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【し(な-や)】気になる言葉の辞書 P.23/54
いつも毎日新聞クロスワードサポート(気になる言葉の辞書)にお越し頂き、誠に
ありがとうございます。
●チコ情報/NHK番組「チコちゃんに叱られる」、林修情報/テレビ朝日・林修先
生の「ことば検定」、池上情報/池上彰氏のTV情報番組を参考にしたことを示す。
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【し(な-や)】
▽品書(しなが)き = 投/最近はメニューという言い方が一般的になってしまったが、和食や寿司などはお品書きが相応しい。グルメ番組やテレビCMの影響か、「一品」“いっぴん”と呼ぶ人が多くなった。昔は“ひとしな”と言い、情緒があったのだが・・・
▽死に体 = 力士の体勢が崩れて、立ち直ることが不可能になった状態。投/微妙な勝負について物言いになった場合、昔は技の流れや勢いが重要視された。昨今は精巧なカメラが駆使されることから、空中で死に体になったよりも、ややもすると身体の一部が先に土に着いたほうが負けのようになってきた。前者の判定のほうが、相撲の趣旨に合うが。
▽辞任ドミノ(秋の山寺、葉落ちる) = ドミノの牌を少しの間隔をあけて多数立てて並べ、端の一つを倒すと次々に隣りの牌を倒してゆくもの。投/「秋の山寺、葉落ちる」とは、紅葉狩り・紅葉名所のことではない。このフレーズで意味が分かった方は、政治通。「秋」葉復興大臣・「山」際経済再生大臣・「寺」田総務大臣・「葉」梨法務大臣の辞任ドミノのこと。
▽死の商人 = 軍需品を製造・販売して、巨利を得る大資本を指していう語。投/米国はウクライナを支援して大喜びなのが、米国の軍需産業の企業だ。米国を始め各国の軍需産業界は、“戦争が長引く”ことを期待する。日本でも戦後、児玉誉士夫(よしお)等が「武器商人」としてぼろ儲け、その金で自民党と結託し右翼活動に突っ走っていった。本来、日本は海外に武器を販売してはならない。しかし安倍政権は、武器を「防衛装備品」と言い換える。また防衛装備の「移転」と詭弁を使い、名称を変え海外に武器を売る。海外を相手に、”死の商人化路線“をまっしぐらだ。
▽篠突く雨(しのつく・-) = 篠竹を束ねたものが落ちてくるように、細いものが密に激しく飛んでくる。雨の激しく降るさまにいう。
▽不忍池(しのばずのいけ) = 東京、上野公園の南西にある池。1625年(寛永2)寛永寺建立の際、池に弁財天を祀ってから有名になる。蓮の名所。投/NHK「ブラタモリ」によると、かつて東京湾の入江であったが、平安時代ごろ入江が後退した際に取り残されて池となった。池を周回する道になっているのは、明治時代に行われていた明治天皇、華族、政府高官や財界人など高貴な方が対象の「上野不忍池競馬」が行われた名残。不忍池の名称は、上野台地と本郷台地(向ヶ岡)の間の地名が忍ヶ丘(しのぶがおか)と呼ばれていたことに由来、あるいは周囲に笹が多く茂っていたことから篠輪津(しのわづ)が転じたという説がある。
▽忍び返し = 塀などの上にとがった竹・木・鉄などをつらね立てた設備。盗賊などの忍び入るのを防ぐためのもの。
▽芝居番付 = 芝居興行の際、宣伝のために作られた番付。演目の題名・内容、出演者の配役・等級などを記したもの。辻番付・顔見世番付・絵本番付などがある。
▽自分 = 投/若い頃、関西へ転勤した。関西弁の二人称とは知らず、相手から「自分はどうする?」と言われ、自分は「お前だろ!」と言い返したら変な顔をされた失敗談あり。
▽姉妹校 = 笑い言葉 < 男子校でも関係を結べば姉妹校。姉妹□□などは、同じ系統に属し多くの類似点を有する2つ以上のものを指す。元々はフランス語やイタリア語などには、名詞に女性・男性の区別がある。学校や都市は女性名詞なので、英語圏では姉妹に例え「シスター・シティーズ」、「シスター・スクールズ」と呼び、日本訳の際に姉妹校・姉妹都市などが生まれた。
