少数派シリーズ 特設｜新型コロナウイルス ＶＯＬ．７４
隠れコロナ感染死（超過死亡）か？平年より都は月３００人・ＮＹ市は５千人以上増加
■現下の死亡数に加え一定数の方が見逃され実際の感染死数は公表値より多い
日本・世界を問わず、発表されたコロナ感染死の数よりも、もっと多くの方が感染で亡くなったと見られます。“隠れコロナ感染死“と言われ、日本（２～３月の５週間）では数百人以上、ニューヨーク市では５０００人以上と、例年の平均死亡数より不自然に多くなっています。１つの比較では、３月、都内であらゆる原因で亡くなった人は１０，６９４人、２０１６～１９年の４年間の平均１０，３７０人より３２４人多くなっています。都が発表した、同月のコロナ感染死は１５人でした。増えた３０９人のうち一定数が、感染と判断されないまま亡くなった“隠れコロナ感染死“だったのではと推察されます。３月に留まらず１月は４５７人増、２月は８８７人、４月に至っては１，０５６人で、発表されたコロナ感染死１０４人の１０倍以上です。集計以来、最大の開きだったようです。２０年１～５月の自殺者数も交通事故死も減った中での死亡者増です。一方で後段で説明するように、高齢化が進んだこと、一般の病気でも医療逼迫から医者に罹れず、自宅待機中に亡くなったとの分析もあります。国立感染症研究所が定義する、「超過死亡」という指標があります。感染症が流行した一定の期間の死亡数が、過去の水準をどれだけ上回っているかを示すものです。ＷＨＯ（世界保健機関）など、国際比較の指標にもなっています。では主な県の４月の例年との死亡増加数を見てみると、千葉県６８３人（１５％）増、埼玉７３６人（１４．４％）、神奈川６４４人（１０．２％）、愛知５６５人（１０．７％）、大阪８６６人（１２．７％）、福岡４３７人（１０．６）、因みに、岩手でも１０３人（７．８％）と軒並み増えているのです。極端な海外例・ニューヨーク市では、３／１１～５／２までに亡くなった人は３２，１０７人、過去５年間の平均死亡者数に比べ何と２４，１７２人も多いのです。うち感染死が１３，８３１人、疑いがある死亡者が５，０４８人、残る５，２９３人は隠れコロナ感染死だったのではと言われています。イタリア（２／２０～３／３１）でも、感染死１２，４２８人を含む超過死亡者は２４，３５４人と同等の人が亡くなっています。英国でも、増えた超過死亡のうち１万人が死因不明です。■初期の頃は老人ホームや病院で亡くなっても検査しなかったので見逃しがある
専門家の見解は、「日本の場合・初期の頃では、病院や老人ホームなどで高齢の方が亡くなっても、いちいち検査しなかった。亡くなった方のうち、感染を見逃されたケースもあるはずだ」と言います。ＴＶ情報番組でお馴染みの岡田晴恵教授は、見逃しの他に「２～３月の頃、医療現場が逼迫し一般の病気でも医者に罹れない状況から、自宅療養・待機を余儀なくされ、その間に悪化し心筋梗塞や他の病気で亡くなったかもしれない。それらの方が、『差』に含まれている」とも仰います。なお投稿者は新聞記事で、こんなケースも見つけました。人は死亡に至るまで、いくつかの原因（原疾患）で亡くなります。埼玉県はコロナに感染していても、主治医の主たる死因（基礎疾患・心不全など）の判断によって、コロナ感染死には加えていないことが判明しました。一方、都を始め１２都府県では、厳密な死因を問わずコロナに感染して死亡した場合は全て感染死としています。厚労省は後者の見解に立ち、埼玉県や他の自治体に改めるように指示しました。「超過死亡」の中には、一定のコロナ感染死が含まれることは間違いないでしょう。先程の諸外国の例は、顕著です。世界的に見れば、公表数に含まれない相当な数の方が亡くなっていると断言できます。一方、国内では岡田教授が仰るように、治療が受けられずに亡くなった方も入ります。これも、一種の“コロナ関連死”かもしれません。研究者の中には慎重な意見もあり、１６～１９年の直近の平均にも関わらず、年々、高齢化・高齢者層が急激に増え、それだけに死亡する方が増えているのではとの見解も出ています。さて再び感染者が増え、その大半が２０代・３０代です。若い方は比較的軽症でも、若くても重い後遺症を示す事例も見られます。怖いことは若い層は無事回復しても、５０代・６０代、高齢者に感染すれば、重症・死亡するケースが高まります。第２波がやってくる前（もうやって来ている？）に、超過死亡のデータ収集と分析を行い、対策に役立てる必要があると言います。
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