少数派シリーズ 特設|新型コロナウイルス VOL.27
松尾貴史コラム◇麻生大臣の「10万円恵んでやる」尊大な態度に国民が反発
■コロナ対策の10万円もアベノマスクも、困窮生活者・マスク不足で困る国民を逆なで
投稿者からの前説文/安倍首相にしても麻生財政大臣にしても国民の心が分からず、それどころか逆なでばかりです。段々と国民の中に、反発が高まっています。1世帯30万円案を撤回、“すったもんだ”した末の1か月遅れの給付金10万円確定、誰も喜ばない「アベノマスク」、これがまともな新型コロナ対策でしょうか。安倍内閣の真剣さを、全く感じない日々が続いています。安倍首相の悪辣なことは、記者会見で「感染拡大への対策、失敗しても、私が責任を取ればいいというものではありませんー」と言い切る無責任極まる態度に唖然とします。経済ばかり気にして、肝心な新型コロナ対策に腰が据わっていないのです。これでは、国内で延々と新型コロナ感染が拡大していく恐れがあります。
毎日新聞の日曜版、「松尾貴史のちょっと違和感」というコラムから抜粋した記事をご紹介します。松尾貴史氏はコラムの中で、痛烈な批判をしています。ぜひお読み下さい。
*タイトル付け、文章の省略化、補足は投稿者によるものです。
↓ ↓ ▽松尾貴史氏のコラム
■「手を挙げたものにだけ支給する」ピントのずれた発言は理解に苦しむ
「5月6日までの辛抱」 「あと〇〇日だ」と言っている人たちがいる。新型コロナウイルス感染拡大防止のために営業や活動を自粛している人たちの間であふれているつぶやきだ。気持ちは同じなので痛いほどよくわかるけれども、5月6日までに、このコロナ禍が収束することはもちろんあり得ない。ようやく国民1人当たり10万円の給付が決まったようだが、これについてタレント出身の自民党の女性議員が「私たち党内の声が、やっと届いた!」と白々しい投稿をして不評を買っていた。自民党の二階俊博幹事長の横やりのような発言や公明党に押されて、一旦決まっていた30万円の世帯への給付をあっさりと方針転換して1人当たり一律10万円の給付ということになったのだが、これはそもそも共産党や立憲民主党などが主張していたことだ。前述の女性議員のつぶやきは、目立ったところで言えばいつかは既成事実化するというもくろみがあったのかもしれないが、ここまであからさまなデタラメを言ってしまっては逆効果もいいところだ。
「手を挙げたものにだけ支給する」という、例によって心ない麻生太郎財務相のピントのずれた尊大な主張がまたぞろ庶民の反感を呼んでいるが、なぜこの人物はこのようにいびつな言動をし続けるのか理解に苦しむ。まるで国民に「恵んでやる」という気分ででもいるのだろうか。国の予算は国民が安心して暮らせるようにいったん預けている金であって、麻生氏のポケットマネーではない。一体何を勘違いしているのだろうか。貯蓄に回す人がいることも危惧しているようだが、今はそんなことを心配している時でないだろう。この給付について、経済同友会の桜田謙悟代表幹事が「電子マネーでの給付が望ましい」という、極めてとんちんかんなことを言ってしまった。家賃や食品、生活用品など、困窮して今すぐにでも現金が欲しい人たちが働きに出なくてもいいように配る感染防止対策のカネを、経済振興と勘違いしている。欲に眼がくらんだ妄言だ。家賃支払いや小規模店舗では使用しにくい電子マネーをなぜわざわざこの非常事態に給付しなければならないのか。筋違いも甚だしい。
■安倍首相のあまりにも子供じみた「アサヒノマスク」批判にまたもや呆れる
まさかマスク2枚のお仕着せによる466億円の無駄遣いで終わると思っていた人はいないだろうけれど、それが起きかねない政権の信頼度であることは事実だ。この愚策「アベノマスク」について、朝日新聞の記者から「布マスクについて批判が集まっているが」と問いただされた安倍晋三氏は「御社の通販サイトでも(2枚)3300円で販売している」(下記補足1・2)とやり返していたが、あまりにも子供じみた振る舞いにまたもやあきれ返る。このマスクは大阪・泉大津の老舗「大津毛織」が手作りをしているもので、表裏2層のガーゼの間に医療用レベルの脱脂綿と不織布シートを挟み込んだ4層構造の高機能品だ。150回使え、使用1回当たりの単価は「アベノマスク」よりも安い。そして「アベノマスク」はやはりというか、どこのメーカーのものかを開示していない(下記補足3)。
