家庭用品の危険シリーズ ■電子たばこ/居間
電子たばこは蒸気に高濃度の有害物質ホルムアルデヒドを含み安全ではない
早く規制しないと中高生の喫煙や危険ドラッグへの誘引・誘発の恐れ
喫煙のイメージ
■電子たばこはニコチンが含有されてなくても危険性は高い
「電子たばこ」は欧米で急増しており、日本でも広がりを見せています。健康のために禁煙目的の人の購入が主ですが、たばこを吸わない人もオシャレ感覚で買う傾向にあります。電子たばこは長さ10数cm程度の筒状で、電池・変霧器・カートリッジなどで構成されます。カートリッジ容器に液体(リキッド)を入れ、充電式電池によって変霧器で液体を加熱気化し、蒸気にして吸う仕組みです。一般のたばこより多い煙(蒸気)を出すので、あなたの周辺にそんな人がいれば電子たばこです。
電子たばこは、「ニコチン入りではないから安心」なことが受けています。リキッドは甘い香りが多く、香りの種類はバニラ・チョコ・コーヒー・アップル・バナナ風味など世界的には8,000種もあるそうです。しかしリキッドにはニコチンが入っていなくても、気化された蒸気から発ガン性がある有害物質のホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどが高濃度で検出されました。リキッドによっては、紙巻たばこの10倍以上ものホルムアルデヒドが検出された製品もあるので、安心できません。
ご存じのように、ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因物質です。あるいは液体成分そのものは毒性が低い製品でも、加熱することによって有害物質が発生します。日本禁煙学会では、蒸気を吸うことによって口腔(こうくう)粘膜に作用し、口腔ガンを引き起こす恐れがあるとしています。また急性毒性も強く、吸い込めば呼吸器系に多大な影響を及ぼします。リキッドは、大半が中国の粗悪な成分で作られている不安も残ります。従って、電子たばこは危険なものと認識すべきです。
電子たばこは香港で開発・販売され、欧米に広がりました。WHO(国際保健機関)は、世界中に急拡大する市場に警戒感を強めています。規制がないまま電子たばこが普及すれば長年の喫煙防止の取り組みが無に帰す、またニコチン含有の有無に関わらず有害物質が人体に影響を及ぼすとしています。そのため、屋内の使用禁止と未成年への販売禁止を求めました。日本はニコチン入り製品が規制されているため、ニコチン入りのリキッドは販売されていません。
■電子たばこの危険性を知らない家族や職場に甚大な影響も
調査によると、米国の中高生の電子たばこの経験者は6.6%、韓国は約10%もいます。米国は、既に18歳未満への販売を禁止しました。しかし日本では、法律的に中高生への規制ができないのが実情です。青少年がノンアルコールビールを常習すると、たちまち飲酒へ誘引されます(業界は販売を自主規制)。同様に電子たばこも、中高生に喫煙習慣を付けやすい傾向が報告されています。そのため厚労省は検証した結果、有害性を認識し何らかの販売規制をする必要性があるとしています。
一方、紙巻たばこのニコチンの有害性に比べ、電子たばこの発ガン物質の危険性は少ない見解も見受けます。今後、紙巻たばこのニコチンによる悪影響と、電子たばこの有害物質の比較が論議されることになるでしょう。しかしどちらも健康や身体に悪影響を及ぼすため、「比較の論議」は本末転倒です。また電子たばこは、禁煙支援にはならない見解もあります。本人だけの問題では、済まされません。電子たばこの危険性を知らなければ、家族(特に妊婦・子供)や喫煙可職場への影響が大です。
専門家は、電子たばこによる薬物の吸引習慣が身についてしまうと、『危険ドラッグ』への誘発に繋がると危惧します。「危険ドラッグ」は規制が遅れたため、推定では対象者が40万人と言われています。何の落ち度もない人が殺されたり、重い怪我を負っています。厚労省は今頃になって、電子たばこに対して重い腰を上げましたが、「危険ドラッグ」と同様に遅きに失しています。「危険ドラッグ」の二の舞、あるいは「危険ドラッグ」への誘発にならぬよう、政府は必死で対策して欲しいものです。
■■危険への対策■■
禁煙したい方は、電子たばこの危険性を知って使用をやめましょう。
家族や会社も、第三者が有害物質の影響を受けることを認識すべきです。
そのためには、政府も民間企業は電子たばこの危険性を啓蒙して欲しいものです。