少数派シリーズ/羽田新飛行ルート
都心を低空で離陸・着陸を繰り返す羽田新ルートは許されない!8
羽田新ルート試験飛行調査◇騒音・威圧感は想定を越え深刻さ懸念浮き彫りに
都心着陸ルート・左下が都庁/しんぶん赤旗日曜版より
■耐え難い騒音・会話が中断・威圧感・保育園児が泣き出した等の報告
羽田新飛行ルートの重大問題8回目です/羽田空港増便のため20年3月29日から有無を言わせず、政府が運用しようとする羽田新飛行ルートの前提とした、実際に旅客機を飛ばせる「実機飛行確認」が1月30日から2月12日まで行われました。都心着陸ルート2本(南風時)、荒川離陸ルート(北風時)、川崎コンビナート離陸ルート(南風時)のルートで、やはり重大な問題が明らかになりました。第1は、何といっても「騒音」。国交省が想定した最大値を超える機体の騒音(デシベル)が測定されたことです。具体的には下記に上げていますが、港区や品川区では89デシベル、川崎コンビナートの工業地帯では94デシベルにも達しました。これが2~3分おきに起き、生活破壊に他なりません。国交省は、騒音測定局を従来の16から32か所に増設し監視・対策すると言っています。しかしパイロットの操縦は常に安全を最優先、あるいは降下中はエンジン出力を上げ下げして調整するので、騒音低減を意識して飛んでいる訳ではないのです。
第2は、「威圧感」です。JR大井町駅上空での飛行高度は約300m、ビルにぶつかりそうな高度に見えます。TV情報番組では紹介されていますが、実際の目視ではもっと緊迫した状態に感じます。下記の騒音・威圧感の感想は一部の聴取しか取れておらず、実際にはかなり大勢の方が恐怖の実感をされていると思われます。第3は調査では現れていませんが、「落下物」の恐怖です。部品落下もさることながら、日常的に起こることは、着陸時に車輪を出すことによって「氷塊」落下が避けられないことです。従来は東京湾上だったので、被害はありませんでした。成田空港では、九十九里浜手前の海上で車輪を出す手順になっています。車輪は、概ね高度1000m前後で出します。すると羽田新飛行ルートでは、都庁・新宿ビル群の地域(写真参照)に「氷塊」が落下する危険があるのです。これらは住民が負う危険性であって、飛んでいるパイロット・乗客の危険性は後号でお伝えします。とにかく数えたらキリがない危険性を抱えた羽田新飛行ルートを進める政府・国交省・東京都に、強く抗議し今からでも取りやめをさせないと重大な事故が起こり得ます。
画像13・飛行高度と建築物との距離
■試験飛行調査|(一部例)~暮らしを脅かす騒音・圧迫感、重大な事態に
荒川離陸ルート(北風時) 下図④/総飛来機数は502機、江戸川区・小学校では79デシベル
江東区・大島9丁目の都交通局大島総合庁舎に設置された騒音測定器では、7日間でうち323回の騒音を観測。最大値は77デシベル、小型機でも最大値は71デシベル。離陸機が飛来すると2分弱に1機(午前7~11時半、午後3~7時)。「ひっきりなしに非常にうるさく耐え難い」 「上から抑え込まれる感じ」 「窓を開けて生活できるか心配」 「TVの音が聞きづらい」などの声。江戸川区・第5葛西小学校の測定器では最大79デシベル、近くを歩いていた小学生と女性のすぐ真上を轟音とともに旅客機が通過。あまりの騒音と機体の大きさに驚き、子供との会話が中断した」。
都心着陸ルート(南風時) 下図①②/品川区大井町駅では最大89デシベル
上空300mを着陸機が降下する品川区大井町では最大89デシベルを計測。地下鉄の車内以上の轟音に、駅前を通り掛かった人達が思わず上空を見上げる。巨大な機体が上空を通過する様に、「さすがに怖い」。「轟音によって保育園児が怖がり、なかなか泣きやまない」という報告もされている。また「うるさくて仕事に集中できない」、視聴覚障害者の方から「信号の音が聞こえない」など、深刻なことが発せられています。
川崎コンビナート離陸ルート(南風時) 下図③/川崎市川崎区殿町は最大94デシベル
川崎コンビナート上を超低空で離陸機が飛ぶ川崎区殿町では、最大94デシベルを記録。「家の中まで音と振動がすごい」と言います。殿町は原油や液化天然ガスなどのタンク、パイプラインがひしめくコンビナートに隣接しています。コンビナートで働く方は、「事業所では地震・津波・火災の時の対処は訓練しているが、航空機墜落時の対処は想定されていない」と不安を口にしています。
追記2020.3.25/国交省は実測した騒音値を発表、想定値より上回った箇所が2割、想定通り6割、下回る箇所が2割でした。上回るのは問題です。
画像14・4つの羽田新飛行ルートと米軍の横田空域のごく一部(左側の斜線)
●一般的な騒音のレベル(例)
80デシベル 走行中の電車の車内・パチンコ店内 うるさい 大声を出して聞こえる 0.3~1m
90 カラオケ店・騒々しい工場の中 極めてうるさい 会話はほとんど不可能
100 電車が通るガード下と地下鉄構内 :
次号/9・羽田新ルートに国際航空運送協会・操縦士協会も急降下の変更を国交省に要請
前号/7・羽田新ルート・荒川試験飛行!毎機2分続く騒音がタワマンへ反響することを確認