▽揣摩臆測(しま・おくそく) = 事情や人の心をあれこれおしはかること。当て推量(ずいりょう)。
▽島崎藤村(-・とうそん) = 詩人・小説家。1872~1943年、長野県木曾馬籠(まごめ)の生まれ。北村透谷らの「文学界」創刊に参加。詩集「若菜集」を発表して、浪漫主義詩人として出発。小説「破戒」によって作家としての地位を確立、自然主義文学の先駆となる。詩集「落梅集」、小説「春」「家」「新生」「夜明け前」など。出題の「小諸なる 古城のほとり 雲白く 遊子悲しむ」~遊子=旅人(藤村本人)が小諸(こもろ)にある古城のあたりにたたずみ、白い雲を見上げていると、旅の愁いが一層つのり悲しみが増す意。
▽滋味(じみ) = ①うまい味わい。②滋養のある食物。③物事の豊かな深い味わい。「-あふれる教訓」。投/まさに大人が感じる味。食の専門家は、当て字の「美味しい」は油脂や塩分を多く使うと感じる旨さ。「滋味(おい)しい」と書く表現は、薄味・素材が持つ繊細な味を噛み締められることを言う。滋味は、味覚を研ぎ澄ませておかないと味わえない。鰹節・昆布・干し椎茸から作られる和風出汁などが、「滋味しい味」を引き出す。
▽市民ケーン = アメリカ映画の題名。オーソン・ウェルズ監督・主演。1941(S16)年作。斬新な技法で、新聞王の過去を描く。投/若い頃は映画三昧だったが、“見逃した”作品の1つ。
▽〆(締め) = 手紙などを封書で相手方に送る際、しっかりと封書の口を「閉め」たことを強調する時など。また「締め」、「絞め」、「占め」の意味で使用される。「卜」(ぼく、うらなう)を変形した文字というのが定説となっているが、「封」を略した文字を更に省略した説もある。〆切(締切)、活け〆(活け締め)、昆布〆(昆布締め)、羽交い〆(羽交い締め)、〆さば(しめさば)など。投/「〆」の字は、寿司屋や居酒屋のお品書きに使われるのが一番似合う。
▽注連縄・七五三縄(しめなわ) = ①〆縄の「〆」という字には、占める・閉めるという意味合いがある。②神前または神事の場に不浄なものの侵入を禁ずる印として張る縄。一般には新年に門戸に、また神棚に張る。三筋・五筋・七筋と、順次に藁(わら)の茎を捻り放して垂れ、その間々に紙を下げる。③注連縄の「注連(ちゅうれん)」は、中国で死霊が入り込まないよう、水を注いで清め連ね張った縄を意味する。
▽四面楚歌(しめんそか) = ①周囲がみな敵や反対者ばかりであること。②助けがなく孤立すること。[史記]楚(そ)の項羽(こうう)が漢の劉邦(りゅうほう・前漢の初代皇帝)の軍に囲まれた時、夜更けて四面(四方)の漢軍から盛んに楚国の歌が起こるのを聞いて、楚の民がすべて漢に降った(寝返った)かと驚き嘆いたという故事から。投/自国の歌が聞こえれば勇気が出るが、逆の例。
▽下村胡人(-・こじん) = 小説家・教育者。1884(M17)-1953(S28)年。。自伝的教養小説「次郎物語」で知られる。投/1964(S39)-66年にNHKのTV番組を楽しみに見た記憶が残っている。主役の池田秀一君が周囲から虐められるが、たくましい子供だった印象が深い。
▽四文屋(しもんや) = 江戸後期、4文(もん)均一の品物を商った大道商人。屋台で食物を売るのが多かった。
▽ジャー = 保湿装置付きの広口容器。魔法瓶や炊飯ジャーなど。投/象印は半世紀前に流行った花柄ポット(復刻版)を販売、現在の方には斬新でかなり売れているそうだ。
▽釈迦(御釈迦様)(しゃか) = 「御釈迦様でも気がつくめい(まい)」とは、御釈迦様は過去・現在・未来に渡って、この世からあの世まですべてを見通す存在。そんな存在ですら気がつくことがないほど、絶対に知れ渡ることはないだろう、知られることはないと強調して言うときに使う慣用句。投/「様」を取った「御釈迦」とは、作り損なうこと、作り損なったもの。不良品、「-にする」。鋳物職人の隠語で、地蔵や阿弥陀の像を鋳(い)るのに誤って釈迦像を鋳てしまったことから。この言葉の使い方は、御釈迦様に失礼ではないのか? シャカリキになって、阿弥陀像に作り替えろ!
