食品のカラクリシリーズ こ食/食べ物視点
料理家・食育研究家の服部幸應氏が危惧する6つの「こ食」
あなたはいくつ当てはまりますか?孤・個・固・小(少)・粉・濃食
■小さい子供がいる家族だけではなく独身者・高齢者も参考に
服部幸應氏は言わずと知れたふっくらとした体躯の大料理家で、今やTV以外に文科省や政府機関が取り組む食育の委員など、様々な分野で活躍中です。先生のキャッチフレーズになった2つの言葉は、「食」の字は「人に良い」と書き、人間が生きる基本が正しい食事と説きます。もう1つが、「6つのこ食」です。核家族化や両親が多忙なことから、子供も大人もバラバラな食事をしていることに危惧しています。
「6つのこ食」に加えて、サブ的な「3つのこ食」をご紹介します。▽孤食 ▽個食 ▽固食 ▽小(少)食 ▽粉食 ▽濃食、プラス3つが▽戸食 ▽子食 ▽虚食です。何だかパソコンの漢字変換を、次々と続ける感覚ですね(笑)。一部は本来の漢字の使い方ではありませんが、確かに「こ」が付きます。失礼ながら、あなたはいくつ当てはまりますか?
小さい子供がいる家族、単身の若い世代だけではなく、年配者・高齢者も気を付けたいことです。高齢者は、否が応でも「こ食」の環境になりがちです。6プラス3つのこ食の注意点をご覧になって、陥りやすい環境を少しでも改善する参考になればと存じます。
■6つのこ食と3つのサブこ食
孤食 家族が不在の食卓で一人寂しく食べること
服部先生の見解 ・好き嫌いを増やす ・発育に必要な栄養が足りない
・社会性協調性がなくなる ・引きこもりやすくなる
投稿者補足/独身者・単身高齢者は、栄養に気をつけたいですね。
個食(バラバラ食) 家族それぞれが自分の好きなものをバラバラに食べること
服部先生の見解 ・好き嫌いを増やす ・栄養の偏り
・協調性がなくわがままに ・他人の意見を聞かない
家族は、できるだけ一緒の物を食べることが基本です。
投稿者補足/服部先生の御本ではなく、他の資料から大家族料理の落とし穴をご案内します。時々、TVで3世代・4世代がいっしょに食事する大家族を見ます。大皿がいくつも並べられ、実に微笑ましいですね。いっしょに食事していると、全員が同じものを食べているように思いがちです。でも気をつけないと子供は肉ばかり、お年寄りは魚・野菜だけ、子供は量も食べ過ぎ・お年寄りは不足し、実際は個食(バラバラ食)状態と同じだと言います。
固食 自分の好きな決まったものしか食べないこと
服部先生の見解 ・栄養の偏り ・肥満・切れやすい ・生活習慣病
・わがままになりやすい
投稿者補足/子供は誰でもそうであり、親の躾が大事ですね。
小(少)食 いつも食欲がなくて食べる量が少なくバランスが悪いこと
服部先生の見解 ・発育に必要な栄養が足りない ・栄養の偏り ・無気力 ・激やせ
粉食 パン中心あるいはピザ、パスタ・お好み焼を好んで食べること
服部先生の見解 ・噛む力が弱くなる ・カロリーが高い ・脂肪が多い
投稿者補足/女性は全般的に粉食が好きだから、注意が必要です。
濃食 調理済み加工食品やマヨネーズ・ケチャップ、塩分・味の濃い食べ物
服部先生の見解 ・本来の味が分からなくなる ・味覚障害 ・肥満 生活習慣病
3つのサブこ食 服部先生以外の方のピックアップ
▽戸食(外食) 料理は面倒と外食ばかりの生活
▽子食 両親の共働き・その他から、晩御飯を子どもたちだけで先に済ませる
▽虚食 毎晩、仕事で帰りが遅い、子供は携帯やゲームに明け暮れて、朝、食欲が湧かない
■今や生徒も大人も食事がコ・ケッ・コ・コの「ニワトリ症候群」
学校関係者は、元気のない生徒や家庭の食生活が悪いことを「ニワトリ症候群」と呼んでいるそうです。1人だけで食事をする「孤食」、朝食を摂らない「欠食」、家族それぞれが違うものを食べる「個食」、いつも決まったものばかり食べる「固食」の4つの文字を並べると、「コ・ケッ・コ・コ」になるからです。今や生徒だけではなく、大人の食事もコケコッコ~~
服部先生は、「こ食」は健康に悪いだけでなく、心にも悪影響を与えてしまうと言います。「こ食」は心身の健康をむしばみ、正しい食習慣や食文化の伝承を妨げるものと強調します。現代の子供は、「お袋の味」より「袋の味」(加工食品)のほうが美味しいということを、嘆いておられます。子供さん・その御両親、また独身者・高齢者も「こ食」を避け、正しい食習慣を身につけるよう心掛けましょう。