(エフェクター)であるジホスホグリセリン酸(2,3-diphosphoglycerate:DPG)が産生されなくなり、酸素吸入の効果が低下して脳の神経細胞に例えPaO2が高い値を示しても、実際の神経細胞には充分酸素が行かなくなる危険性が生じる」。p95でも「長時間無呼吸テストが続行されると、例えPaO2が正常値にあっても、脳や心臓などの主要臓器レベルでは酸素供給が欠乏するという事態が発生する可能性がある」という。

 無呼吸テスト(炭酸ガス刺激)の裏付け理論として「PaCO220mmHgの変化で脳脊髄液pHは0.2変化する。脳脊髄液pHが正常(7.32~7.36)から7.18以下に変化すると、呼吸中枢化学受容野に対して強力な刺激となる。だからPaCO2を正常値から約20mmHg上昇させて刺激する」とされる。無呼吸テスト中も100%酸素を与えているものの、本当は生体に酸素不足を引き起こさないと炭酸ガス刺激の効果がわからないのが現実だ。実際の無呼吸テスト終了時には、上記の表のとおり7.13~7.11まで低下し影響の大きさが伺える。

 

 実際に酸素消費量が低下している。前出の池田 壽昭:脳死判定時に於ける呼吸・循環系の変化は、組織酸素摂取率は脳死判定前21.6%±7.7%に比べ判定後16.6±6.5%と低下を報告した。

 大野 正博:無呼吸テストの酸素運搬能および酸素消費量に及ぼす影響、ICUとCCU、13(臨増秋)、93、1989も大阪府三島救命救急センターにおける12例に対する計17回の無呼吸テストでは「心係数が34%増加したため、酸素運搬能係数は29%有意に上昇した。・・・(略)・・・無呼吸テストによる血液pHの低下は・・・(略)・・・酸素運搬能係数の上昇により末梢組織への酸素供給は増加すると考えられるが、酸素消費係数は27%低下しており、末梢組織での酸素利用障害が示唆された。・・・(略)・・・無呼吸テストでは呼吸性アシドーシス(酸血症)をきたし、・・・(略)・・・解糖系が抑制され、酸素消費が低下したものと考えられる」と報告。pH<7.2以下で酸素供給が欠乏する、という林氏らの説明を裏付けた。

 ところが同じ大阪府三島救命救急センターにおいて22例に対する計31回の無呼吸テストを報告した(上記表左側の)脳死判定における無呼吸テストの心血管系、酸素需給バランスに及ぼす影響、p14では「酸素消費係数に著変はなかったが、酸素運搬係数は心係数の増加を反映して平均24.4%の上昇を示し、その結果、酸素摂取率は20.5から17.1%に低下した。このことは、酸素需給バランスが良好に保たれるだけでなく、かえってよくなることを示している。・・・(略)・・・血中乳酸値も平均20.0%低下したことから、無呼吸テスト中に固定酸の蓄積をきたしたとは考えにくい」と酸素需給バランスに関する評価を逆転させた。pHの低下が低下していることは明らかで、生体組織に供給され、消費された酸素量は減少しているのではないだろうか。

 大野氏らは4年間の間に「心拍数が増えて酸素消費量が減ったから、酸素は余っている」という理解に後退したのであろうか。1993年の大野論文p13記載の無呼吸テスト前後の変化を示すグラフをみると、酸素運搬係数、酸素消費係数ではテストの平均的傾向とは異なり、傾きの方向が逆(テスト前後で増減が逆転)の3~6テスト分が含まれる。酸素摂取率では20テストのうち17テストは減少しているが、1テストは横ばい、1テストは微増、1テストは3~4%と大きな増加を示す。乳酸のグラフに到っては12テストのうち2テストが40%近く低下し、平均値を大きく下げているとみられる。

 大野氏らの測定が正しければ「脳死患者といえども、病態には大きな差がある」ことを明らかにしたと思われるが、多数の症例(テスト)の平均値で判断して「無呼吸テスト中に酸素需給バランスは、かえってよくなる」と書くのは、誤解を生じるだろう。

 

 現行の無呼吸テストでも、瀕死の患者の心臓に負荷を与え、酸素摂取を減少させている。脳死判定時に自発呼吸がある患者に遭遇すると、判定医は「無呼吸テストをしたために、最後の助かる可能性を断ち切ったのでは」と恐怖感を持つ。患者に対して傷害致死行為をするようでは、もはや医療ではない。適正な刺激強度が不明で、単一の炭酸ガス刺激方法さえ満足できないことと併せて、無呼吸テスト検査を実行する意義が疑われる。

 

 

1970年代以前の脳死者は、本当に脳死だったのかわからない

 竹内 一夫:厚生省“脳死に関する研究班”による脳死判定基準(いわゆる竹内基準)覚書  神経所見と無呼吸テスト、日本医師会雑誌、118(6)、855-865、1997は、「1、無呼吸テストの変遷」として下記を記述している。