▽社会悪(-・あく) = 社会が内包する矛盾から発生する悪弊・貧困・犯罪などの害悪。
▽蝦蛄(しゃこ) = 笑い言葉 < 寿司屋で「ガレージ握って!」は、昔からの注文時のオヤジギャグ、車庫。シャコの海岸物語(サザンオールスターズの曲をもじって)なども。
▽邪術(じゃじゅつ) = ①不正な方法。②意図的に特定の人に災いを与えるための呪術(じゅじゅつ)。
▽弱冠(じゃっかん) = ①古代中国で男子20歳を「弱」といい、元服して冠をかぶったことから。②成年に達すること。③年の若いこと。投/日本では弱冠25歳・30歳という言い方が通用するが、本来の意味ではない。誤りとする辞書もある。若冠は、はっきりと誤り。
▽尺骨(しゃっこつ) = 肘から手首まである二本の前腕骨のうち、小指側にある長管状骨。
▽シャッポを脱ぐ = 降参する、兜(かぶと)を脱ぐ。Chapeau・仏語。つばのついた、多くはラシャの帽子。また、単に帽子。シャポー。
▽娑婆(しゃば) = ①苦しみが多く、忍耐すべき世界の意。②人間が現実に住んでいるこの世界。③自由を束縛されている軍隊・牢獄・遊郭などに対して、その外の自由な世界、俗世間。投/娑婆は略語・倒置語ではなく、ちゃんとした言葉。投稿者の娑婆は貧乏暮らしだが、これが一番安寧で平和なのかもしれない。
▽シャベルとスコップ = JIS規格では、シャベル・shovel(下図・左)は刃の上部が平らで、そこに足を掛けて土などに深く押しこめるもの、先端が尖り掘るための道具。一方、スコップ・schop(下図・右)は、刃の上部が曲線、先端が真っすぐになっており、土などをすくって運ぶためのもの。投/シャベルとスコップの解釈は、「東西論争」(関東と関西)になっている。東日本は、両手で持つ大きいタイプをスコップ、園芸など片手で持てる小さいタイプをシャベルと呼ぶ。西日本では、小さいタイプをスコップ、大きいタイプをシャベルと呼ぶことが多い。ただ東西を問わず、人によっても言い方(解釈)が違うようだ。食べ物・風習・エスカレータの乗り方など、東西で違うことが多い。
JIS規格による呼称 左・シャベル 右・スコップ
▽写楽(しゃらく) = 江戸後期の浮世絵師。別号、東洲斎。1794~95(寛政6~7)年の10か月間に140種ほどの役者絵と相撲絵を集中的に残すだけで、その後の消息を絶つ。似顔表現を利かした強烈な個性描写が特色。閲歴・生没年未詳。大首絵(おおくびえ)と言われ、上半身を描いた浮世絵人物画。美人画と役者絵があり、喜多川歌麿や写楽が秀でた。投/何と言っても写楽は、大胆なデフォルメが凄い。当時、浮世絵は人気の歌舞伎役者を描いたブロマイドのようなもの。男女美人画が多い中、現代でも通じる写楽を認めた江戸庶民の眼力を評価したい。
三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛(おおたにおにじ・やっこえどべえ)
▽舎利(しゃり) = ①仏陀または聖者の遺骨、仏舎利。②死骸を火葬にした後に残った骨。③俗に米粒、米飯、「銀-」。投/①寿司屋などで米や白飯を「シャリ」と呼ぶのは、色や形が火葬したあとに残る粒状のお釈迦様の骨「舎利」と似ていること(こちらの説が一般的)。②サンスクリット語で、「米」を意味する「sari」を語源とする説。
▽髑髏(しゃれこうべ) = 風雨にさらされ、白骨になった頭蓋骨。されこうべ=「され」は動詞「さ(曝)れる」の連用形から、風雨にさらされて肉が落ちた頭骨。投/太平洋戦争の犠牲となった兵士・民間人の海外遺骨115万柱が、抑留されたソ連や中国・東南アジアの各地に放置されたままになっている。しかし戦後歴代の政府は“御霊”を蔑ろにして、遺骨の収集に背を向け続けている。現地人に依頼したが騙され、日本人ではない遺骨を多数受け取る大失態まで起こしている。未だに過去の戦争を肯定・美化する自民党右翼議員がいる限り、収集は進まず遺族の元には帰らない。
