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羽田新ルートに国際航空運送協会・操縦士協会も急降下の変更を国交省に要請/少数派

2020年03月25日 | 羽田新飛行ルート
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/羽田新飛行ルート
都心を低空で離陸・着陸を繰り返す羽田新ルートは許されない!9
羽田新ルートに国際航空運送協会・操縦士協会も急降下の変更を国交省に要請

M20200324j 最下段に書籍説明あり

■IATAは着陸時3.45度の着陸降下角度の危険に強い懸念を抱くと指摘
羽田新飛行ルートの重大問題9回目です/20年3月29日からの運用が予定されている羽田新飛行ルートを巡り、世界の約290の航空会社(日本はANA・JALなど)が加盟するI ATA(国際航空運送協会)と、約100の国と地域から10万人のパイロットが加盟するI FALPA(国際定期航空操縦士協会連合会)が、国交省の赤羽大臣に対し通常の3.0度から3.45度の急角度になる着陸方法の変更、見直しの要請書を提出したことが分かりました。「世界の空港に例のない特別な操縦技術を求められる」として、危険性を指摘・警鐘しています。スキー・スノボーをされる方はどうってない角度ですが、パイロットにとっては3.0度から3.45度への変更はジェットコースターの急降下に等しいと言います。パイロットのほとんどが経験したことのない難しい着陸角度が、大都会の真ん中で行われようとしているのです。着陸失敗の危険性、墜落、尻もち事故の恐れも考えられ、羽田新ルートはただちに撤回させなければなりません。

M20200324k 画像15・着陸角度の比較

■世界の大規模な空港で「この角度で飛んでいるパイロットはいない」
東京新聞2020.3.4付・第1面記事/I ATAでアジア太平洋地域の安全施策責任者を務めるブレア・コールズ氏や加盟する米デルタ航空のパイロットらが、1月、東京・霞が関の国交省を訪問し担当者と会談。新ルートで好天時に設定された3.45度の着陸に、「強い懸念を抱いている」と伝えた。国交省は航空機の着陸角度を通常の3.0度より急にした理由を、都心上空を通る新ルートで地上との距離を確保し、騒音を軽減するためとしている(投稿者補足1:下記参照)。国交省に対して、I ATA側は着陸角度を緩やかにするように求めた。大型機が頻繁に着陸する世界の大規模な空港で、「この角度で飛んでいるパイロットはいない」と説明。新ルートの運用時間である午後3時から7時の間には、羽田に不慣れな外国のパイロットも多く利用するとして、長距離を飛行後に混雑の中を着陸する羽田特有のリスクがあると伝えた。

騒音軽減は真っ赤な嘘(投稿者補足1)/3.45度の着陸にする理由を、国交省は騒音の軽減と言っているがこれは真っ赤な「嘘」です。詳しくは後号で説明しますが、着陸ルートの最終進入点(さいたま市・戸田市など)が米軍の「横田空域」であることです。空域内の米軍機との接触を回避するために、高度3800フィート(約1160m)以上にする必要があります。米軍機との高度差を設けるため、その高さから羽田空港着陸を割り出した降下角度が3.45度という訳です。騒音軽減の効果は、ほとんどありません。国民の安全よりも米軍を優先する日本政府の姿勢が、3.45度の本当の理由です。

国交省が主張する騒音軽減についても、I ATAは「効果はほとんどない」と指摘。2月に行われた実機検査で同省が測定した値では数デシベルの差しか認められず、港区の高輪台小学校で3.0度よりも3.45度の着陸の方が騒音が大きい例もあった。パイロットの操縦や風向きなどの要素が影響するためだ。I ATAの要請に対応した同省航空局の渡辺泰文航空管制調査官は、本紙の取材に「要請とは捉えていない。3.45度の着陸の安全性は確認されており、騒音軽減効果が認められる対策は全て取る必要がある」と述べた。同省は、羽田を利用する全ての航空会社を対象に着陸技術に関する説明会を開いた。急角度の着陸で機体が不安定になる場合があることを認めつつも、その場合は着陸のやり直しや、やり直しに備え燃料をあらかじめ多く搭載するように航空会社に求めた。