 自発呼吸の不可逆的消失を確かめない脳死判定基準はない。1977年のCollaborative studyでは、15分間の人工呼吸中に人工呼吸器に逆らって自発呼吸が出現しないというだけで無呼吸としている。厚生省研究班の調査では、1985年当時、血液ガス分析(動脈血中の酸素分圧:PaO2と炭酸ガスの分圧:PaCO2)をしている施設は30%以下であった。

 そのころの米国で行われた調査結果は次のようである。神経内科医129人に対するアンケート調査で、回答者の12%は無呼吸テストを行っていない。行っている者についてみると、人工呼吸器を―定時間外すとする者が圧倒的に多いが、なかには患者が人工呼吸器をトリガ ー しないというだけで無呼吸としている。いずれの方法も含めてPaCO2の測定を行うという回答は23%にとどまっている。これが約10年前の実情である。

 かつてみられた竹内基準に対する批判的報道の一部には、無呼吸テストをしないで脳死としている学会報告が取り上げられていた。これらは後に、脳死臨調内にも設けられた専門委員会によって調査され、竹内基準による脳死判定ではないことが明らかにされて決着をみた。

 世界的に脳死判定基準が作成され始めた1970年代には、血液ガス分析ができないときのことも配慮して、無呼吸テストとして「人工呼吸器を―定時間外して呼吸運動の出現をみる」という表現が多かった。しかし、年代を経て血液ガス分析が普及し、その重要性が―層認識されるようになって、いわゆる rigorous test (血液ガス分析を行いPaCO2を目標値まで上げる)が推奨された。初出の竹内基準では、つとに血液ガス分析を必須とし、補遺では人工呼吸器を外す時間よりもPaCO2の値が重要であることを強調しておいた。

 要するに竹内氏が書いていることは、過去には「人工呼吸器に逆らって自発呼吸が出現しないだけで無呼吸としている。あるいは、無呼吸テストを行なわずに無呼吸として脳死判定した施設、医師も相当数いた。どれくらいの炭酸ガス刺激を加えるべきか、目安となる血液ガス分析・PaCO2の測定ができる施設も少数派という時代があった」ということだ。

 竹内氏らは「かつてみられた竹内基準に対する批判的報道の一部には、無呼吸テストをしないで脳死としている学会報告が取り上げられていた。・・・・・・」と言うが、植木幸明:脳の急性一次粗大病変における「脳死」の判定基準、日本医事新報、2636号、31-34、1974(日本脳波学会の脳死判定基準を示す論文)は「自発呼吸停止の確認については『まず10分間PaO2を正常域に保ち、PaCO2も正常範囲(35~45mmHg)にあるようにして人工呼吸器を3分間とめ、自発呼吸の再現しないことを確かめる』ことがもっとも厳格な方法である。但し常にこれを行なう必要はない。この際、気管粘膜を刺激して咳反射のないことを確かめることは重要である」としている。

 「但し常にこれを行なう必要はない」という表現は、テスト前の条件を整えることを指すと思われるが、臨床的・神経学的・経験的判断に加えて無呼吸テストの侵襲性から、無呼吸テストを省いた脳死判定までも容認する響きがある(竹内氏は日本脳波学会「脳波と脳死に関する委員会メンバーだった)。竹内氏のように、判定医の責任のみを強調しすぎてはいけない。

 現代でも無茶苦茶な無呼吸テストが行なわれている。奥地 一夫:脳死疑診例の脳波および臨床病態の検討、日本救急医学会雑誌、13(6)、320-327、2002は「1999年9月から2001年4月までの20か月の間に当施設で脳死判定基準の必須項目(深昏睡、瞳孔固定散大、前庭反射を除く6つの脳幹反射の消失、自発呼吸停止)を満足した後に脳波の測定を行った症例は28例である。自発呼吸消失はPaCO2が40㎜Hg以上の呼吸器設定とし、その後40~60秒程度呼吸器をはずして自発呼吸が出現しないことを確認し行った」。

 

 以下の表では主な判定基準における無呼吸テストの変遷を、

坂部 武史:脳死について ICUの立場から、ICUとCCU、9(5)、575-582、1985
藤井 之正:脳死における無呼吸テスト中の酸素投与法、ICUとCCU、12(2)、127-134、1988
厚生省脳死に関する研究班:脳死の判定指針および判定基準、日本医師会雑誌、94(11)、1949-1972、1985
竹内 一夫:厚生省「脳死に関する研究班」による脳死判定基準の補遺、日本医師会雑誌、105(4)、525-546、1991
より。血液ガス分析機器の発達史はL.マーチン:序 基礎的な検査、わかる血液ガス、5-6、秀潤社、2000よりまとめた。

1950年 PaO2、PaCO2、pHを迅速確実に測定する電極が開発される。
1953年  Leland Clark が白金酸素電極を発明(現在の血液ガス電極に発展する原型)。
1960年代中頃 自動化されていない装置でPaO2、PaCO2、pHの測定ができる大学のセンターが複数に
1968年 Harvard判定基準(米国)
テスト前の条件:10分間以上空気換気、PaCO2正常。
テスト時間   :3分間

1973年 商品化された自動血液ガス測定器が初めて紹介される( Radiometer 社のABL1)
1974年 日本脳波学会基準(日本)
テスト前の条件:10分間PaO2正常、PaCO2 35~45mmHg
テスト時間   :3分間