都心を低空で離陸・着陸を繰り返す羽田新ルートは許されない!8
羽田新ルート試験飛行調査◇騒音・威圧感は想定を越え深刻さ懸念浮き彫りに
都心着陸ルート・左下が都庁/しんぶん赤旗日曜版より
■耐え難い騒音・会話が中断・威圧感・保育園児が泣き出した等の報告
羽田新飛行ルートの重大問題8回目です/羽田空港増便のため20年3月29日から有無を言わせず、政府が運用しようとする羽田新飛行ルートの前提とした、実際に旅客機を飛ばせる「実機飛行確認」が1月30日から2月12日まで行われました。都心着陸ルート2本(南風時)、荒川離陸ルート(北風時)、川崎コンビナート離陸ルート(南風時)のルートで、やはり重大な問題が明らかになりました。第1は、何といっても「騒音」。国交省が想定した最大値を超える機体の騒音(デシベル)が測定されたことです。具体的には下記に上げていますが、港区や品川区では89デシベル、川崎コンビナートの工業地帯では94デシベルにも達しました。これが2~3分おきに起き、生活破壊に他なりません。国交省は、騒音測定局を従来の16から32か所に増設し監視・対策すると言っています。しかしパイロットの操縦は常に安全を最優先、あるいは降下中はエンジン出力を上げ下げして調整するので、騒音低減を意識して飛んでいる訳ではないのです。
第2は、「威圧感」です。JR大井町駅上空での飛行高度は約300m、ビルにぶつかりそうな高度に見えます。TV情報番組では紹介されていますが、実際の目視ではもっと緊迫した状態に感じます。下記の騒音・威圧感の感想は一部の聴取しか取れておらず、実際にはかなり大勢の方が恐怖の実感をされていると思われます。第3は調査では現れていませんが、「落下物」の恐怖です。部品落下もさることながら、日常的に起こることは、着陸時に車輪を出すことによって「氷塊」落下が避けられないことです。従来は東京湾上だったので、被害はありませんでした。成田空港では、九十九里浜手前の海上で車輪を出す手順になっています。車輪は、概ね高度1000m前後で出します。すると羽田新飛行ルートでは、都庁・新宿ビル群の地域(写真参照)に「氷塊」が落下する危険があるのです。これらは住民が負う危険性であって、飛んでいるパイロット・乗客の危険性は後号でお伝えします。とにかく数えたらキリがない危険性を抱えた羽田新飛行ルートを進める政府・国交省・東京都に、強く抗議し今からでも取りやめをさせないと重大な事故が起こり得ます。
画像13・飛行高度と建築物との距離
■試験飛行調査|(一部例)~暮らしを脅かす騒音・圧迫感、重大な事態に
荒川離陸ルート(北風時) 下図④/総飛来機数は502機、江戸川区・小学校では79デシベル
江東区・大島9丁目の都交通局大島総合庁舎に設置された騒音測定器では、7日間でうち323回の騒音を観測。最大値は77デシベル、小型機でも最大値は71デシベル。離陸機が飛来すると2分弱に1機(午前7~11時半、午後3~7時)。「ひっきりなしに非常にうるさく耐え難い」 「上から抑え込まれる感じ」 「窓を開けて生活できるか心配」 「TVの音が聞きづらい」などの声。江戸川区・第5葛西小学校の測定器では最大79デシベル、近くを歩いていた小学生と女性のすぐ真上を轟音とともに旅客機が通過。あまりの騒音と機体の大きさに驚き、子供との会話が中断した」。
都心着陸ルート(南風時) 下図①②/品川区大井町駅では最大89デシベル
上空300mを着陸機が降下する品川区大井町では最大89デシベルを計測。地下鉄の車内以上の轟音に、駅前を通り掛かった人達が思わず上空を見上げる。巨大な機体が上空を通過する様に、「さすがに怖い」。「轟音によって保育園児が怖がり、なかなか泣きやまない」という報告もされている。また「うるさくて仕事に集中できない」、視聴覚障害者の方から「信号の音が聞こえない」など、深刻なことが発せられています。
川崎コンビナート離陸ルート(南風時) 下図③/川崎市川崎区殿町は最大94デシベル
川崎コンビナート上を超低空で離陸機が飛ぶ川崎区殿町では、最大94デシベルを記録。「家の中まで音と振動がすごい」と言います。殿町は原油や液化天然ガスなどのタンク、パイプラインがひしめくコンビナートに隣接しています。コンビナートで働く方は、「事業所では地震・津波・火災の時の対処は訓練しているが、航空機墜落時の対処は想定されていない」と不安を口にしています。
追記2020.3.25/国交省は実測した騒音値を発表、想定値より上回った箇所が2割、想定通り6割、下回る箇所が2割でした。上回るのは問題です。
画像14・4つの羽田新飛行ルートと米軍の横田空域のごく一部(左側の斜線)
●一般的な騒音のレベル(例)
80デシベル 走行中の電車の車内・パチンコ店内 うるさい 大声を出して聞こえる 0.3~1m
90 カラオケ店・騒々しい工場の中 極めてうるさい 会話はほとんど不可能
100 電車が通るガード下と地下鉄構内 :
次号/9・羽田新ルートに国際航空運送協会・操縦士協会も急降下の変更を国交省に要請
前号/7・羽田新ルート・荒川試験飛行!毎機2分続く騒音がタワマンへ反響することを確認