フネドブガイの生息地に行って来ました!
三面護岸の幅1m程の小さな用水路で水深は浅い所で5㎝から深い所で30㎝程となっていました。
3㎝程度の若い貝が確認出来たので再生産されているのだと思います!
8㎝クラスの老成個体は黒みがかって貫禄がありますよね(笑)
水深10㎝程度で大雨の時にしか水が流れ込まないだろうと思われる桝にも複数匹生息していました。
桝にはミズカマキリとタイコウチも居ました。
トウキョウダルマ…ではなくトノサマガエルです。
フネドブガイと他のドブガイ類との簡易的な見分け方をフォロワーさんに教えて頂きました!
フネドブガイ
ヌマガイ
自宅から余裕で100km以上距離があるので
、決して近場とは云えませんが…淡水二枚貝のマイナー種は気になるので要チェックといきましょう!
↑フネドブガイとは何ぞや?と思う人は前回の記事をお読みください。
三面護岸の幅1m程の小さな用水路で水深は浅い所で5㎝から深い所で30㎝程となっていました。
フネドブガイは砂と泥が混じって堆積した場所に潜り込んでいました。泥しか無い場所やコンクリむき出しの場所は好まないようでそのような場所では見かけませんでした。
水管が良い味出してます(笑)
生きた貝は26個体確認出来ました。
プラ舟で繁殖させてみたいので2個お持ち帰りしました。元々自宅に居るものと合わせれば4個体になるので上手く殖えて欲しいです。
3㎝程度の若い貝が確認出来たので再生産されているのだと思います!
とは云えフネドブガイの生息が確認出来た場所は局地的でしたので、経過観察は欠かせないです。
生息地が狭い範囲で限られていると河川工事や災害によって、いとも容易く地域絶滅してしまう危うさがありますからね…だから二枚貝に限らず、生息調査は大事ですね。
8㎝クラスの老成個体は黒みがかって貫禄がありますよね(笑)
これより大きなものは見かけなかったので多分、MAXサイズなんだと思います。
水深10㎝程度で大雨の時にしか水が流れ込まないだろうと思われる桝にも複数匹生息していました。
二枚貝にとっては劣悪な環境に思えますが、うちのプラ舟でも長期飼育出来ているくらいですので、温度変化や酸欠には間違いなく強いと思いますね。
イシガイ科の二枚貝が全国各地で数が減って居るのは様々な要素があるのだと思います。
・コンクリート護岸工事により砂や泥が押し流され潜り込めず、居場所を確保出来ない
・その工事により生コンクリートや土砂が二枚貝のエラに詰まり、窒息死
・アライグマやヌートリア等の捕食圧
・タイワンシジミとの競合
・トリコによる採集圧
パッと思いついた限りで原因を書き出して見ました。
イシガイ科の二枚貝の繁殖形態も災いしていますね…
繁殖形態について話を掘り下げるとかなり長い説明になるし、読者が飽きると思うので、参考になりそうな論文のリンクだけ貼っておきます(^^;
https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=http://scholar.google.co.jp/scholar_url%3Furl%3Dhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/ece/11/2/11_2_195/_pdf%26hl%3Dja%26sa%3DX%26scisig%3DAAGBfm24bOCSSp_9kf79lzL39flYQMWbpg%26nossl%3D1%26oi%3Dscholarr&ved=2ahUKEwif4M353urkAhUHBKYKHeTHAEgQgAMoAnoECAEQBA&usg=AOvVaw3MwgOcKn3LgqK1-Gouly_5&cshid=1569372221864
↑指標・危急生物としてのイシガイ科二枚貝
https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=https://www.jstage.jst.go.jp/article/venus/75/1-4/75_55/_pdf&ved=2ahUKEwik_rrL3-rkAhV6y4sBHWePAkoQFjAAegQIARAC&usg=AOvVaw1O48ysl8aRRnOl5v7iLo5H&cshid=1569372468223
↑イシガイ科4種(フネドブガイ含む)の宿主利用状況
↑イシガイ科4種(フネドブガイ含む)の宿主利用状況
僕も時間がある時に論文を一気読みしています(笑)イシガイ科の仲間は生態だとか分類が奥深くて…サラッと説明するのは困難です(笑)
用水路の魚はモツゴ、トウヨシノボリ、マ(カラ)ドジョウの3種でした。これらの魚がグロキディウム(幼生)の宿主となっているのでしょう。
用水路の魚はモツゴ、トウヨシノボリ、マ(カラ)ドジョウの3種でした。これらの魚がグロキディウム(幼生)の宿主となっているのでしょう。
余談ですが、近くの湿地では某外来魚が網に入ります。
桝にはミズカマキリとタイコウチも居ました。
トウキョウダルマ…ではなくトノサマガエルです。
フネドブガイと他のドブガイ類との簡易的な見分け方をフォロワーさんに教えて頂きました!