1976年 Royal Colleges 基準(英国)
テスト前の条件   :10分間100%O2換気、ついで5%CO2混合し5分間換気、
             PaCO2 40~45mmHg
テスト中の酸素投与:6L/分100%O2
テスト時間      :10分間

1977年 NINDS 基準(米国)
テスト前の条件:---
テスト時間   :15分間

1981年 大統領委員会基準(米国)
テスト前の条件   :10分間100%O2換気またはO2とCO2混合気で換気
テスト中の酸素投与:O2を受動的に吸入
テスト時間      :10分間 判定時PaCO2は60mmHg未満

1985年 厚生省基準(日本)
テスト前の条件   :10分間100%O2換気
             PaCO2 が少なくとも40mmHgであること
テスト中の酸素投与:6L/分100%O2
テスト時間      :10分間

1986年 Severinghaus 社も測定機器を発売
1991年 厚生省基準(日本)
テスト前の条件   :10分間100%O2換気、体温35度以上が望ましい
             PaCO2 が少なくとも40mmHgであること
テスト中の酸素投与:6L/分100%O2
テスト時間      :PaCO2が60mmHg以上であることを
             確認できれば10分間以内でよい(PaCO2は70mmHgまで)

  過去の無呼吸テストに関する規定を、現代の基準からみると、

無呼吸テスト中の低酸素血症を防ぐために、テスト中に酸素を投与しなければならない。
体温が高いと代謝も多く急速にPaCO2が上昇するため、無呼吸テスト開始時の体温に注意しなければならない。
無呼吸テスト開始時のPaCO2値が低いと、刺激に必要なPaCO2が値まで上昇するのに時間がかかり危険なため、テスト開始時のPaCO2値を正常値に戻してテストを開始する必要がある。
など、無呼吸テスト中の安全性を確保するための考慮が、まったくなかったことがわかる。

 過去の無呼吸テストは正確に、(炭酸ガス刺激については)自発呼吸能力の有無を把握できたのだろうか。坂部 武史:脳死について ICUの立場から(前出)は、p578において「日本脳波学会の勧める方法でも十分判定は可能と考えられるが、PaCO2の上昇度合が少なく(通常は2mmHg/分)、3分後のPaCO2が呼吸中枢を刺激するに十分なレベルに達していないことも起こりうる」と指摘していた。

 実際に、藤井 之正:脳死における無呼吸テスト中の酸素投与法(前出)は、p132において「過去にわれわれの施設で行なった11例の無呼吸テストの内、3分の無呼吸でPaCO2が60mmHgに達したのは1例のみであった」。竹内 一夫:厚生省“脳死に関する研究班”による脳死判定基準(いわゆる竹内基準)覚書-神経所見と無呼吸テスト-(前出)も、p860において「3分間の無呼吸ではPaCO2は20mmHg以下の上昇、血液pHは0.1の低下である。5~6分でPaCO2は25mmHg以上上昇する」としている。

 つまりHarvard判定基準や日本脳波学会基準にもとづいて実施された無呼吸テストのほとんどは、無効だったことになる。前ページで紹介しているが、無呼吸テスト終了の目標とするPaCO2値は、国や研究者により44mmHg~90mmHgときわめて大きな幅がある。目視で明らかな呼吸運動とは認められない場合でも、測定機器を使えば換気量が計測される。無呼吸テストだけを取上げても、1970年代以前のほとんどの脳死判定は否定されることになる(一部の施設は血液ガス測定やテスト中の酸素投与など早期に採用したが)。

 その後、現代においてもPaCO2が70mmHg以上になり呼吸抑制を、さらに80~90mmHgになり意識・中枢神経抑制をもたらしている一部の無呼吸テストは、脳死を判定する方法ではなく脳死体作成法となっている。

 

 人は死亡すると、多くの社会的権利を失う。近親者の感情に加えて、権利喪失を宣告する側面からも、人の死の判定は厳粛であるべきだが、脳死説を採用するときわめて不安定になることが明らかになった。

 

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2009年07月07日 | ふたりの真希
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無罪モラトリアムを再び聞くとき

2009年07月07日 | 名犬ミミポ



赤い林檎に唇よせてと歌われて幾星霜、林檎は東京で椎名林檎として歌い始めた。

足利事件の再審開始決定 東京高裁、菅家さん無罪確定へ(共同通信) - goo ニュース

無罪モラトリアム
椎名林檎,亀田誠治,川村“キリスト”智康係長,森“グリッサンド”俊之本部長
EMIミュージック・ジャパン

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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
買ってから早10年・・・、今でも聞くたびに鮮烈さと純粋さを感じます, 2009/1/25
By 監桶ロック - レビューをすべて見る

リリースされて間もない’99年6月、CDショップに入ったらちょうど1が流れていました。思わず足を止めそのまま2まで聞き終わって、“何だ、こりゃ!”。ミュージシャン名もアルバム名も確かめず、ただレジ横の“只今流れているCD”と同じジャケットを店内で探して、いそいそと家に帰ったのが昨日のことのようです。あれほど強烈な気持ちでの衝動買いは、あとにも先にもこれっきり。(僕には)メガトン級の影響力をいまだに持つ1枚です。

