少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.35
ROUND3 新国立競技場 (ザハ・キールアーチ)編 11
ザハ氏への15億円のデザイン料を捨てても新国立競技場は堅実な設計にせよ
東京国際スポーツ大会切手のご案内 1963年発行
ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2015年6月、旧ブログに投稿したものです。ザハ氏デザインによる新国立競技場案は、白紙撤回されました。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。
ザハ・ハディド氏の新国立競技場のデザイン料は、何と15億円だそうです。それだけで、驚いてはいけません。「デザイン監修契約」という形態で、デザインそのものを描いただけの金額です。普通は土台・鉄骨構成などの建物全体の設計も含めますが、今回は受注した日本の請負会社が詳細に行うことになっているのです。デザイン画だけで15億円とは、世界絵画の巨匠並みです。正確には、応募規定が競技場、鳥瞰図、グランドから見た図のたった3枚のデザイン図だけが対象という甘いものでした。また選考委員には、大型競技場を設計した建築家も含まれましたが、結局、安藤忠雄氏という著名な建築家に引きずられ、建築が困難に近い設計だったことが無視されてしまいました。
15億円は大金(税金)であろうとも、この際、ザハ氏側へ契約解除を申し入れるべきです。日本人の設計者による作り慣れたデザインにして、早く・確実に設計にしたほうが得策です。1,625億円の半分以下で作れるので、15億円を棒に振っても結果的に大変な節約です。大会終了後に行う開閉式屋根設置と仮設席取り外しの改修工事に、別途600億円を要します。また維持費が年間46億円掛かり、全額をイベントで回収するプランに信憑性がありません。結局、数十億円×耐用年数50年分、計1,000億円以上を税金で補てんせざるを得ません。
森・大会組識委員長は、3,000億円どころか4,000億円掛かっても、立派な新国立競技場にしたいと発言し失笑を買いました。この男は、首相時から国民の気持ちが分らず、失言を繰り返し退陣させられたのに、いつまでもバカ癖は直りません。新国立競技場に、トータル5,000~6,000億円も掛ける意味はありません。これらは主に若い世代に、長い期間、ツケ(税金)として回されます。北京大会のメイン競技場は430億円、ロンドン大会は650億円なので、いかに莫大・バカげた金額かお分かりでしょう。
新国立競技場を管轄する文科省は、「設計をやり直すと間に合わない」 「お金がないから(現行ザハデザインを)やめたでは、IOCとの信頼関係が問題になる」 「ザハ氏と訴訟になる」として、現行のキールアーチデザインで建築することを表明しました。しかし槇文彦氏らの建築専門家グループは、日本の優秀な建築技術をもってしても、絶対、工期に間に合わないとしています。またIOCはとうに「お金の掛からないオリンピック」を目指しており、これにも逆行します。訴訟になっても、ザハ案を採用せずに数千億円少なくなれば国民への負担が大幅に減ります。政治家達の保身に、振り回されてはいけません。
新国立競技場建築の絶対条件は、デザイン性ではなくオリンピックに間に合わせることです。1度も建築経験のない設計で作ることになり、遅延・難工事の連続、最悪は事故・未完成が予想されます。今からでも、槇文彦氏らの堅実な設計にすべきと考える次第です。ここからは余談で、1964年の大会は既に早い時期に国立競技場は完成済でした。そのため前年の1963年には、東京オリンピックのリハーサルとも言える「東京国際スポーツ大会」(切手画参照)を開きました。海外からオリンピック並みの選手を招き、開会式や競技日程・運営も「本番」とほぼ同じにして、進行や不備を確認するほど万全を期しました。
切手のミス/小さくて分かりにくいのですが、右上・飛び込み選手の踵(かかと)と甲が、裏返し(反対)になっています。当時から話題になりましたが、1千万枚以上販売されたため、ミス切手でも価値が出ませんでした。
ROUND3 新国立競技場 (ザハ・キールアーチ)編 11
ザハ氏への15億円のデザイン料を捨てても新国立競技場は堅実な設計にせよ
東京国際スポーツ大会切手のご案内 1963年発行
ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2015年6月、旧ブログに投稿したものです。ザハ氏デザインによる新国立競技場案は、白紙撤回されました。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。
ザハ・ハディド氏の新国立競技場のデザイン料は、何と15億円だそうです。それだけで、驚いてはいけません。「デザイン監修契約」という形態で、デザインそのものを描いただけの金額です。普通は土台・鉄骨構成などの建物全体の設計も含めますが、今回は受注した日本の請負会社が詳細に行うことになっているのです。デザイン画だけで15億円とは、世界絵画の巨匠並みです。正確には、応募規定が競技場、鳥瞰図、グランドから見た図のたった3枚のデザイン図だけが対象という甘いものでした。また選考委員には、大型競技場を設計した建築家も含まれましたが、結局、安藤忠雄氏という著名な建築家に引きずられ、建築が困難に近い設計だったことが無視されてしまいました。
15億円は大金(税金)であろうとも、この際、ザハ氏側へ契約解除を申し入れるべきです。日本人の設計者による作り慣れたデザインにして、早く・確実に設計にしたほうが得策です。1,625億円の半分以下で作れるので、15億円を棒に振っても結果的に大変な節約です。大会終了後に行う開閉式屋根設置と仮設席取り外しの改修工事に、別途600億円を要します。また維持費が年間46億円掛かり、全額をイベントで回収するプランに信憑性がありません。結局、数十億円×耐用年数50年分、計1,000億円以上を税金で補てんせざるを得ません。
森・大会組識委員長は、3,000億円どころか4,000億円掛かっても、立派な新国立競技場にしたいと発言し失笑を買いました。この男は、首相時から国民の気持ちが分らず、失言を繰り返し退陣させられたのに、いつまでもバカ癖は直りません。新国立競技場に、トータル5,000~6,000億円も掛ける意味はありません。これらは主に若い世代に、長い期間、ツケ(税金)として回されます。北京大会のメイン競技場は430億円、ロンドン大会は650億円なので、いかに莫大・バカげた金額かお分かりでしょう。
新国立競技場を管轄する文科省は、「設計をやり直すと間に合わない」 「お金がないから(現行ザハデザインを)やめたでは、IOCとの信頼関係が問題になる」 「ザハ氏と訴訟になる」として、現行のキールアーチデザインで建築することを表明しました。しかし槇文彦氏らの建築専門家グループは、日本の優秀な建築技術をもってしても、絶対、工期に間に合わないとしています。またIOCはとうに「お金の掛からないオリンピック」を目指しており、これにも逆行します。訴訟になっても、ザハ案を採用せずに数千億円少なくなれば国民への負担が大幅に減ります。政治家達の保身に、振り回されてはいけません。
新国立競技場建築の絶対条件は、デザイン性ではなくオリンピックに間に合わせることです。1度も建築経験のない設計で作ることになり、遅延・難工事の連続、最悪は事故・未完成が予想されます。今からでも、槇文彦氏らの堅実な設計にすべきと考える次第です。ここからは余談で、1964年の大会は既に早い時期に国立競技場は完成済でした。そのため前年の1963年には、東京オリンピックのリハーサルとも言える「東京国際スポーツ大会」(切手画参照)を開きました。海外からオリンピック並みの選手を招き、開会式や競技日程・運営も「本番」とほぼ同じにして、進行や不備を確認するほど万全を期しました。
切手のミス/小さくて分かりにくいのですが、右上・飛び込み選手の踵(かかと)と甲が、裏返し(反対)になっています。当時から話題になりましたが、1千万枚以上販売されたため、ミス切手でも価値が出ませんでした。