魚を大事にしない日本人シリーズ R1-19
ROUND1 江戸前から繋がる世界の海 Part3豊洲新市場の危険性(移転すべきではない)
「築地に市場は作らない」突然の小池都知事発言は都民・業者を騙し討ち
提供:東京都中央卸売市場/HPに複製承認表記あり
■都知事の「本音」は食品の安全や築地市場の再生に全く関心がない
豊洲移転の問題点に対し、シリーズで連載して参りました。今回でひとまず連載は終了しますが、移転後も安全性など問題が山積しているので、しばらくして投稿を再開せざるを得ないでしょう(苦)。さて残念ながら、多くの水産関係者・飲食店、都民の猛反対を無視し、強引な小池都知事によって、2018年10月11日に築地市場から豊洲市場への移転が実行されます。今なお直近の土壌検査でも、ベンゼンなど環境基準の100倍以上の有害物質が検出、10か所以上の場内舗装の亀裂が見つかり、追加対策でも専門家が「安全性が保たれない」との指摘が出されています。にも関わらず小池都知事は、食の安全・安心の保証・根拠もないまま「安全宣言」の声明を発してしまいました。かつて都議会の自民党・公明党は「無害化」を前提に豊洲移転を議決しましたが、それさえも反故にして小池都知事の方針に従い、豊洲移転を推進する暴挙に出たのです。
都知事は以前から、「築地は守る、豊洲は活かす」と“言語明瞭・意味不明”な発言を繰り返していたのはご存じの通りです。一旦、豊洲へ移転するも、東京オリンピックが終了次第、築地市場を再整備した上で、5年後に築地に業者を戻す約束を示していました。ところがこれも変遷し、「築地は食のテーマパーク」にすると言い変わってしまいました。さらには挙句の果てに、「築地に市場は作らない」と、驚くような発言が飛び出したのです。築地再開発の中身が、全く魚河岸ではなくなってしまいます。これは市場業者・都民を騙し討ちしたもので、都知事が食品の安全や築地市場の再生に全く関心がない「本音」を曝(さら)しました。この発言・態度に、業者や都民は激しい怒りをぶつけています。
2019.1追記/都は、国際会議場・高級ホテル・大規模集客・交流施設等にすると発表。市場機能は、一切盛り込んではいない。明らかな公約違反・約束違反です。
■築地を再構築(全面建替)し豊洲は市場を取りやめ巨大物流センターにせよ!
やはり想像していたように、築地継続か豊洲移転かで揺れていた際の苦し紛れ・言い逃れ、口先だけだったことが明確になりました。そもそも都知事の政治姿勢を言えば、“都議会反自民”を看板にして議会運営をしていましたが、それは上辺だけのポーズで、本心は「石原都政」の継承です。希望の党時代から、都民を騙す『緑のタヌキ』(イメージカラー)、「♪小池にはまって(はめられて)、さあ、たいへん」(童謡どんぐりころころ)と揶揄されるほど、昔から信頼の置けない人間でした。切羽詰まり今になって、経済優先・都民(国民)無視の自民党体質の “素性”を現したに過ぎません。単なる選挙手法によって作り出された“百合子ブーム”に踊らされた安易な有権者は、後々の都政をチェックしないから、こんな発言を許してしまうのです。食の重要性は有権者のみならず、子供・孫世代まで及びます。流通経路をみれば、都民だけでなく全国の方々にも影響を及ぼすのです。小池都知事も、支持した有権者も無責任過ぎます。
長々と連載で、豊洲市場移転に反対して参りましたが、皆様はどう感じたでしょうか? 投稿者は市場関係者とは縁がないのですが、このシリーズにように『魚を大事にしたい』と考える一人です。もちろんよく言われる“築地ブランド”を守ることは、当然、大事ですが、健康を続けるためには「魚の摂取」が重要だからです。飲食店の方は皮肉まじりに、豊洲市場ではイメージが悪いので、“新築地市場”に改名したら?と言っています(笑)。豊洲では市場業者の利便性が悪く、採算性が極めて悪いので、早晩、行き詰まるでしょう。都民の健全な食生活を維持するためにも、東京オリンピック後に再構築(新築)し、全業者が結集すべきと考えます。豊洲は市場を取りやめ、需要が期待され都内に不足している「物流センター」への改修が相応しいでしょう。そのほうが、築地・豊洲双方の機能が果たせます。いずれにしろ豊洲は、現状のままでは廃墟化が進みます。以上、豊洲市場の問題・危険性についての投稿は、今号で一旦終了します。