魚を大事にしない日本人シリーズ R5-16
ROUND5 魚を食べる時に思った疑問
かつお削り節の8割がカビ付けなし!カビを付けたかつお節の美味しさを知ろう
旨み・香り・栄養の三拍子揃った伝統食品かつお節を食べましょう
*カテゴリ移転作業中のため、一部、整合性がないことをご容赦願います。
「鰹節のパワー」の3回目です。カビを付けたものが「鰹節」(かつおぶし)ではないの?と言いたくもなります。実は、カビを付けない簡易な鰹節が圧倒的です。削り節の流通量の割合は、カビ付けなしが80%にも及びます(鰹に付けたカビは、食べても何ら問題ない種類です)。スーパーなどでは薄く削られたパック入りの花かつおは、カビなしが200円台(40g)、カビ付けは400~500円台と倍以上の価格差があります。本物品といえるカビ付け品の完成まで4~6か月間に渡り、手間と時間が大幅に掛かります。カビ付け工程の有無によって、生じる価格の差なのです。それらを省いたカビ付けなしの鰹節は、“フェイク品”とも言えます。安いほうがよくても、カビ付けした「本物の鰹節」の美味しさを知らずにいるのは、何とももったいないことです。
鰹節の作り方を、簡単に説明します。(1)鰹を三枚におろし、1尾から4本の節が取れます。(2)煮籠に並べて、80~90度で1.5時間煮ます。鮮度低下の防止、臭みを抑えるためです。(3)ここから燻しの工程に入り、70%含む鰹の水分を20~30%になるまで熱によって焙乾させます。燻しの作業は10~15回繰り返され、その間に2~3日は天日干しされます。ここまで3週間掛かり、「荒節(あらぶし)」と呼ばれるものです。この段階で加工され出荷されるのが、いわゆるカビ付けなしの鰹削り節です。(4)本来の鰹節は、その後、ずっと室温30度・湿度85%の部屋に寝かされます。途中、2~3回のカビ付けと天日干しの工程を含め3か月間掛かるのです。カビによって水分が15%以下になり、また脂肪が分解され雑味が減ります。従って本物の鰹節は、完成までに4~6か月も要します。
あらかじめ削られた鰹節を買う場合、パッケージ(袋)の裏面を確かめましょう。カビ付けされていない商品は「かつお削りぶし」、カビ付けされた商品は「かつおかれぶし削りぶし」と表示されています。このように、鰹節(花かつお)には明らかに2つの種類があるとご認識下さい。カビを付けることによって、旨味成分が凝縮される・魚臭さを取り除けるので、出汁(だし)の旨み・香りが全然違います。削り節は、高温と湿度が大敵です。酸化が早く香りが失われやすいので、大袋入りを買った場合は、できれば小分けにして容器や袋に入れて密閉します。さらには、冷蔵庫・冷凍庫、冷暗場所に保存して下さい。