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「毎日新聞クロスワード」に出題されたワードから、ピックアップしたものです。
「気になる言葉の辞書」の説明は、広辞苑第七版と明鏡国語辞典第三版・三省堂国語
辞典第八版の解釈を主体に、その他複数の辞書・ネット検索・過去の投稿ネタ、投稿者
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【し(な-や)】
▽品書(しなが)き = 投/最近はメニューという言い方が一般的になってしまったが、和食や寿司などはお品書きが相応しい。グルメ番組やテレビCMの影響か、「一品」“いっぴん”と呼ぶ人が多くなった。昔は“ひとしな”と言い、情緒があったのだが・・・
▽死に体 = 力士の体勢が崩れて、立ち直ることが不可能になった状態。投/微妙な勝負について物言いになった場合、昔は技の流れや勢いが重要視された。昨今は精巧なカメラが駆使されることから、空中で死に体になったよりも、ややもすると身体の一部が先に土に着いたほうが負けのようになってきた。前者の判定のほうが、相撲の趣旨に合うが。
▽辞任ドミノ(秋の山寺、葉落ちる) = ドミノの牌を少しの間隔をあけて多数立てて並べ、端の一つを倒すと次々に隣りの牌を倒してゆくもの。投/「秋の山寺、葉落ちる」とは、紅葉狩り・紅葉名所のことではない。このフレーズで意味が分かった方は、政治通。「秋」葉復興大臣・「山」際経済再生大臣・「寺」田総務大臣・「葉」梨法務大臣の辞任ドミノのこと。
▽死の商人 = 軍需品を製造・販売して、巨利を得る大資本を指していう語。投/米国はウクライナを支援して大喜びなのが、米国の軍需産業の企業だ。米国を始め各国の軍需産業界は、“戦争が長引く”ことを期待する。日本でも戦後、児玉誉士夫(よしお)等が「武器商人」としてぼろ儲け、その金で自民党と結託し右翼活動に突っ走っていった。本来、日本は海外に武器を販売してはならない。しかし安倍政権は、武器を「防衛装備品」と言い換える。また防衛装備の「移転」と詭弁を使い、名称を変え海外に武器を売る。海外を相手に、”死の商人化路線“をまっしぐらだ。
▽篠突く雨(しのつく・-) = 篠竹を束ねたものが落ちてくるように、細いものが密に激しく飛んでくる。雨の激しく降るさまにいう。
▽不忍池(しのばずのいけ) = 東京、上野公園の南西にある池。1625年(寛永2)寛永寺建立の際、池に弁財天を祀ってから有名になる。蓮の名所。投/NHK「ブラタモリ」によると、かつて東京湾の入江であったが、平安時代ごろ入江が後退した際に取り残されて池となった。池を周回する道になっているのは、明治時代に行われていた明治天皇、華族、政府高官や財界人など高貴な方が対象の「上野不忍池競馬」が行われた名残。不忍池の名称は、上野台地と本郷台地(向ヶ岡)の間の地名が忍ヶ丘(しのぶがおか)と呼ばれていたことに由来、あるいは周囲に笹が多く茂っていたことから篠輪津(しのわづ)が転じたという説がある。
▽忍び返し = 塀などの上にとがった竹・木・鉄などをつらね立てた設備。盗賊などの忍び入るのを防ぐためのもの。
▽芝居番付 = 芝居興行の際、宣伝のために作られた番付。演目の題名・内容、出演者の配役・等級などを記したもの。辻番付・顔見世番付・絵本番付などがある。
▽自分 = 投/若い頃、関西へ転勤した。関西弁の二人称とは知らず、相手から「自分はどうする?」と言われ、自分は「お前だろ!」と言い返したら変な顔をされた失敗談あり。
▽姉妹校 = 笑い言葉 < 男子校でも関係を結べば姉妹校。姉妹□□などは、同じ系統に属し多くの類似点を有する2つ以上のものを指す。元々はフランス語やイタリア語などには、名詞に女性・男性の区別がある。学校や都市は女性名詞なので、英語圏では姉妹に例え「シスター・シティーズ」、「シスター・スクールズ」と呼び、日本訳の際に姉妹校・姉妹都市などが生まれた。
▽揣摩臆測(しま・おくそく) = 事情や人の心をあれこれおしはかること。当て推量(ずいりょう)。