歌詞・音楽両面での驚くばかりの奔放さや爆発的エネルギー、そして“アブナさ”は本当に素晴らしく、当然目(=耳)を奪われるのですが、愛情、やすらぎ、優しさなどへの渇望というせつないまでのイノセントさが自然に同居するスゴさがあったからこそ、林檎さんがここまで長くファンに愛されているのではないかと思います。

個人的にはバンマス亀田氏のbが、音色や他の楽器とのバランスという点で本作が一番好み、3や5のような曲はツボにはまって仕方がない、なにより楽曲の出来栄えのバラツキが少ないといった理由で、東京事変も含めて林檎さんのアルバムでは、いまも本作が一番の愛聴盤です。

アクセラレータとしてのレバレッジを強く規制すること/市場リスク 暴落は必然か

2009年07月07日 | 谷本歩実柔道一本勝負
原著名A Demon of our own Design
大型ジェット旅客機は、誰でもが安価に海外旅行に飛び立てる社会を作った。
このことが新型インフルエンザのパンデミックの防止の妨げになるとしても、もはやジャンボを使わない社会に戻すことはできない。

同じように、インターネットの時代に情報が瞬時でいきわたる完全効率市場の情報を遮断することは、遮断しなければ日米欧と新興国が同時に恐慌に突入する危険があるとしても、不可能であると言わざるをえない。

そうだとすれば、アクセラレータとしてのレバレッジを強く規制すること以外に、この危険を緩和する手段はありえないと著者は実体験に基づいて主張する。
よって、著者の言うA Demon of our own Designとは、不安定な金融マーケットのことではなく、「アセラレータとしてのレバレッジ」そのものではないだろうか。


完全市場のもろさを暴露, 2009/5/5
By しおぴー (ニュージーランド) - レビューをすべて見る
原題は"A Demon of our own Design"「我々が創りし悪魔」で、自分たちがこの「不安定な金融マーケット」を創ってしまったことについての、懺悔の意味が込められているのでは。著者が働いてきた投資銀行、ヘッジファンドという少し前の最先端、サブプライムショック後の今では「衰退していく恐竜」にもたとえられる業界モノ。その変遷と彼らが巻き起こした金融イノベーション、そしてその弊害として頻発するようになった「暴落」リスクについて。マーケットの急激な変動が過度のレバレッジによって発生することは他著者も指摘している通り。著者は根本原因のレバレッジそのものの規制を主張している。

逆に空売り規制などのよくある「市場に対する規制」には一貫して反対の態度。というのも、規制を作れば対応するシステムがさらに複雑になり、思いもかけぬところで暴落リスクが顕在化する、というもの。

量子力学やカオス理論、ネットワーク理論、生物学などを援用し、
「全てのリスクを見通すことはできない」
「密結合したシステムは脆弱」
「過度の最適化は想定外リスクに対して無力」
という主張はおっしゃる通りで、説得力が高い。

マーケットが理想とした「情報が瞬時でいきわたる完全効率市場」は、システムとして非常にもろいということは大きな皮肉。金融システムはグローバル化することにより世界のマーケットを密結合に変えてしまい、NYでの出来事がロンドン、東京、そして新興国マーケットに多大な影響を及ぼすことになった。それを粗結合に戻すことは「情報の流通を遮る」ことになり、大きな困難が伴うだろう。

とすると、彼の主張する
「アクセラレータとしてのレバレッジを強く規制すること」
は非常に的を射ているのでは。
#それだけでは弱いかもしれないが、他に選択肢がない、という意味で。
訳は非常にこなれていてレベルが高い。金融用語もきっちり理解して訳していることがよくわかる。他の翻訳ものも、このくらいのレベルでがんばって欲しいなあと思う。
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金融商品の複雑さが今回の金融危機の制御を難しくしている。, 2008/12/23
By 21世紀のケインジアン (兵庫県) - レビューをすべて見る

 世界的バブルのもう一つの原因である「金融工学」。本書はサブプライムショック以前に書かれているが、金融工学と金融市場システムの問題について考えるヒントは多い。金融工学が金融商品を複雑にして、金融市場システムを不安定にしている構図がよくわかる。

今、議論されているように、たとえ金融市場を規制したとしても、複雑性を放置したままでは、かえって問題を悪化させるおそれがあるというから厄介だ。著者は、金融商品をシンプルなものにして、金融市場の複雑性を減らすよう提言する。危機を増幅するレバレッジも減らすべきだと言う。