※ヌマガイとタガイはドブガイ属、フネドブガイはフネドブガイ属のようで別種です。
・殻が明るめの色であること
・殻幅(殻の厚み)がタガイよりあること
・殻幅(殻の厚み)がタガイよりあること
・殻の付け根が真ん中辺りに来ること
このへんですね。
フネドブガイ
ヌマガイ
ヌマガイとは殻高が全然違うので見分けは容易いですね。
それとフネドブガイは殻全体に膨らみがあるのに対して、ヌマガイは殻の付け根のみに膨らみがあります。
一方、フネドブガイとタガイは殻高が同じくらいだと思いますので、殻幅と膨らみも有効な同定ポイントになりえるようです。
こんなこと書いて恐縮ですが、僕自身はタガイの実物を見たことがありません。東京住みの人間はイシガイ科の二枚貝を観察する機会になかなか巡り逢えませんね。残念ながら…都内に生息する淡水二枚貝と云えば専らタイワンシジミです…
見分けは容易と書かれているのに、さっぱり解らん私って・・・
二枚貝は苦手かも・・・(爆
画像だと立体感が無いので同じに見えてしまいますが、実物は殻の形や厚みがけっこう違っていて面白いですよ(笑)フネドブガイは豊橋市内でも見つかっているようなので是非調査を…(笑)
淡水二枚貝は機動力に乏しく、おそらく水質の変化にも敏感なので、少しの環境変化でも大きなダメージを被ることも多いと思います。それでもこちらのフネドブガイは三面コンクリートの水路で、健気に命を繋いでいるようですね。
暖かく見守ってくださいね。
こちらの話をすると、昔(戦前とか)は、カワシンジュガイがたくさん棲息していたそうですが、現在は壊滅状態です。
労いのお言葉ありがとうございます。
仰せの通り二枚貝は機動力に乏しいので環境の変化に弱いですし、サケ類と同所的に生息するカワシンジュ貝は水質・水温に敏感ですよね。
ドブガイ類は比較的、暑さや酸欠に強いので平地の池や用水路で生き永らえるようです。
サンショウウオ然り、かつては沢山居たはずの生き物が居なくなってしまうのは胸が痛みます。
イシガイ科の二枚貝に興味を持ってくれる人が1人でも増えたら良いなと思い、弊記事を書きました。
誠実に丁寧に生き物に向き合ってる様子は
読んでいて清々しくなります。
こんなブログがたくさん増えたらいいな!
写真もすごく美しくなってますね。
入出水管の形もよく見えて、とても参考になります。
お褒めのお言葉ありがとうございます。
私魚人さんのブログに刺激を受けて、生き物の魅力であったり、それを取り巻く環境に目を向ける大切さを伝えて行こうと思うようになりました。ただ単に「◯◯が捕れました」だけでは寂しいですからね…
魚でもカエルでも淡水二枚貝でも興味を持ってくれる人が増えてくれたら良いなと思います。水管はイソギンチャク感があって何かそそられます…(笑)