▽島崎藤村(-・とうそん) = 詩人・小説家。1872~1943年、長野県木曾馬籠(まごめ)の生まれ。北村透谷らの「文学界」創刊に参加。詩集「若菜集」を発表して、浪漫主義詩人として出発。小説「破戒」によって作家としての地位を確立、自然主義文学の先駆となる。詩集「落梅集」、小説「春」「家」「新生」「夜明け前」など。出題の「小諸なる 古城のほとり 雲白く 遊子悲しむ」~遊子=旅人(藤村本人)が小諸(こもろ)にある古城のあたりにたたずみ、白い雲を見上げていると、旅の愁いが一層つのり悲しみが増す意。
▽滋味(じみ) = ①うまい味わい。②滋養のある食物。③物事の豊かな深い味わい。「-あふれる教訓」。投/まさに大人が感じる味。食の専門家は、当て字の「美味しい」は油脂や塩分を多く使うと感じる旨さ。「滋味(おい)しい」と書く表現は、薄味・素材が持つ繊細な味を噛み締められることを言う。滋味は、味覚を研ぎ澄ませておかないと味わえない。鰹節・昆布・干し椎茸から作られる和風出汁などが、「滋味しい味」を引き出す。
▽市民ケーン = アメリカ映画の題名。オーソン・ウェルズ監督・主演。1941(S16)年作。斬新な技法で、新聞王の過去を描く。投/若い頃は映画三昧だったが、“見逃した”作品の1つ。
▽〆(締め) = 手紙などを封書で相手方に送る際、しっかりと封書の口を「閉め」たことを強調する時など。また「締め」、「絞め」、「占め」の意味で使用される。「卜」(ぼく、うらなう)を変形した文字というのが定説となっているが、「封」を略した文字を更に省略した説もある。〆切(締切)、活け〆(活け締め)、昆布〆(昆布締め)、羽交い〆(羽交い締め)、〆さば(しめさば)など。投/「〆」の字は、寿司屋や居酒屋のお品書きに使われるのが一番似合う。
▽注連縄・七五三縄(しめなわ) = ①〆縄の「〆」という字には、占める・閉めるという意味合いがある。②神前または神事の場に不浄なものの侵入を禁ずる印として張る縄。一般には新年に門戸に、また神棚に張る。三筋・五筋・七筋と、順次に藁(わら)の茎を捻り放して垂れ、その間々に紙を下げる。③注連縄の「注連(ちゅうれん)」は、中国で死霊が入り込まないよう、水を注いで清め連ね張った縄を意味する。
▽四面楚歌(しめんそか) = ①周囲がみな敵や反対者ばかりであること。②助けがなく孤立すること。[史記]楚(そ)の項羽(こうう)が漢の劉邦(りゅうほう・前漢の初代皇帝)の軍に囲まれた時、夜更けて四面(四方)の漢軍から盛んに楚国の歌が起こるのを聞いて、楚の民がすべて漢に降った(寝返った)かと驚き嘆いたという故事から。投/自国の歌が聞こえれば勇気が出るが、逆の例。
▽下村胡人(-・こじん) = 小説家・教育者。1884(M17)-1953(S28)年。。自伝的教養小説「次郎物語」で知られる。投/1964(S39)-66年にNHKのTV番組を楽しみに見た記憶が残っている。主役の池田秀一君が周囲から虐められるが、たくましい子供だった印象が深い。
▽四文屋(しもんや) = 江戸後期、4文(もん)均一の品物を商った大道商人。屋台で食物を売るのが多かった。
▽ジャー = 保湿装置付きの広口容器。魔法瓶や炊飯ジャーなど。投/象印は半世紀前に流行った花柄ポット(復刻版)を販売、現在の方には斬新でかなり売れているそうだ。
▽釈迦(御釈迦様)(しゃか) = 「御釈迦様でも気がつくめい(まい)」とは、御釈迦様は過去・現在・未来に渡って、この世からあの世まですべてを見通す存在。そんな存在ですら気がつくことがないほど、絶対に知れ渡ることはないだろう、知られることはないと強調して言うときに使う慣用句。投/「様」を取った「御釈迦」とは、作り損なうこと、作り損なったもの。不良品、「-にする」。鋳物職人の隠語で、地蔵や阿弥陀の像を鋳(い)るのに誤って釈迦像を鋳てしまったことから。この言葉の使い方は、御釈迦様に失礼ではないのか? シャカリキになって、阿弥陀像に作り替えろ!