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リスクをヘッジする手段は、何もやらないこと?, 2008/12/14
By ひょいひょい (千葉県) - レビューをすべて見る
 著者は、ウォール街の投資銀行で、リスクヘッジに関する仕事に関わっていた、その実体験を赤裸々に述べている。
 エピソードが実名入りで書かれており、ノンフィクションとしても読み応えがある。しかし、金融の知識が無いと、読み込むのは難しいと思う。
 個人的には、リスクヘッジを行うことが、更にリスクを生むといった、リスクヘッジの合成誤謬が興味深かった。この考え方は、金融以外でも、プロジェクトを進める際の考え方として、参考になるのではないかと思った。
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必然なんて書いてない, 2008/10/28
By Isis - レビューをすべて見る
ザクッと言えば、現在の金融システムが如何に危ないかとここ数年の投資銀行内部で行われていた事柄の紹介と言った所です。実名がかなり出ています。黒木亮の巨大投資銀行の内容ともだぶっているところがあります。
株式や債権の投資を行っている人や金融関係の人にとっては、とても参考になるし、読み物としてもまずまずです。
中程で冗長な部分があり、総頁も結構あるので、一気に読み切れないのでマイナス一つです。
結論としては流動性維持、リスクヘッジがリスクを大きくする合成の誤謬、あたりなのではないかと解釈したのですが。。。
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巨大な災厄をもたらした金融イノベーション, 2008/10/23
By 白河夜舟 (東京都国立市) - レビューをすべて見る
邦訳題名が的外れだというのではないが、原題の”A Demon of our own Design” は「俺たちが魂を入れた魔神」、つまり人間ファウストが契約を結んだ悪魔を思わせる。これが投資世界にかかわるものであることを知らせるために副題は「マーケット、ヘッジファンド、そして金融イノべーションの災厄」となっている。「魔神」とはこの「災厄」の元凶であり、著者によればその災厄は現状ではほとんど避けがたい。それが今や現実のものになってしまったことはわれわれが身をもって知るところである。
それではこの魔神の正体は何か。それは一言でいえば「市場の複雑性」(高度にレバレッジを組み込んだ多種多様な金融商品の市場)とその市場内部あるいは相互間の「密結合」状態(本来はプロセスの構成要素が緊密に連携している状態を指すエンジニアリング用語)である。これだけではまだ抽象的にすぎるかも知れないが、ここから現実に起きている事態、つまり各種のデリバティブズの流通とそれが招来するシステミック・リスクに思いを及ばせることは可能だろう。著者は「金融商品を単純化し、レバレッジを減らすことが、金融市場の制度設計を修正する処方箋である」という。(それは正しい結論だと思われるが、07年に出版された本書が現下の危機が不可避だったと主張しているわけではない。)
本書は幾つもの投資銀行でリスク・マネジメントの実務に従い、半ばは学者でもある著者の実践と研鑽にもとづいた力作である。ここに紹介した結論に到達する以前に描かれた80年代以降の投資銀行各行の浮き沈みはこの世界に渦巻く欲望の強烈さと幾多の大銀行がそれに立ち向かい、危うく立ち直った、リスクの巨大さを改めて思わせる。賢人賢者と讃えられる投資世界の大御所たちがITバブルでは一敗地にまみれていることも興味をそそる。著者はヘッジファンドとは定義不能と考えているようである。たとえそうでないとしてもその定義には明らかに手を焼いている。そうとすればリスクを対象とする本書を細部まで理解できなくても恥とするには当たらない。
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金融危機の原因に迫る, 2008/10/16
By hbspmd - レビューをすべて見る
本書は87年のブラックマンデー以降、金融市場に起こった様々な事件の背景についてマーケットの真っ只中に居た筆者が生々しく語った一冊である。現下に起こっている金融不安・金融危機に関する直接的な記述はないものの、現在の金融市場における暴落のリスク、市場のメカニズムについて舞台裏を知ることが出来、現状起こっている事象を理解するのに非常に役立つ。

現在我々が直面している問題は流動性やレバレッジの問題であるが、複雑になり過ぎた金融システムが「密結合」している為に危険度が増していると言え、誰の手にも負えない代物になっているという指摘がある。

その一方で、生物学的には極めて単純な能力特性の方が複雑な環境識別・適応能力よりも、種の保存には有効であるという教訓から、貴重な情報を敢えて無視するような粗視的な意思決定をする方が、市場リスクから身を守る為に有効であるという考え方を示していることは興味深い。

ともあれ金融市場の過去20年を振り返り、リスクを極小化する為に編み出された金融工学の発達にも拘らず、市場リスクは逆に増幅しているのではないかと感じる直感を裏付けてくれる著作である。
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金融クラッシュの処方箋?。, 2008/9/29
By Frypan "amano70" - レビューをすべて見る
 数々の金融クラッシュの実況中継、みたいなところがあって、野次馬根性で読むにはなかなか楽しい読み物です。
 また、著者が述べる、「今の市場にまかせたままではクラッシュは不可避」というのは、納得できる意見です。「市場に任せておけば万事OK」なんていう話が、「まさに空論」であることは、本書の中身から良く見て取れます。
 といいながら、一方で著者は、それを防ぐための「各種の規制」には否定的です。で。「それではどうする?」という問いに対する答え。これはなかなか興味深いものですので、ぜひご一読の上考えられてみてはいかがでしょうか?。

  
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地味な研究書, 2008/9/3
By ヒデ - レビューをすべて見る
訳文は読みやすいかと思いますが、地味で盛り上げに欠け、専門用語や固有名詞が多く出てくる特に前半は、門外漢には読み難いです。後半は、スリーマイル島やビクトリア湖のお魚から、グレイシー柔術の歴史まで、小話が多く差し挟まれ、金融リスクへの最適解とは何かを探ります。ぜんたいとしては、体験を印象的に綴った静かな研究書といった趣でしょうか。
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リスク・暴落・バブルなどを考えるのに良い本。ただし、金融に関する基本的な用語は知っていないと読み通せない。, 2008/8/16
By コンタナトス (東京都) - レビューをすべて見る

