満月と黒猫日記

わたくし黒猫ブランカのデカダン酔いしれた暮らしぶりのレポートです。白い壁に「墜天使」って書いたり書かなかったり。

『宇宙舟歌』

2005-12-04 15:02:25 | 

やらなきゃいけないことが色々あるのにも関わらずまたまた本の感想をちょっとだけ。

『宇宙舟歌』(R・A・ラファティ著、柳下毅一郎訳、国書刊行会)

ラファティのSF連作です。舞台が宇宙の、船乗りたちの冒険譚です。
一仕事終えてあとは故郷に帰るだけ、という状態の船乗りたちが、「変える前にいっちょ噂の例の星で遊んで帰ろうぜ」と欲を出し、そこで囚われたりしたものの何とか抜け出し、脱出したものの不時着した星でトラブルに巻き込まれ・・・。
という繰り返し(笑)。頭の中まで筋肉っぽい主人公のキャプテンロードストラムが最高です。

その奇妙な味わいから「ラファティのように書く作家はひとりもいない」と言われただけあって、奇妙奇天烈、滅茶苦茶です(笑)。しかも乗組員たちは結構あっさり死んでしまうのですが、その星にしか適用されない法則で蘇ったりするので、死んだはずの乗組員がまた何食わぬ顔で冒険に参加していたりします。ちょっと(だいぶ?)ややこしいかも。

ちなみに幻水4プレイ済みのごく限られた読者にしか面白くなさそうな箇所が一個。
「スノウ」という名の乗組員がいるんですよ(笑)。しかも初めて死ぬときの描写が他人とは思えません。
「スノウはうめき、わめき、悲鳴をあげた。スノウ乗組員は往生際の悪い奴だったのだ。」
って(笑)。子孫?(笑)

解説で言及されているとおり、「オデュッセイア」のような英雄譚ですね。まあお世辞にも尊敬できる英雄ではありませんが(笑)。一歩間違うと少年漫画の打ち切り的な希望たっぷりな結末はいっそすがすがしかったです。

『アンナとロッテ』

2005-12-04 03:26:59 | 

本の感想です。

『アンナとロッテ』(テッサ・デ・ロー著、戸谷美保子訳、日本テレビ放送網)

ドイツ人の双子の姉妹、アンナとロッテは相次いで父母を亡くし、6歳の時にバラバラに親戚に引き取られる。アンナはハインリヒおじさんに引き取られてドイツの片田舎へ。病弱だったロッテは祖父の妹に引き取られオランダへ。
双子として生まれながら二人はまったく違う環境で、違う国で生きることになる。やがて世界大戦が始まり、ヒトラーのユダヤ人迫害に伴いユダヤ人を何年も家に匿ったり、苦しい青春時代を過ごしたロッテはドイツ人に嫌悪を抱くようになる。一方ドイツ人であるアンナもヒトラーの独裁下でひどく制限された生活を送り、苦しい時代を過ごす。

そして現代。老女となったロッテは子供たちからプレゼントされた旅行先のスパで、思いがけずドイツ語を話す老女と出会う。話すうちに、それが自分の姉のアンナであることが判明する。
ふたりは幾度か物別れに終わった再会をやり直すかのように、自分がどのように生きてきたかを語り合うのだが・・・。

というような話です。
双子でありながら、運命に翻弄されて全く別の道を歩んだふたり。ナチスの暴虐ぶりは有名で、ユダヤ人を初め敵とみなされた人々がどれほどの被害を被ったかは大なり小なり皆さんご存知でしょうが、この物語ではあまり知られていないであろう戦時中のドイツ人の苦労も読むことができます。被害を被った国の人間として、ロッテはどうしてもアンナに心を開かず、アンナは一生懸命「わたしも大変だったのよ」と抗弁します。アンナはロッテのことを「マイネ・リーベ(可愛い人)」と呼びますが、ロッテはそれには応じず。話が進むうちにアンナの語る悲惨な経験に同情するようになるのに、それでも歩み寄ることができません。

内容といいラストといい、なんだかとても辛い話でしたが、興味深く読みました。
戦争は嫌ですね。

次の機会に映画のDVDを借りてみようと思います。

黒猫さんはちょいキメパーマ!(ファッション誌風に)

2005-12-04 02:51:25 | 雑記

皆様ごきげんよう。髪を切りました黒猫でございますよ。今回は遅刻せずに行くことができましたが、パーマ含め実に3時間半・・・疲れた・・・。午後一だったのですが、終わる頃には外がたそがれてきていました。冬の一日は早いですねえ。

パーマってパーマ液浸透中しばらく放置される時間があるので時間がかかるんですよね。この間に「M○RE」(伏せきれてませんがファッション誌)を2冊も読んでしまったんですが、じっくり読むとなんか色々面白いですね。
たまにしか読まないんですが、この雑誌、頻繁に(もしかして毎号?購読しているわけじゃないので知りませんが)「これでカンペキ!フェミかわOLと決めクールOLの着回し二週間!」みたいな企画があるんですね。トップ何枚、ボトム何枚とか最初に決めておいて、それをモデルさんがOLに扮して毎日お洒落に着回すんですが、二週間程度の短期間で必ず「親友の結婚式でおめかし!」とか「ちょっと派手めでパーティーへ!」とか、盛装する機会があるのがなんとなく笑えます。華やかな暮らしぶりですね。「久しぶりの休日は、おうちでまったり」とかでもそれなりに可愛い格好をしています。決してジャージとかじゃない。まあ、ファッション誌なので当たり前ですが。
更に彼氏がいる設定だと、最後のほうでプロポーズされちゃったりとか(笑)。二週間なり十日なりでこの架空のOLさんたちはたいてい幸せを掴んで終了します。う~ん、このお約束加減が好きです(笑)。

それにしてもファッション誌の言い回しって独特。「ちょいキメ」とか「キレイめ」とか「愛されガール」とか「モテ肌」とか(笑)。特に「モテ○○」は今流行っている言い回しなのか、よく見かけます。そういえばこの間、「モテブラ」と銘打つ下着を雑誌で見ましたが、下着を見せるような段階に至ればモテるも何もないんじゃないの?とか思ったわたしはひねくれ者でしょうか。

今日はこの後ジムに行ってちんたらエアロバイクを漕いだりしていたらほぼ一日が終了してしまいましたよ。ジムで今週ずっと読んでいた『アンナとロッテ』をついに読了。深い話でした。これを映画化したDVDが面白そうだなと思っていたのですが、原作があるなら先に読んでおこうかと。感想は別カテゴリで。

それにしても明日からこのパーマ自分で復元できるかなあ。なんかもう既にただの寝癖みたいになってますが。