少数派シリーズ/暮らし
マイナ⑪1258機能のうち自治体が半数以上活用した機能はたった3%、むしろ負担に
■巨額を投じても大半が使われず非効率、デジタル庁の杜撰さが浮き彫りに
朝日新聞を活用しました(抜粋)/マイナンバーシステムで児童手当や介護保険申請などの手続きを簡略化する機能の活用状況について、会計検査院が5月、全国の自治体を対象に調査した結果を発表した。調査は、全国約1800自治体を対象に、2022年度に行い、システムが提供する1258機能の利用状況を確認した。それによると、半数以上の自治体が利用したのは年金申請などの33機能(3%)で、97%の機能が半数未満の自治体でしか利用されていなかった。485機能(39%)は全く使われておらず。1割未満の自治体しか使っていない機能も649に上った。人口規模などを考慮し抽出した神奈川、愛知、兵庫、広島、福岡などの11県とその全市町村の計451自治体に活用が低調な理由を尋ねると、▽システムを使うための環境整備が出来ていない ▽住民から添付書類を出してもらった方が効率的だ ▽システムに市民の最新情報が反映されておらず使えない――などの回答があったという。
その結果、住民には、本来、なくなるはずだった負担が生じ続けている。たとえば、退職などに伴う国民健康保険に関する手続きでは、約220万人がシステムを使わず紙の証明書の提出を求められていた。難病患者への給付金に関する申請で、取得が有料の紙の課税証明書を求めたケースも見られた。検査院は報告書で、システム活用低迷の背景には、自治体側の態勢不備や、最新情報の反映が遅いシステム自体の問題もあると指摘。「自治体の取り組みだけでは解消が困難な問題等が見受けられる」「構築した国側にも問題がある」とした。政府はマイナシステムで「国民の利便性向上」と「行政の効率化」を図るとしてきたが、実態が伴わず、自治体の現場の実情と乖離(かいり)していることが明らかになった格好で、検査院は司令塔のデジタル庁や関連省庁に改善を求めた。デジ庁は、2149億円を投じた現行システムが更新期を迎えているとして、新たに数百億円を投じて機能を強化する方針を掲げている。
なかでも検査院が「非常に大きな影響が出ている」と指摘したのが、前述の会社の退職などに伴い、自治体に届け出る国民健康保険の切り替え手続きだ。国はシステムで前職の情報が得られ、証明書はいらなくなるとしてきた。背景には健保の新規加入や資格喪失の情報を、会社側でサーバーに登録する作業に時間が掛かるという実情がある。検査院によると、健保のうち1~2割が情報登録を終えるまでに2週間以上掛かっていた。元会計検査院官房審議官の星野昌季弁護士によると、「マイナンバーの利用普及などに莫大な国費が投じられており、今回の実態からみて納得できる国民はいないはず。システム設計が過大だった疑いもあるのではないか。霞が関では現場を理解しないで制度設計をすることがある。地方のせいにせず、国が責任を取らないといけない」。
■投稿者の文章|今後恐らく“大惨事”的なセキュリティートラブルが予想される
そもそも、紐付けられている機能が1258もあることに驚く。あれほどマイナカードの危険性が叫ばれたのだから、セキュリティー・安全を考慮して“最低限度”の項目から始めたと思っていた。普通、最初はできるだけ機能の数を絞って、安全を確認しながら広げていくのが常識だ。最初からこんなに作るとは、いかにも「役人」的発想である。案の定、多過ぎて使い切れていない。笑ってしまうのは、まさしく現場の自治体に「紙」や「書類」のほうが使いやすい“本音”が見られた。そりゃそうでしょ!デジタル化・デジタル時代といえども、紙のほうがいい場合は多々ある。その最たるものが、国民健康保険証である。次号以降で、さらなる「マイナ保険証」の問題に迫る。ニュースでは中国人メンバーが“ニセ・マイナカード”を製造し、スマホ・クレジット機能を悪用し高級腕時計など数百万円を奪った。今後、運転免許証・パスポートや民間のクレジット会社・スマホ決済も紐づけることになっている。恐らく、“大惨事”的なセキュリティートラブルが予想される。
次号/マイナ⑫役所にカードを取りに行かない人が首都圏だけで72万人、2万円のポイント目的だった
前号/マイナ⑩マイナ保険証利用率・国家公務員でも4.36%、公務員も人の子?面倒なものはダメ