学問と実務の両方を理解している著者が、著者自身のすぐ近くで起きた暴落について述べている本。理論そのものと、その理論を用いる人々の両方についての多くの含蓄のある本。投資家や金融関係者のみならず、不確実なリスクに晒されている人が読んでおくべき良書。とはいえ、金融に関する基本的な用語やメカニズムは理解していないと読み通せない。そこが、万人向きではなく、残念である。
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14 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
2007年5月12日の英語版へのレヴューを再録させていただきました。, 2008/7/26
By recluse - レビューをすべて見る

どういうタイミングなんでしょうか、black swanに続く、市場関係者による警告の作品です。この作品には2つの焦点があります。ひとつは著者による金融市場の危機の分析です。題材として取り上げられるのは、著者が経験したblack mondayとsalomon brothersでの経験です。著者はこの経験を通して、現在のリスク管理モデルが抱える内在的な欠陥を指摘します。それは市場の流動性へのナイーヴな信仰とプレーヤーの個別には”合理的”な行動がもたらすことになる全体的な非合理性です。それぞれの危機の現場にいた著者によるこれらの状況の同時代的な描写と事後的な分析は類書には見られないものです。というよりも今明らかにされる当時の実情は恐ろしくなるほどです。これらの経験をベースに後半はどちらかというと哲学的なリスク管理の議論が展開されることになります。著者はこの世界でのいくつもの常識とされる前提への疑問を提示していきます。著者は、更なる精緻な管理手法の強化、情報の更なる開示が危機回避にもたらす効果には懐疑的です。著者は流動性こそが市場の鍵であることを強調し、そしてこの流動性の維持ほど市場参加者の微妙なバランスに依存するものは、ほかにはない点を強調します。著者が最後にたどり着いた結論は、”simpler financial instruments and less leverage"です。著者は、この提言が現在の金融市場の傾向と矛盾することは十分認識した上で、ある意味では自己否定とも思える結論にたどり着いているわけです。
10 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
読み物としてもおもしろい, 2008/7/1
By 是富金蔵 (セントクロイ島) - レビューをすべて見る

ブラックマンデーのLORのポートフォリオ・インシュアランスからLTCMまで幅広い事例を扱っています。
読み物としてもとても興味深く読めました。
とにかくシンプルにという考えが流石という感じでした。
コキブリとヘッジファンドという章のタイトルはカッコ悪いですが、まさにその通りだと思いました。
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結局、金融工学は無力だったのか?, 2008/6/29
By mikeexpo - レビューをすべて見る

金融工学がもたらしたのは、結局市場の不安定性だったというある意味身も蓋もない結論を読者に納得させるため、ありとあらゆる逸話が披露されている。

もちろんアジア通貨危機やネットバブルなど金融に関する事案も多いのだが、スペースシャトルの爆発事故やスリーマイル島やチェルノブイリの原発事故などにも言及し、何故危機は回避できなかったのかが、冷静に分析されている。

日本金融界は金融工学の遅れをさんざん指摘されてきたが、遅れていたが故に今回のサブプライム危機の損傷は少なかったのだろう。本書を読むとそんな気がしてきた。
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現代金融物語, 2008/6/3
By くろとわ (埼玉県) - レビューをすべて見る
・ブラックマンデー前にプットオプションを買い、見事ヤングリタイヤしたトレーダー
・日本の不況時、日本国債の取引等で20億ドル稼いだソロモン日本支店
・ロシア危機寸前に、ロシア国債とルーブルから脱出したソロモン
・流動性の無い優先株をUBSに買わせ、大損させた日本の金融機関
・インターネットバブル時にバリュー投資を貫き、破綻したタイガー・マネジメント

実にさまざま悲喜劇が本書で展開され、さながら現代金融物語である。
また、投資のヒントが満載であり、読み終わるのが勿体無く感じた。
市場リスク 暴落は必然か
リチャード・ブックステーバー
日経BP社

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何よりも必要なのは,意味に言葉を選ばせることだ.その逆ではない/クルーグマンマクロ経済学

2009年07月07日 | ふたりの真希
本書出版元の東洋経済新報社の週刊東洋経済についてWikipediaでは、
週刊誌の中では日本で最古だが、販売面ではインターネットなどとのクロスメディアや宣伝活動を活発に行っている1位の『日経ビジネス』、2位の『週刊ダイヤモンド』に続く3位。
基本的に資本主義や市場経済を前提とする編集姿勢であるが、財界・経営者寄りに偏ることはなく『日経ビジネス』や『週刊ダイヤモンド』と比較した場合、近年の新自由主義や格差社会に対する批判的な視点から、また、社会全体の公益・公共善の立場から記事が書かれることが多いため、リベラルな記事が目立つ[要出典]。他のマスコミ各社がスポンサーからみで追及に及び腰なクリスタルグループの偽装請負問題や、トヨタ自動車において近年多数発生している諸問題(リコール発生・隠しなど)などを積極的に取り上げる姿勢を評価する読者も多い[要出典]。
されている。