▽社会悪(-・あく) = 社会が内包する矛盾から発生する悪弊・貧困・犯罪などの害悪。
▽蝦蛄(しゃこ) = 笑い言葉 < 寿司屋で「ガレージ握って!」は、昔からの注文時のオヤジギャグ、車庫。シャコの海岸物語(サザンオールスターズの曲をもじって)なども。
▽邪術(じゃじゅつ) = ①不正な方法。②意図的に特定の人に災いを与えるための呪術(じゅじゅつ)。
▽弱冠(じゃっかん) = ①古代中国で男子20歳を「弱」といい、元服して冠をかぶったことから。②成年に達すること。③年の若いこと。投/日本では弱冠25歳・30歳という言い方が通用するが、本来の意味ではない。誤りとする辞書もある。若冠は、はっきりと誤り。
▽尺骨(しゃっこつ) = 肘から手首まである二本の前腕骨のうち、小指側にある長管状骨。
▽シャッポを脱ぐ = 降参する、兜(かぶと)を脱ぐ。Chapeau・仏語。つばのついた、多くはラシャの帽子。また、単に帽子。シャポー。
▽娑婆(しゃば) = ①苦しみが多く、忍耐すべき世界の意。②人間が現実に住んでいるこの世界。③自由を束縛されている軍隊・牢獄・遊郭などに対して、その外の自由な世界、俗世間。投/娑婆は略語・倒置語ではなく、ちゃんとした言葉。投稿者の娑婆は貧乏暮らしだが、これが一番安寧で平和なのかもしれない。
▽シャベルとスコップ = JIS規格では、シャベル・shovel(下図・左)は刃の上部が平らで、そこに足を掛けて土などに深く押しこめるもの、先端が尖り掘るための道具。一方、スコップ・schop(下図・右)は、刃の上部が曲線、先端が真っすぐになっており、土などをすくって運ぶためのもの。投/シャベルとスコップの解釈は、「東西論争」(関東と関西)になっている。東日本は、両手で持つ大きいタイプをスコップ、園芸など片手で持てる小さいタイプをシャベルと呼ぶ。西日本では、小さいタイプをスコップ、大きいタイプをシャベルと呼ぶことが多い。ただ東西を問わず、人によっても言い方(解釈)が違うようだ。食べ物・風習・エスカレータの乗り方など、東西で違うことが多い。
JIS規格による呼称 左・シャベル 右・スコップ
▽写楽(しゃらく) = 江戸後期の浮世絵師。別号、東洲斎。1794~95(寛政6~7)年の10か月間に140種ほどの役者絵と相撲絵を集中的に残すだけで、その後の消息を絶つ。似顔表現を利かした強烈な個性描写が特色。閲歴・生没年未詳。大首絵(おおくびえ)と言われ、上半身を描いた浮世絵人物画。美人画と役者絵があり、喜多川歌麿や写楽が秀でた。投/何と言っても写楽は、大胆なデフォルメが凄い。当時、浮世絵は人気の歌舞伎役者を描いたブロマイドのようなもの。男女美人画が多い中、現代でも通じる写楽を認めた江戸庶民の眼力を評価したい。
三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛(おおたにおにじ・やっこえどべえ)
▽舎利(しゃり) = ①仏陀または聖者の遺骨、仏舎利。②死骸を火葬にした後に残った骨。③俗に米粒、米飯、「銀-」。投/①寿司屋などで米や白飯を「シャリ」と呼ぶのは、色や形が火葬したあとに残る粒状のお釈迦様の骨「舎利」と似ていること(こちらの説が一般的)。②サンスクリット語で、「米」を意味する「sari」を語源とする説。
▽髑髏(しゃれこうべ) = 風雨にさらされ、白骨になった頭蓋骨。されこうべ=「され」は動詞「さ(曝)れる」の連用形から、風雨にさらされて肉が落ちた頭骨。投/太平洋戦争の犠牲となった兵士・民間人の海外遺骨115万柱が、抑留されたソ連や中国・東南アジアの各地に放置されたままになっている。しかし戦後歴代の政府は“御霊”を蔑ろにして、遺骨の収集に背を向け続けている。現地人に依頼したが騙され、日本人ではない遺骨を多数受け取る大失態まで起こしている。未だに過去の戦争を肯定・美化する自民党右翼議員がいる限り、収集は進まず遺族の元には帰らない。
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