■3.45度にする真の狙いは「横田空域の米軍機を優先させる日本政府の方針」
しんぶん赤旗日曜版記事/I FALPAは文書で、急角度の降下では対地接近警報装置(GPWS 投稿者補足2:下記参照)の警報が作動する危険を指摘しています。I FALPAが、巨大国際空港の進入方式に注意喚起をするのは異例なことです。夏に気温が40度近くまで上昇することから、進入角度が3.8度近くに達すると警告しています。これは気温によって、高度計が示す高度が異なることから生じるもの。3.8度近い降下角を、「ほとんどのパイロットが今まで経験したものとは大きく異なる」と指摘。国連のICAO(国連の国際民間航空機関)の「推奨する方式に沿ったものではない」とも強調しています。2月の実機飛行確認(試験飛行)では、羽田に行くはずのエア・カナダ機が目的地を変更して成田空港に着陸。米デルタ航空は「パイロットの訓練などの準備不足」を理由に試験飛行を見送りました。

同紙から航空評論家・杉江弘氏 「警報装置を鳴らして着陸か!
『3.5度は、どのパイロットでも未経験の角度です。さらに猛暑の夏は気温の関係で、航空機がより高い高度を飛ぶので、実際の降下角は3.8度近くになる。急角度の着陸操作によってGPWSが警報を鳴らす可能性を指摘。GPWSは、安全運航の最後の砦だ。操縦士は直ちに危機回避のための着陸をやり直さないといけない。警報を無視した着陸は無謀というほかない。降下角が大きいほど航空機は減速しにくくなる。特に大型機は慣性力が強く、尻もち事故やハードランディングになる恐れがある。』

GPWS警報装置作動の恐れ(投稿者補足2)/Ground Proximity Warning System  映画の操縦席シーンなどでお馴染みのように、航空機が地表に異常接近した場合に警告灯の点灯と、「上昇せよ(Pull Up)」など大きな音声による警報が出されます。

『I FALPAが指摘する急降下による事故を防ぐため、日本の航空会社には「スタビライズド・アプローチ」(安定的な進入)という運航規程がある。これは例えれば憲法のようなもので、規定のおかげで過去25年ほど日本の航空会社による大きな着陸事故は1度も起きてない。各社の運航規程は、国交省も認可している。従って3.45度の着陸は運航規程違反になる場合があることが分かっている。各社に違反をさせる国交省は、安全軽視といわれて当然だ。羽田の再国際化は、日本政府の意向(投稿者補足3)。住民の同意もないまま、リスクを負わせる計画は白紙に戻すべきだ。』

増便の真の目的(投稿者補足3)/東京オリンピックのため、外国人観光客増加のための増便というのは後付けで、安倍内閣の「企業が世界で一番活躍しやすい国」を謳い、東京にヒト・モノ・カネを集め、世界ビジネス目当ての一極集中をさらに進めるものです。つまり羽田増便は強引な政策遂行と引き換えに、都民・首都圏の人々の命が危ぶまれることさえもいとわないものです。住民・搭乗客・パイロットの命さ奪いかねない羽田新ルートは、撤回すべきです。事故が起きたら、取り返しがつきません。

■書籍ご紹介 緊急出版
「パイロットは知っている 羽田増便・都心低空飛行が危険なこれだけの理由」

共著 杉江 弘  航空評論家/元日本航空機長
    山口宏弥 元航空労組連絡会議長/元日本航空機長
合同出版 2020.2.20 第1刷発行  111ページ  本体1000円+税

羽田増便計画が引き起こす5つの大問題とは?  ぜひお読み下さい。

Sankoub
前号/8・羽田新ルート試験飛行調査◇騒音・威圧感は想定を越え深刻さ懸念浮き彫りに

Ntopkeiji

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