その東洋経済新報社が発行するマクロ経済学の教科書である。

さて、クルーグマンは国民皆保険こそが中産階級の成立基盤であると説く。
たしかに、ゼネラル・モータースの経営不振の真因は、この会社が従業員と元従業員とその家族が安心して医療を受けることができる健康保険を会社独自で運営していたからだという。

医療費が支払えないのなら、それは自己責任だから病院にいけなくて当然だとする考え方は、たしかに存在する。
その考えを、さらに一歩進めれば、食料費が払えないならば、それも又自己責任だから、払えない人が餓死してもやむをえないという考えにいたるだろう。
現実に、昨年来、日本国内でも餓死者が増えているという。

しかし、少なくとも日本語の経済という言葉は語源は経世済民であり、米が余っている時代に餓死者を出すことを是とするものではない。

経世済民
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
この項目では、前近代の政治・社会思想について記述しています。economyの訳語としての経済については「経済」をご覧ください。
經世濟民(経世済民 / けいせいさいみん)は、中国の古典に登場する語で、文字通りには「世を經(おさ)め、民を濟(すく)う」の意。
略して「經濟」(経済)ともいうが、主として英語の「economy」の訳語として使われている今日の用法とは異なり、本来はより広く政治・統治・行政全般を指示する語であった。以下、この記事では「經世濟民」および「經濟」の本来の用法と、その変遷について扱う。
目次 [非表示]
1 典拠
2 語義の変遷
3 参考文献
4 関連項目
典拠 [編集]

この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。
中国・東晋の葛洪の著作『抱朴子』内篇(地眞篇)には「經世濟俗」という語が現れ、經世濟民とほぼ同義で用いられている。時代がやや下り、隋代の王通『文中子』礼楽篇には、「皆有經濟之道、謂經世濟民」とあって、「經濟」が經世濟民の略語として用いられていたことがわかる。さらに後代の『晋書』殷浩伝(唐)、『宋史』王安石伝論(元)などにも「經濟」が現れるが、以上はもちろん政治・統治・行政一般を意味する用法である。清末、戊戌の政変後、従来のような儒教的教養によらず学識ある在野の有為な人材を登用するために新設された科挙の新科目「経済特科」も、この用法によるものである。
語義の変遷 [編集]

明末清初の中国で発展した考証学者による「経世致用の学」の影響を受け、江戸時代の日本でも儒学者などによる同種の「経世論」(経世済民論)が盛んに行われた。この「経世論」の代表的著作の一つで日本で初めて「經濟」の語を書名とした太宰春台『経済録』(18世紀前半)は、「凡(およそ)天下國家を治むるを經濟と云、世を經め民を濟ふ義なり」としており、この頃の「經世濟民(經濟)の學」は今日でいう経済学のみならず政治学・政策学・社会学などきわめて広範な領域をカバーするものであった。
しかし江戸後期に入って次第に貨幣経済が浸透すると「經濟」のなかでも「社会生活を営むのに必要な生産・消費・売買などの活動」という側面が強調されるようになり、19世紀前半の正司考祺『経済問答秘録』に「今世間に貨殖興利を以て經濟と云ふは謬なり」とあるように、(考祺は批判的に指摘しているものの)今日の用法に近い「經濟」が普及していた。以上のような用法の変化は、明・清代の中国の俗語において、金銭・財務に関連する(古典的用法と異なる)用法が広まったことの影響とする杉本つとむの見解もある。
明治期になり欧米から近代的経済学が導入されると、神田孝平『経済小学』などにより、「經濟」もしくは「經濟學」が英語の「political economy」の訳語として用いられるようになった。この結果、經濟(経済)は、従来からの「貨殖興利」という用法もあいまって、economyの訳語として理解されるようになり、「民を済ふ」という規範的な意味は稀薄となった。また、この新しい用法は本来の意味の「經濟」という語を生み出した中国(清)にも翻訳を通じて逆輸出され、以後東アジア文化圏全域で定着した。


クルーグマンマクロ経済学
ポール・クルーグマン
東洋経済新報社

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経済学を独習するなら/クルーグマン ミクロ経済学

2009年07月07日 | 谷本歩実柔道一本勝負
昨年から、ノーベル経済学賞の選定基準は新自由主義の賞賛から批判に転換した。
もちろん、選定基準の転換にかかわらず、クルーグマンの著作はすばらしい。
そして、クルーグマンはオバマ氏を経済理論の側面から応援し、その勝利に貢献した。

クルーグマン ミクロ経済学
ポール クルーグマン,ロビン ウェルス
東洋経済新報社

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君よ知るや鴨川ホルモー/21世紀の青春小説

2009年07月07日 | 名犬ミミポ
帝大の学生であった川端康成が伊豆の踊り子を書いたように、京大の学生であった万城目 学はホルモーを書いた。
この不思議な明るさは就職の心配を考えなくてよかったからか。
とにかく、大学を就職予備校として活用するのではなく痛快に楽しんでいる。
巨大都市東京では東大といえども今では予備校化しているのだろう。
京大は、それに遅れているのか進んでいるのか、それとも、そっちの方面は阪大に任せているのか。
すでにノーベル物理学賞は名大と京産大に任せているらしい。