泉大津市の市長は「どういうマスクなのか正しく伝えてほしい」と注文をつけ、同市の市議は「大量の不良品が見つかっているアベノマスクと一緒にしないでほしい」と主張している。そもそも総理大臣ともあろう権力者が、一私企業の製品について揶揄するようなことを平気で発言してしまう品性はどう考えてもおかしいだろう。これは、ネットで安倍支持者が安倍氏に近い自称ジャーナリストに告げ口のような形で伝えていた。そこから伝わったのかは不明だが「いい材料見つけた」とでも思っていた安倍氏がここぞとばかりに言ってしまったのではないか。ひょっとすると、まともなブレーンに見放されてしまったのかもしれない。
投稿者補足1/安倍首相が得たとされる情報は定かではないが、事前に保守系の経済評論家が「朝日新聞は2枚で3300円のぼったくりマスクを販売中!買っちゃダメだよ!」とツイートしていたことが念頭にあったのではと推測される。実際は、朝日新聞の通販サイトで販売。
投稿者補足2/安倍首相の理解は全く間違っており、“口撃”した通称「アサヒノマスク」は、大津毛織が製造している、相当、高品質なマスクです。確認もせず、重要な会議での首相発言の誤りは重大です。後号でご紹介します。
投稿者補足3/野党の聞き取りの結果、その後、発注先は興和・伊藤忠商事・マツオカコーポレーションと判明。しかし厚労省は残りの1社は公開できずとしていたが、4社目・5社目があり発表した。不可解な業者発注に、新たな疑惑として追及する構え。これも後号でご紹介します。
次号/28・新型コロナで亡くなると即刻袋詰めされ遺族は死に顔を見ることさえもできぬ残酷さ
前号/26・喜べぬ!給付金10万円は赤字国債で穴埋めするのでいつか税金で回収されてしまう
松尾貴史コラム◇麻生大臣の「10万円恵んでやる」尊大な態度に国民が反発
■コロナ対策の10万円もアベノマスクも、困窮生活者・マスク不足で困る国民を逆なで
投稿者からの前説文/安倍首相にしても麻生財政大臣にしても国民の心が分からず、それどころか逆なでばかりです。段々と国民の中に、反発が高まっています。1世帯30万円案を撤回、“すったもんだ”した末の1か月遅れの給付金10万円確定、誰も喜ばない「アベノマスク」、これがまともな新型コロナ対策でしょうか。安倍内閣の真剣さを、全く感じない日々が続いています。安倍首相の悪辣なことは、記者会見で「感染拡大への対策、失敗しても、私が責任を取ればいいというものではありませんー」と言い切る無責任極まる態度に唖然とします。経済ばかり気にして、肝心な新型コロナ対策に腰が据わっていないのです。これでは、国内で延々と新型コロナ感染が拡大していく恐れがあります。
毎日新聞の日曜版、「松尾貴史のちょっと違和感」というコラムから抜粋した記事をご紹介します。松尾貴史氏はコラムの中で、痛烈な批判をしています。ぜひお読み下さい。
*タイトル付け、文章の省略化、補足は投稿者によるものです。
↓ ↓ ▽松尾貴史氏のコラム
■「手を挙げたものにだけ支給する」ピントのずれた発言は理解に苦しむ
「5月6日までの辛抱」 「あと〇〇日だ」と言っている人たちがいる。新型コロナウイルス感染拡大防止のために営業や活動を自粛している人たちの間であふれているつぶやきだ。気持ちは同じなので痛いほどよくわかるけれども、5月6日までに、このコロナ禍が収束することはもちろんあり得ない。ようやく国民1人当たり10万円の給付が決まったようだが、これについてタレント出身の自民党の女性議員が「私たち党内の声が、やっと届いた!」と白々しい投稿をして不評を買っていた。自民党の二階俊博幹事長の横やりのような発言や公明党に押されて、一旦決まっていた30万円の世帯への給付をあっさりと方針転換して1人当たり一律10万円の給付ということになったのだが、これはそもそも共産党や立憲民主党などが主張していたことだ。前述の女性議員のつぶやきは、目立ったところで言えばいつかは既成事実化するというもくろみがあったのかもしれないが、ここまであからさまなデタラメを言ってしまっては逆効果もいいところだ。