マイナ⑪1258機能のうち自治体が半数以上活用した機能はたった3%、むしろ負担に
■巨額を投じても大半が使われず非効率、デジタル庁の杜撰さが浮き彫りに
朝日新聞を活用しました(抜粋)/マイナンバーシステムで児童手当や介護保険申請などの手続きを簡略化する機能の活用状況について、会計検査院が5月、全国の自治体を対象に調査した結果を発表した。調査は、全国約1800自治体を対象に、2022年度に行い、システムが提供する1258機能の利用状況を確認した。それによると、半数以上の自治体が利用したのは年金申請などの33機能(3%)で、97%の機能が半数未満の自治体でしか利用されていなかった。485機能(39%)は全く使われておらず。1割未満の自治体しか使っていない機能も649に上った。人口規模などを考慮し抽出した神奈川、愛知、兵庫、広島、福岡などの11県とその全市町村の計451自治体に活用が低調な理由を尋ねると、▽システムを使うための環境整備が出来ていない ▽住民から添付書類を出してもらった方が効率的だ ▽システムに市民の最新情報が反映されておらず使えない――などの回答があったという。
その結果、住民には、本来、なくなるはずだった負担が生じ続けている。たとえば、退職などに伴う国民健康保険に関する手続きでは、約220万人がシステムを使わず紙の証明書の提出を求められていた。難病患者への給付金に関する申請で、取得が有料の紙の課税証明書を求めたケースも見られた。検査院は報告書で、システム活用低迷の背景には、自治体側の態勢不備や、最新情報の反映が遅いシステム自体の問題もあると指摘。「自治体の取り組みだけでは解消が困難な問題等が見受けられる」「構築した国側にも問題がある」とした。政府はマイナシステムで「国民の利便性向上」と「行政の効率化」を図るとしてきたが、実態が伴わず、自治体の現場の実情と乖離(かいり)していることが明らかになった格好で、検査院は司令塔のデジタル庁や関連省庁に改善を求めた。デジ庁は、2149億円を投じた現行システムが更新期を迎えているとして、新たに数百億円を投じて機能を強化する方針を掲げている。
なかでも検査院が「非常に大きな影響が出ている」と指摘したのが、前述の会社の退職などに伴い、自治体に届け出る国民健康保険の切り替え手続きだ。国はシステムで前職の情報が得られ、証明書はいらなくなるとしてきた。背景には健保の新規加入や資格喪失の情報を、会社側でサーバーに登録する作業に時間が掛かるという実情がある。検査院によると、健保のうち1~2割が情報登録を終えるまでに2週間以上掛かっていた。元会計検査院官房審議官の星野昌季弁護士によると、「マイナンバーの利用普及などに莫大な国費が投じられており、今回の実態からみて納得できる国民はいないはず。システム設計が過大だった疑いもあるのではないか。霞が関では現場を理解しないで制度設計をすることがある。地方のせいにせず、国が責任を取らないといけない」。
■投稿者の文章|今後恐らく“大惨事”的なセキュリティートラブルが予想される
そもそも、紐付けられている機能が1258もあることに驚く。あれほどマイナカードの危険性が叫ばれたのだから、セキュリティー・安全を考慮して“最低限度”の項目から始めたと思っていた。普通、最初はできるだけ機能の数を絞って、安全を確認しながら広げていくのが常識だ。最初からこんなに作るとは、いかにも「役人」的発想である。案の定、多過ぎて使い切れていない。笑ってしまうのは、まさしく現場の自治体に「紙」や「書類」のほうが使いやすい“本音”が見られた。そりゃそうでしょ!デジタル化・デジタル時代といえども、紙のほうがいい場合は多々ある。その最たるものが、国民健康保険証である。次号以降で、さらなる「マイナ保険証」の問題に迫る。ニュースでは中国人メンバーが“ニセ・マイナカード”を製造し、スマホ・クレジット機能を悪用し高級腕時計など数百万円を奪った。今後、運転免許証・パスポートや民間のクレジット会社・スマホ決済も紐づけることになっている。恐らく、“大惨事”的なセキュリティートラブルが予想される。
次号/マイナ⑫役所にカードを取りに行かない人が首都圏だけで72万人、2万円のポイント目的だった
前号/マイナ⑩マイナ保険証利用率・国家公務員でも4.36%、公務員も人の子?面倒なものはダメ