鴨川ホルモー
万城目 学
産業編集センター

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37 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
橙色のリュックサック
表紙を見ただけでも、うふふと笑ってしまう。京都在住経験者には、どこの景色が一目で知れることだろう。京大出身の作者による、京大生を主人公とする、京都が舞台の物語。
葵祭のバイトに始まり、祇園祭を経て、気づけば吉田神社で奉納舞。十人の大学生が集められて挑まされるのは、大学対抗のある競技。対戦するは、京大青竜会、京産大玄武組、立命館白虎隊、龍大フェニックスの4チーム。野球でもなければ、ラグビーでもない。さて、ホルモーとはなんぞや?
ホルモーがなにゆえ始まり、続くのか? 主人公達は謎の起源に迫るのでもなく、謎の解体を図るのでもない。巻き込まれて、盛り上がる。訳がわからなくても、わからないままに、続いていくもの。ホルモー自体が一つのお祭りのようなものである。伝統は続けることに意義がある、的な。...
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投稿日: 2007/3/8 投稿者: 香桑

› その他の星5つ, 星4つのレビューを見る
18 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
擬似学生体験
よくも悪くも京大色いっぱいの小説です。
ファッション感ゼロの帰国子女という友人や増上慢の法学部男の設定がいかにもで,きっと吉田のキャンパスはこんな雰囲気なのだろうなと楽しみながら読みました。
京都+学生+青春を期待して読む人は楽しめて,
京都+式神+対決 を期待するとその薄さに物足りなさをおぼえるでしょう。

もう少し流れの調節がうまかったら充足した読後感がえられたのでしょうが,話の展開が序破急でいうと序序序序序急という感じで,ちょっと唐突で小説としてはもうちょっと手入れがいるかなと感じました。
でも,個人的な感想では,18才で吉田キャンパスに受験に行って,学生生活はおくれなかった身なので,もしもを想像してとっても楽しい擬似学生体験でした。

D90よりも軽く小さく扱いやすい/Nikon D5000 ダブルズームキット

2009年07月07日 | 谷本歩実柔道一本勝負
20 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 扱いやすい機体です, 2009/5/2
By corundum "corundum" - レビューをすべて見る
値段は大差のないニコンD90と迷った末、此方を選びました

下開きのバリアングル液晶に不安を感じてましたが、実際使ってみると横開きより自然に使えます
特に縦に構えたときは全く違和感有りません
三脚やブラケットをつけた場合は下向きに180度開くことは出来ないので使い勝手は制限されますが、下向き90度まで開いて捻る等それなりに利用できます。

購入前の比較にニコンショールームで確認したところ
基本の撮影能力は1ランク上のD90と全く一緒、AFの速度も一緒とのこと(ニコンショールームの人談)
同じレンズをつけて手に取るとD90に対しカタログ値以上に軽く感じます
全体的に小振りでD90では手に余るけどこれだと丁度収まり、小柄な男性や女性だと使い勝手がイイかと思います。
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11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 ニコンファンにはおすすめ!, 2009/5/1
By rai009 - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)
EOSKISSX3の対抗と思われるのが本機。

画素1230万でAF11点、Dムービーが使えるという点ではD90と同等。違いとしましては液晶部分が2,7型で約23万ドット、連続撮影速度が秒間4コマ、D90が3型で約92万ドット、秒間4,5コマというくらいなので、お写真としましてはそこまで変わりませんのでよっぽどの液晶画面と連射に高性能を求めない限りこちらの方がお値段的にも良いかと思います。
Nikon デジタル一眼レフカメラ D5000 ダブルズームキット D5000WZ

ニコン

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99800 エコポイント対象 byd:sign 42地上BS110CSハイビジョン

2009年07月07日 | ふたりの真希
ついに、42インチの液晶テレビが10万円台で買えることになった。
エコポイントを考えれば7万円台である。
細かなことを気にしなければパソコンモニターとしても使える。
映像回路もシンプルな分、破綻が少なく安定している。
ただし、故障には注意しよう。

【エコポイント対象商品】 byd:sign 42型地上・BS・110度CSデジタルフルハイビジョン液晶テレビ LF-4204DBA
バイ・デザイン
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価格: ¥ 99,800 +特別配送料¥ 2,500

【エコポイント対象商品】 byd:sign 42型地上・BS・110度CSデジタルフルハイビジョン液晶テレビ LF-4204DBA

バイ・デザイン

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デンジャラス(紙ジャケット仕様) [Limited Edition]

2009年07月07日 | 谷本歩実柔道一本勝負
ゼネラル・モータスGMが倒産した年に、マイケルが亡くなったのではない。
マイケル・ジャクソンが死んだ年にGMが倒産したのだ。
世界中の、誰もキャデラックをほしがってはいない。
ほしいのは、マイケルのアルバムなのだ。

デンジャラス(紙ジャケット仕様)

SMJ

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