「手を挙げたものにだけ支給する」という、例によって心ない麻生太郎財務相のピントのずれた尊大な主張がまたぞろ庶民の反感を呼んでいるが、なぜこの人物はこのようにいびつな言動をし続けるのか理解に苦しむ。まるで国民に「恵んでやる」という気分ででもいるのだろうか。国の予算は国民が安心して暮らせるようにいったん預けている金であって、麻生氏のポケットマネーではない。一体何を勘違いしているのだろうか。貯蓄に回す人がいることも危惧しているようだが、今はそんなことを心配している時でないだろう。この給付について、経済同友会の桜田謙悟代表幹事が「電子マネーでの給付が望ましい」という、極めてとんちんかんなことを言ってしまった。家賃や食品、生活用品など、困窮して今すぐにでも現金が欲しい人たちが働きに出なくてもいいように配る感染防止対策のカネを、経済振興と勘違いしている。欲に眼がくらんだ妄言だ。家賃支払いや小規模店舗では使用しにくい電子マネーをなぜわざわざこの非常事態に給付しなければならないのか。筋違いも甚だしい。
■安倍首相のあまりにも子供じみた「アサヒノマスク」批判にまたもや呆れる
まさかマスク2枚のお仕着せによる466億円の無駄遣いで終わると思っていた人はいないだろうけれど、それが起きかねない政権の信頼度であることは事実だ。この愚策「アベノマスク」について、朝日新聞の記者から「布マスクについて批判が集まっているが」と問いただされた安倍晋三氏は「御社の通販サイトでも(2枚)3300円で販売している」(下記補足1・2)とやり返していたが、あまりにも子供じみた振る舞いにまたもやあきれ返る。このマスクは大阪・泉大津の老舗「大津毛織」が手作りをしているもので、表裏2層のガーゼの間に医療用レベルの脱脂綿と不織布シートを挟み込んだ4層構造の高機能品だ。150回使え、使用1回当たりの単価は「アベノマスク」よりも安い。そして「アベノマスク」はやはりというか、どこのメーカーのものかを開示していない(下記補足3)。
泉大津市の市長は「どういうマスクなのか正しく伝えてほしい」と注文をつけ、同市の市議は「大量の不良品が見つかっているアベノマスクと一緒にしないでほしい」と主張している。そもそも総理大臣ともあろう権力者が、一私企業の製品について揶揄するようなことを平気で発言してしまう品性はどう考えてもおかしいだろう。これは、ネットで安倍支持者が安倍氏に近い自称ジャーナリストに告げ口のような形で伝えていた。そこから伝わったのかは不明だが「いい材料見つけた」とでも思っていた安倍氏がここぞとばかりに言ってしまったのではないか。ひょっとすると、まともなブレーンに見放されてしまったのかもしれない。
投稿者補足1/安倍首相が得たとされる情報は定かではないが、事前に保守系の経済評論家が「朝日新聞は2枚で3300円のぼったくりマスクを販売中!買っちゃダメだよ!」とツイートしていたことが念頭にあったのではと推測される。実際は、朝日新聞の通販サイトで販売。
投稿者補足2/安倍首相の理解は全く間違っており、“口撃”した通称「アサヒノマスク」は、大津毛織が製造している、相当、高品質なマスクです。確認もせず、重要な会議での首相発言の誤りは重大です。後号でご紹介します。
投稿者補足3/野党の聞き取りの結果、その後、発注先は興和・伊藤忠商事・マツオカコーポレーションと判明。しかし厚労省は残りの1社は公開できずとしていたが、4社目・5社目があり発表した。不可解な業者発注に、新たな疑惑として追及する構え。これも後号でご紹介します。
次号/28・新型コロナで亡くなると即刻袋詰めされ遺族は死に顔を見ることさえもできぬ残酷さ
前号/26・喜べぬ!給付金10万円は赤字国債で穴埋めするのでいつか税金で回収されてしまう